2024 青葉賞

コース

開幕2週目東京芝2400mで行われるダービーへのトライアル戦。青葉賞はダービーへ直結しないと言われているが、実際にその通りで求められるレース質が根本的に異なる。青葉賞の過去5年平均走破タイムの2:24.4に対して、2:23.2と1秒以上も遅く、好走馬の成績も青葉賞は2000m以上の実績がある馬がほとんどである一方、ダービーは1800mの重賞実績のある馬が強い。ダービーはスピードを求められる一方で青葉賞はスタミナが求められる一戦になる。

高相性血統データ(過去5年)

❶ルーラーシップ産駒[2-0-1-3]
※20倍未満に絞ると[2-0-1-1]
該当馬🐴へデントール、ロジルーラー
❷父サンデー系×母父ロベルト系[2-0-1-0]
該当馬なし
❸母父ヴァイスリージェント系[2-0-1-7]
※20倍未満に絞ると[2-0-1-1]
該当馬🐴フォスターボンド
❹brushing bloom持ち[1-0-3-11]
※10倍未満に絞ると[1-0-3-3]
該当馬🐴ウインマクシマム、デュアルウィルダー
❺Surumu持ち[1-1-1-4]
※100倍未満に絞ると[1-1-1-0]
該当馬🐴アバンデル、サトノシュトラーセ、シュバルツクーゲル

買いたい馬

シュガークン

前走、大寒桜賞ではスタート直後に落鉄しながらの重馬場を完勝。重馬場を落鉄しながら勝ち切る馬は個人的にかなり評価しており、最近で言えばマッドクール。レースラップは12.8-11.2-11.8-13.8-13.3-13.2-12.6-13.1-12.6-11.3-11.7と超タフな馬場であったが2F,3Fは極端に早く、スタートの二の脚がかなり良く、パワーとスピードも兼ね備えてる。さらに先頭に立つとペースを緩められていることから折り合いに不安もなく、ラストはしっかりと加速できていることから、かなり器用で操縦性の高さが伺える。また、この大寒桜賞の6着馬と3着馬が次走、東京2300mで1,3着と相手は弱くない中でスタミナの差を見せつけており、青葉賞にリンクするイメージがつけやすい。2走前も、同様に2Fが10.9と早くなったラップを外枠から先行。外外を回しながら、ラストは瞬発力戦を高いギアチェンジ力で前を捉えられている。武豊も「ダービーに出ないといけない馬」とコメントが出ている点も心強い。追い切りの過程も非常によく、毎回のレースで成長を感じさせてくれるし期待したい。持続力勝負を経験していないだけにそこだけが不安点だが競馬のセンスは高そうで大崩れはしないタイプに見える。

ウインマクシマム

前走のゆりかもめ賞は少頭数で、レースラップ12.9-11.3-12.6-12.8-12.8-12.9-12.9-12.5-12.3-11.2-11.1-11.6、前半36.8のスローペースの競馬を楽逃げではあったものの上がり最速で完勝。レース後コメントで、松岡騎手は「引っかかってしまった。前走で接触したりして、気性的な意味で燃えやすい。中間は単走だったが、競馬に行くと掛かる面がある。」前回は気持ちよく行けたが、多頭数で重賞とあれば、折り合い不安により、消耗してもおかしくない。ただし、東京2400の実績があることは大きく、今回のコースはドンピシャという感じがするので抑えは必要。

トロヴァトーレ

前走の弥生賞は1コーナーまでに相当かかりながら内のシンエンペラーと喧嘩、頸向きも悪くリズムを崩しており、3コーナーでも前をカットされたりで、母父エンパイアメーカーであることから相当揉まれ弱い可能性がある。実際に新馬戦は小頭数を外から、葉牡丹賞も外を回しながらで、ここで揉まれ弱さが露呈した形に見える。
葉牡丹賞は最内3列目の中団からの競馬。レースラップ12.6-11.2-12.4-12.7-12.8-12.2-12.1-11.7-11.3-11.4とスローペースかつ開幕週でイン前有利バイアスだったはずだが、直線で外4頭目に持ち出すと一気に加速して上り3ハロン最速の33.9をマークし、0.3差勝ち。展開やバイアスを考えると着差以上に強い競馬で、ギアチェンジ性能の高く、瞬発力勝負向き。
弥生賞はハイレベルなメンバーが集まっていた印象でそこで1番人気だった馬が、6番人気に下がるのであれば、当然買いの一頭。揉まれ弱いところから大外はこの馬的にはプラス。ただかなりピッチ走法でこれまで徹底して中山を使っていただけに東京コースには不安が残る。

