2024 オークス

コース

東京芝2400mで開催され、2400mという距離は、登録馬全頭にとって未知な距離である。一方で、スタートから1角までは350mと短く、長距離であるにも関わらず、ポジション確保のため最初の2F目が最も早いラップを刻むことになる。その後、最初のコーナーに差し掛かった時点からはペースは極端に緩み、道中ペースが緩むことから最後の上がり勝負になることが多く、実際にオークスは過去10年「道中に明確な緩み」のあるレースで、直線に入ってからの決め手勝負になりやすく、コーナー部分からロンスパ勝負にはほぼならない。したがって3ハロンの瞬発力勝負となる可能性が極めて高いレースとなる。つまり距離が大丈夫かどうかに論点を置く必要がなく、それ以上にスピードの絶対値の方が大事で、基礎スピードがあるだけで消耗が少ないし、ほぼほぼ道中が緩むこのレースにおいてはスタミナ量は、最低保証で問題なく、さほど重要にはならない。狙いは折り合いに問題ない差し馬。

買いたい馬

ステレンボッシュ

新馬戦は小頭数レースであったが、その後のレースを見ても比較的メンバーレベルはぼちぼち揃っていた。1角でうちの馬が外に斜行してきたことに巻き込まれ、かなりの外まで飛ばされる大きな不利がありながら、ノーステッキで差し切り完勝。
2戦目のサフラン賞は、内有利馬場で4コーナーで大外ぶん回しの距離ロスがありながら、内を立ち回った馬にハナ差の2着。ゴール板を通過後に突き抜けており、まだ余力は残っていたようにも見える。
3戦目の赤松賞は、イン前有利の馬場を差し切り勝ち。勝ちタイムは1:33.8と同日の白秋Sより0.6秒早かったものの、ただ上がり1位の馬が3頭おり、4角を文句なしのポジションで回ってきたのに、右回りほど抜けた上がりを使えていない印象。直線向いて右手前で追われてから100m程で左手前に戻しており、本質的に右回り向きの可能性が残る。
2走前、阪神JFではレースタイム12.4-10.7-11.3-12.0-11.8-11.3-11.4-11.7と歴代最速時計の1:32.6、ラスト4F46.2秒も最速で全体時計、ラップ共に高水準なレースをクビ差の2着。ただし、ゴール後に他馬を突き放しており、まだ余力は残っていた可能性がある。
前走、桜花賞はレースタイム12.4-10.8-11.2-11.8-11.8-11.4-11.2-11.5 と例年のような短距離質なスピードは求められなく純粋なトップスピードが求められるレース。アスコリピチェーノが4コーナーで外に膨れた瞬間に外に弾く、ファインプレーな騎乗によるものが大きく不利がなければ逆転されていた可能性が高い。ただし、そのアスコリピチェーノはNHKマイルカップでも相当な強いレースを見せており、その馬とまともにやりあえているのは強いの一言で、このレースでもゴール後にさらに突き放していることから、距離は伸びても全く問題ない。

チェルヴィニア

2戦目の未勝利戦(新潟芝1800m)の2歳戦において、上がり3F33.0以内で1位かつ、ラスト1F11.5未満で勝利した馬は過去に4頭おり全てが重賞勝ち馬(内G1馬が2頭)。
3戦目のアルテミスSは直前半ばまで追い出しを待たされる不利がありながら、完勝。このレースは時計的価値も非常に高く、2歳戦で1:34.0未満かつ、4角5番手以内、上がり3F34.0以内、2着と1馬身以上の差をつけて勝利した馬は6頭おり、その全てがG1馬。
その後1頓挫あったての4戦目桜花賞は終始外目を先行し、脚を溜められず敗戦。末脚を繰り出しやすい展開になったことかつ、最後の直線でも何度も挟まれて手綱を引く不利もあり、度外視可能な内容。また右手前の伸びが良く、左回り向きで前走から大きくパフォーマンスアップが見込める。

エセルフリーダ

前走、ミモザ賞はレースラップ12.6-11.5-11.8-12.4-12.1-12.0-12.4-12.1-11.8-11.7の上がり勝負を4角最後方から差し有利の馬場だったとは言え、外から捲っていってニシノティアモを差し切って勝利した内容は評価できる。ニシノティアモ比較で、今回人気しているコガネノソラと差があるように思えず、オッズ妙味も考慮すると圧倒的にこちらが買いになる。
2走前、未勝利戦は時計のかかる馬場で差し有利の馬場を先行して5着。2着のコスモキュランダ(皐月賞2着馬)、4着はエコロレイズ(弥生賞4着)とハイレベルなメンバー相手に展開的な不利がありながらも大きくは離されていない。またこの馬はまだ牝馬には一度も先着されておらず、牡馬とやり合ってきている点も評価できる。鞍上だけが弱すぎるので紐候補に。
また間隔は詰まっているが追い切りの動きは非常に良く、充実一途に感じる。

