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暴走族と藁人形

こんにちは、人形の博物館でディレクターをしているちーとんです🐷

GWに実家で大掃除をしなくてはならず、リカちゃん、ティモテ、バービー、ブライス、様々な人形との再会を果たした私ですが

それより何より、、、暴走族雑誌「チャンプロード」1998年、2000年の2冊を発見しついつい中身を見てしまった私。衝撃に包まれました。
なんというデコラティブなバイク。。。
ハイセンス過ぎるワードの数々。

今Amazonで買おうとすると5000円近くするようだ
悪斗夢さんの単車
パーク外で暴走したい‥‥個人的エレクトリカルパレードもしたい‥‥
という気持ちはわからんでもない。

そしてさらなる衝撃が。。。
言ってしまえば田舎ヤンキー向け雑誌のチャンプロードですが広告ページでしょうか、なんと
藁人形の通販を行っていました🤯

※本気で人を死に至らしめることを目的とした人には販売できないとの注釈が。家庭でひっそりと軽めの?呪いをかけたい人向け。

つまり、田舎ヤンキー少年少女たちが呪いたいくらいに腹が立つ相手をなんとかしようと、購入していた可能性が。そして誌面には他にも星占いなどがあったりとスピリチュアル要素もふんだんに盛り込まれておりました。

2000年代にゆくにつれて「kawaii」文化も盛り上がりを見せ、徐々にサンリオ系のカワイイ要素とギャル文化にヤンキー文化も融合を見せつつ盛り上がってきた時代。
カワイイ文化研究中の私としては、この文化的融合のポジティブさに驚きつつ、突然の「藁人形」「呪い」の需要についても興味深く思いました。
だいたい「人を呪わば穴2つ」というように、呪いをかける方にもそれなりの報いがある、というような認識も少なからず持っているはずで、よほどの覚悟がないとできないことです。
それを「手軽にご自宅で誰かを呪えます♪」とは‥‥ずいぶんコンビニエンスな呪いです。

藁人形はこわい、というイメージがかなり浸透していますが、19世紀や20世紀につくられた世界の民族人形は、藁でできているものが沢山あります。それは、五穀豊穣を祈るためのもの人形であったり、ロシア、ベラルーシでは藁は太陽を連想させたりもするようです。日本でも身近に手に入る自然物の素材として誰しもが藁を編んで、生活に必要な草履や笊などをつくっていました。

そして藁人形も市松人形も、元々は「かわいい」ものとしてつくられたものです。その時代に愛しい想いを込められてつくられているものが大半です。
時間を経て、所有者の思いがこもったものもあり経年の劣化と共になんだか不気味に見える気持ちというのも理解できます。
ただ、「作者、所有者は人形を大事に想っていた」という方が大半の事実です。
個々の感性により様々な感想を持つかとは思いますが、「人形はこわい」そう感じたらそれがなぜなのかを、ぜひいちど考えてみて下さい。

※ちなみに私は人形より暴走族のほうがこわかったのですが、かわいいデコ車やデコトラを見ると、もしや仲間かもしれない😎🛵❣️
とも思うようになりました。

現在の私の自作デコケータイ


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