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作者であるどーる自身がお気に入りの作品たちを厳選してマガジンに突っ込んでみました!
ハズレは......ないって言いたい......!
※「泡沫のような奇跡を」「ヒロイン」「いつ…
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2023年2月の記事一覧
解けないように、魔法をかけて
『もしもし』
電話口から聞こえる声は、大きな音を立てる洗濯機にかき消されてしまいそうなほどに小さい。
「もしもし……なんか、声聞くの久しぶりな感じする……」
私は寝ころんでいたベッドから起き上がり、せわしなく部屋をうろつく。
『そうかな……』
「うん、十日くらい電話してなかったよ」
『あー……もう、そんなに』
「ちょっと!忘れないでよ、私のこと」
『美空のこと忘れた日なんてないよ』
僕にチョコをくれたのが誰なのか、幼馴染は全然教えてくれません
明日はバレンタイン。
最後に手作りでチョコを作ったのなんて、小学校の頃以来……
一抹の不安は残るものの、
「よし……!」
髪を後ろに結んで、袖を捲くる。
買い物袋から取り出すのは生クリームと薄力粉。
卵と、失敗してもいい用の沢山の板チョコ。
「レシピ、レシピ……」
スマホでレシピを調べて、いざ調理開始。
彼の好みはよく知ってる。
そこは幼馴染の有利なところ。
コンビニでよくガ
義理の姉が、家に一歩でも入った瞬間甘々になってしまって困るんですけど...
「○○いますか?」
二限が終わったころ、猫目でショートカットの女子生徒が教室の扉を開けて訪ねてきた。
「ん?何か用?」
その女子生徒は、
「お弁当、忘れてった」
水色のランチクロスに包まれた弁当箱を届けに来たらしい。
「ああ、アルノ。マジで助かったわ。昼抜きになるかと思った」
苦笑いしながら受け取ろうとすると、
「何か言うこと無いの?」
眉をひそめて、冷たくそう言う。
「お礼の