デュアルウィルダー

新馬戦では、『フローラS勝ち馬アドマイヤベルと差なし』のベストミーエヴァー、『2勝馬リアレストやディマイザキッドと差なし』のマイネルオーシャンが相手のHレベル戦で、しかも前有利の展開がベストミーエヴァーとマイネルオーシャンに向き、デュアルウィルダーに向かなかった。新馬は既走馬に対してどうしても大きな経験の差があり、中々のポテンシャルの開きがないと勝てないが、不利な展開で前2頭が全体11.7-11.3-11.0で伸びる中、デュアルウィルダーは大外を回すロスもありながら、想定ラップ12.6-10.5-10.3の驚愕の末脚でこれに0.3まで迫った。2戦目は打って変わって逃げて、最後やや緩めて12.0-11.7-11.7の盤石なラップで5馬身差圧勝。鞍上にはモライラ騎手を確保しており、勝負気配も高い。

アバンデル

フリージア賞は内前有利の馬場と展開が外後方からとなったアバンデルに向かなかったが、想定ラップ11.9-10.9-10.7のかなり優秀な末脚で、展開の向いたマーシャルポイントやアドマイヤベルらを0.1まで追い詰めており、高評価。2走前は内で詰まり度外視。3走前は中山2000mでコスモキュランダに勝利。4走前の中山での未勝利戦が特に強く、全体ラップが11.8-11.8-11.5の加速ラップで完全なる前有利のレースだったが、これを3コーナーまで最後方、4コーナーでも7番手だったアバンデルが、想定ラップ11.8-11.6-10.5 (33.9)の鬼脚で、アタマ差2着まで追い上げた。中山と最後に坂のあるコースでこのラップはかなり強い内容でここでも展開がより向いたコスモキュランダに先着している。ただスタミナという観点では不安が残るため相手候補。

消す人気馬

へデントール

毎回スタートの行き足がつかず最高峰から持続力を活かして前を飲み込む大味の競馬。前走の1勝クラスはレースラップ12.6-11.4-12.4-12.1-11.8-11.6-12.1-12.5-12.5-12.9と5-6Fが早くなる異質なレースラップで、スタートからここまで息の入らない展開で持久力勝負となって後半戦へ。3角から4角は減速ラップとなっているため、後方からの捲りがハマりやすい展開になり、ヘデントールは最後方から大外を回して捲っており、ラストは12.5-12.9とトップスピードの質は求められず、ラスト3F地点で既に消耗が始まっているように持久力と底力が問われるレースとなった。見た目では凄いスピードで差し切ったようにみえるが、前が物凄い勢いでバテており、本質以上に強く見えている可能性がある。アメリカリーディング1位のオシェア騎手を確保しているが、この騎手は差しが苦手で、今年は既に50勝あげているが、逃-先-差-追で[16-28-6-0]と逃げ先行を得意とする騎手でこの馬とは手が合わない。中間で皮膚病も発症したおり、調教もできておらず万全で出てこれるとは思えない。


◎シュガークン 
○デュアルウィルダー
▲トロヴァトーレ
△ウインマクシマム
△アバンデル

軸はシュガークン。
頭はデュアルウィルダーを期待

レース後回顧

1着 シュガークン
事前予想の通り、スタート良くでて、行く馬を行かせて4番手あたりのインで溜める最高のポジション取り。道中も揉まれることなくスムーズで、残り400で進路を外に出て差し切り。本当に競馬のセンスが高くてスタートダッシュもつくので取りたいポジションを取れるし、パワーホールが大逃げしたが、ペースを崩さなかったのも好印象、直線ではトロヴァトーレに蓋をされるがこじ開ける根性もあり、大崩れはしない。日本ダービーは本質的にスピードが要求されるのでやはり適正はズレるものの、この世代は気性難を抱えたピンパー馬が多すぎるのでダービーでも3-5着くらいならやれるのでは。スタミナは良いものがあるし、折り合いセンスは高いので菊花賞は馬券内確実。