ランスオブクイーン

前走の未勝利戦ではスタート良く道中スローペースの縦長の展開を4番手で追走。4角で外に持ち出すとそのまま直線は楽な手応えで12.0-11.2-11.2のラップで0.4秒差の圧勝。手応えの良さからはかなり余裕を感じる勝利。モレイラの連続起用でよほど期待が大きかったのだろう。近2走で走りに幅が出ており、成長が著しく、折り合いにも全く問題ないので大穴で買える今回は妙味十分。

サフィラ

3走前、アルテミスSは道中は中緩みのあるSペースを5番手好位追走。直線に入ると迫力ある伸びで2着。勝ち馬チェルヴィニアは11.4-11.2-11.0の加速ラップを刻んでおり、相手が強すぎた。4着馬はエルフィンSを1着、6着馬はフェアリーSを3着とまずまず結果を残しておりレベルは低くなかった。
2走前、阪神JFは緩まないMペースを後方追走、展開向くも結果は0.7秒差の4着は力負け。この時点での弱点は競馬の幅が無く、外からの競馬一辺倒になりがちだった。
3走前、クイーンCではスタート良く5番手を追走、道中は11秒台が並ぶミドルペース。直線では外に出さず真っ直ぐ走らせたが全く伸びず。この馬に取っては忙しいペースのようで、そういう点ではマイルよりは2000m以上の距離が向いている。また飼葉食いが悪く、レース前2日間は全く食べておらず、状態面も最悪だった。今回は調教後馬体重が+22kgと状態の上積み、またコース適正も上がる一方で、これまで1,2番人気を背負ってた馬が一気に11番人気になるなら絶好の狙い目と見る。

ホーエリート

未勝利戦では素質馬のペッレグリーニとの競り合いをハナ差で制した実力馬。東京2000mの百日草特別では大外枠スタートから外に寄れ、ロスがありながらも二の脚で番手を確保。道中は12秒台前半が並ぶペース、離れた番手にいたこの馬は直線で後続の馬とのキレ勝負に負け6着。
フリージア賞では直線で進路が無く挙句の果てに内で挟まれて全く競馬になってないので
度外視可能。
前走のフラワーCでは7番手外目を追走。道中は12秒台が延々と続くミドルペース。折り合い良く進み、4角で大外に回すと直線では35.6の末脚で伸び0.2秒差の2着。大外を回したロスを考えると内を通った勝ち馬より評価できる内容。同じように外から共に伸びてきたカニキュルはフローラSで好走。血統的好相性のDictus[1-0-3-2]を持っており、まだ穴人気するようなら買い。

買わない人気馬

クイーンズウォーク

・かなり跳びが大きく東京コース替わり◎
・馬群を捌きながら伸びてくるのは向かないので内枠は△
・川田がオークス向きと公言。間違いなく過剰気味に人気する。
・クイーンCで倒した馬の成績が悪く能力的な裏付けが薄い。
・桜花賞は伸びない内を立ち回ったとは言え見せ場が無さすぎる。

スウィープフィート

・桜花賞は道中はロスなく、直線は追い出しが遅れるもそれ以外はトラックバイアスに沿った完璧な騎乗。超差し有利のレースで展開向きすぎ。
・気性的にポジションをとるリスクが大きく後方からになる。
・左手前の方が伸びが良いように見えるため、右回り向きの可能性がある。

タガノエルピーダ

・外枠かつ先行馬
・かなりのピッチ走法で前輪駆動なタイプで東京は向かない。

ライトバック

・オークスで最も重要なのは折り合い。折り合い難のこの馬は最高パフォーマンスを出せない可能性がある。
・桜花賞は道中はロスなく、直線は追い出しが遅れるもそれ以外はトラックバイアスに沿った完璧な騎乗。超差し有利のレースで展開向きすぎ。

コガネノソラ

前走のスイートピーSではミドルペースを6番手での追走。折り合い良く進み直線で大外に出すとそこから12.2-11.9-11.6の加速ラップでクビ差の1着。後方からジワジワ伸びていく持続力タイプ。抜けた脚は無く、勝ったレースは全てラスト2Fが23.0以上、負けたレースは23.0未満と速い上がりを使えないタイプでオークスとはマッチしない。また、3連勝で勢いあるが、全てラップや馬場がドンピシャにハマっており恵まれた勝利でこんなに人気するなら余裕で消し。ニシノティアモ比較でも、他の穴馬と大差なく妙味は限りなく低い。

印と買い目

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