平凡で憂鬱な日々に君を追いかけている

2020/11/19

退廃的な一日、夕陽が沈む瞬間を見逃した。
あのオレンジの光の先へ。わたしは勝手に朝陽のことだと思っているけど、それでも頭の中でずっと流れていた。


今日も平凡なのに変わり者のふりをしながら普通になりたいと叫んでいた。

普通を疑い続ける日々を重ねてその感性だけを普遍と呼んでいた。わたしが誰よりも普通だった。だからほんの少しだけ異常だった。

ババ抜きでジョーカーが疎まれるように、何にでもなれるものは時として酷く孤独だ。

突然「本当のこと」を大切にするような世の中だから、道化は容易に居場所を奪われる。
わたしは優等生だから、彼の座れるスペースを少しだけ空けてイヤホンで音楽を聴いていた。

さり気なさの演出に気づかれていることに気づいていないふりをした。馬鹿のふりはいつだって一番の得意技だ。でもそれすら彼は見破っているのだろう、そうして永遠に終わらないいたちごっこを繰り返す。

わたしたちは仲良しのペア見えるだろう。いつの間にかわたしはジョーカーより万能なジョーカーへ。そして、やがてはその孤独へ道連れだ。二人にはなれない。


今日も普通の日記を書いて、才能は見つけられずに、幸せの果てに見えたおしまいを吹きかけた煙で誤魔化した。

使い古した日常はタッパーに入れて一応冷凍庫へ。お腹が減ったら温めて食べよう、世界はいつだってわたしだけに優しい。

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