2着 ショウナンラプンタ
大外の不利を受ける形でのロス競馬。それでも、最後は勝ち馬に迫ったのは力のなせる業。折り合いが鍵なので、今回壁を作りながら追走できたのは収穫。上がりも33.6と2位で、叩いて良化するキズナ産駒。瞬発力が必要なダービーにはシュガークンよりはこちらの方が適正はある。あとは我慢ができる競馬が出来るか。

3着 デュアルウィルダー
多頭数の東京2400mでは鬼門の大外枠。その不利を何とかカバーしようとモレイラ騎手は1~2コーナーの間、ずっと頭を動かして他馬の動きを確認。外に膨れないように注意しながらレースを進めており、内にもぐることはできませんでしたが、それでも、ロスを極力減らす形で直線へ。瞬発力についてはやはり凄まじいものがあり、上がり最速の競馬で3着。ただ、モレイラの好騎乗もあってで次走以降の狙い方は難しい。

4着 サトノシュトラーセ
最内枠の利を放棄して向正面は大外スタートのような外回し競馬。人気を考えると枠を生かして思い切った競馬をすべきだし、さっさと内を捨てて距離ロスしながらの外回しは無策であった。やっぱりデムーロが穴を開けるのは外枠時という感じで、今回に関しては騎乗ミス。馬は強かったので展開負けの内容。

5着 ウインマクシマム
上手く好位を取って道中は我慢。ほぼノーミスで直線を迎えましたが、最後はキレ負け。

6着 フォスターボンド
枠を生かしてのインビタ競馬でラストはキレ負け。騎乗もミスなしで今回は力負け。

7着 コスモブッドレア
7枠からのレースということで距離ロスは強いられるも、自分のやりたい形で競馬が出来ての結果で力負け。

8着 へデントール
いつも通りスタート失敗からのバタバタ競馬。鞍上との呼吸も合わず、位置取りも最悪の後方2番手。さらに勝負を捨てての外回しと、どうしようもない雑な競馬で重賞では通用しない。また能力的にも状態的にも疑問があったし、個人的には納得の結果で、最上位クラスで戦うにはレースセンスが足りない。

9着 アバンデル
道中は最後方からで、そこから大外膨らみ回しのロス競馬も実は上がりはメンバー最速。もっと上手く乗っていれば掲示板くらいはあったかもしれない。見直し可能な1頭。

10着 シュバルツクーゲル
外枠から上手くインに入っての理想的な競馬。しかし、キレる脚を持っていないため、勝負形に持ち込めず、そのままゴール。

11着 トロヴァトーレ
発汗目立ったレース前に加え、明らかに不利となる大外スタート。道中は行きたがっていましたし、鞍上との呼吸合わず。横山武Jは『壁をつくることを意識し、いいポジションは取れましたが、壁はつくれませんでした。落ち着いたところで、マクってきた馬に反応して力んでしまいました。本質的に距離が長いのかなと思います』前走同様、気性面の課題を露呈しており、今回も内容の薄い敗戦。

12着 グランアルティスタ
最内枠を生かしてのインピタ競馬。原騎手は完璧にエスコートしていましたし、これで伸びないなら力負け。

13着 マーシャルポイント
スタート失敗からの後方競馬で終始ちぐはぐ。追い込んだり、逃げたりと脚質が安定しない馬で流れが決まりにくい中距離路線は厳しそう。

14着 パワーホール
ペース次第で逃げ馬に利がある東京1800mから逃げ馬不利の東京2400mではどうしようもない。

15-17着 ジンセイ、ニシノフィアンス、ロジルーラーは人気通りに力負け。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?