後輩の女の子
職場のとある業務を後輩の女の子と2人で担当することになった。彼女はとても気立が良くて仕事も出来る子で、ドルジは先輩としていい所を見せたいという雑念をモチベーションに業務に当たることにした。既にその業務の経験があったドルジは後輩へ的確に内容を説明してタスクをパスする。もちろん渡した業務はどんなミスがあってもフォロー出来る、ドルジの範疇内の内容だ。何かあった時に、すかさずフォローすればドルジの株はストップ高間違い無しだろう。この業務は3日程度で成果の報告が来るはずだ。そんな気持ちでスキップしながら退社し、翌日出勤してメールボックスをチェックすると後輩ちゃんから3つのメールが届いていた。
一つ目、与えられた仕事、終了しました。
二つ目、疑問点が多く、引継ぎが難しい内容だったのでマニュアルを作ってみました。内容確認してくれませんか?
その三、この業務、ドルジさんも不毛だとおっしゃってた領域があったと思いますが、確かに私もそう思います。もっと効率化する為には管理方法を変更するべきだと思います。素案を作ったので確認してくれますか?
なんと速攻で仕事を片付けて、マニュアル化と効率化の提案が来ていた。そして文句のつけようのない完璧な内容にドルジは震えた。その後も彼女と会話すると本当に多様なアイデアが出てくる。ドルジは先輩として良いところを見せたいと思い、必死に彼女の新しいアイデアを生かせるようサポートに徹することにした。そして1カ月の月日が経った今、ようやくドルジは先輩として彼女との関係値を築けたように思っている。今日もオフィスの廊下を颯爽と歩く彼女。その3歩後ろで彼女から頼まれた会議資料とコーヒーを、こぼさないように手を震わせながら慎重に運ぶドルジなのでした。