「ぬいぐるみのげんざいち」展④片岡メリヤス×菊地浩平トークショーその2「アムちゃんについて」
横浜人形の家でのイベント「生きものとしてのぬいぐるみ」トークショーは、100席がすべて完売。キャンセル待ちも出る盛況ぶりでした。
チラシには「人形、ぬいぐるみと一緒のご参加歓迎」「ぬいぐるみのお客様はお連れの方のお膝の上でお願いします」と表記🧸
するとかなりの方がぬいぐるみとご一緒に来て下さり、ステージから見てもお客さんとぬいぐるみのお顔の両方が見え、なんとも新しい光景でした🐻🙆
当日はお客さんの持つぬいぐるみについてもお聞きするため、インタビューを決行。私とスタッフはマイクと携帯カメラを持って会場の方々の元へ。もちろんNGの方もいらっしゃるので、お話ししても良いという方にだけ、菊地先生とメリヤスさんが質問をしました。
様々な方のぬいぐるみについて話す顔は、とても嬉しそうでキュートで。
スクリーンにうつるぬいぐるみに対して「お〜」「かわいい〜♡」とひとつひとつのぬいぐるみに対しそれぞれオーディエンスからの反応があり、何とも言えない会場の心地よい共鳴というのか、連帯感のようなものを感じました。
終わったあと、参加された方から何と私宛!?にもうれしいご連絡が。
会場でインタビューさせていただいた、タキシードサムのぬいぐるみを30年以上大事にされている方でした。こんなに嬉しいことがあるとは。。。涙。
仮名Yさん、のぬいぐるみ「アムちゃん」は、サンリオのキャラクターの”タキシードサム”で、元々はピンク色のリボンを胸につけていますが汚れてくるとお母さんが洗ってくれるそうで、その際に取れたリボンを頭に縫い付けて戻してくれて、それ以来あむちゃんのチャームポイントになっているそう。お母さんが洗ってくれた後の洗剤のいい香り、自分で洗ってもそうはならないことなど、アムちゃんを通じたYさんとお母さんとのあたたかい関係性も伝わって、こういった個々の体験を語る中に、本当の意味でのぬいぐるみや人間の尊く、共有しがたいけれど大事なことがあるような気がしました。
そして、Yさんとあたたかいメッセージのやりとりを続けている中で、私にとっても気付きがありました。
私は普段、たくさんのぬいぐるみや人形が好きな方と接していることもあり、スタッフにもぬい好きが多くいるため、世間での認識とのズレがあることは予想していたのですが、やっぱりまだまだ市民権を得てないんだなと思わされることが度々あります。
ぬいぐるみを持つことや人形を愛でることが気味悪がられたり、大人なのにいつまで持ってるの、男の子なのに、などのレッテルを貼られてしまう。インスタグラムで「ぬい撮り」などのブームがあり老若男女問わず誰でもぬいや人形を持ち歩きやすくなったものの、まだまだ環境によってオープンにしずらい空気があります。
そういった中で、横浜人形の家は安心して人形やぬいぐるみと来館できる場所として、その役割を果たすことのできる場所なのかも知れないと。
菊地先生は「人形の家」は「家」であることが重要なんじゃないかと言っていた。誰しもが語っていい場所。いわゆる博物館のような一方向ではない場所。オープンな場所。双方向的な場所づくりをこれからも叶えていきたいとあらためて。
愛されてきたアムちゃんを見ているととても優しい気持ちになります。
Yさん貴重なメッセージ本当にありがとうございました。
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