10. 奇跡で結晶している異常な「私」

生きているのが当たり前、、、というより、
生きている前提で感覚して、思考している世界では、
というより、感覚があり、思考するのは
生きているから、という「私」にとっては、
そも、生きているのが異常とか偶然とか奇跡とか、
筋書きのない物語を進行しているとか、
本のページをめくるようなもの、、、
なんてメタファを思いつかない。
だって当たり前を生きているんだもの、
物語の主人公なんて発想さえないんだから。
きっとどんな物語の主人公も主人公である自覚がないのとおなじ。

いったん、死、っていうか、無、っていうか、未知の某のほうが
当たり前で常態でしょ、なんていわれてみて、
それじゃちょいと観てみます、
ワタシとして、ソチラ側にぴょんとジャンプ、コッチ側を覗いてみると、
あら不思議、
生きている、コッチ側のほうが異常とか奇跡かもしれない、って思える。
奇跡で結晶している異常な「私」がいる。
なんで結晶しちゃったか解らない
なんにしても異常で奇跡でも、結晶しちゃったんだから、
これを楽しまい手はない。
結晶しちゃったことをあーでもない、こーでもないなんて思索できるのも、
異常なコッチの世界だけの特権かもしれない。

本の、わくわくしながら次のページをめくる、あの感覚が、つまり
奇跡で結晶した異常な毎日。
楽しくても、暗転しても、次のページを捲らずにはいられない。
朝おきる、今日のページをめくるドキドキ感。
なんて不安定でアンバランスでなんだ、ぎゃはっはっはは。
楽しくて仕方ないぞ。
「私」のやつが大笑いしている、かと思いきやオロオロしている。
オロオロ、ニヤニヤ、わくわく、デレデレ、ムカムカ

或る日、もしめくったページが真っ白で、
「私」という個体性、、、
結晶にヒビがいり、爆発したミラーボールのように、、、
キラキラとはじけ飛んだとしても
ただ常態の当たり前のムコウ側にかえるだけどのこと。
ん？　かえる？の・・・
　　　　移行する？　飛翔する？　移動する？　ワープする？

なんだろう？　なんだかわかんないけど当たり前に包み込まれるだけ。
ただそれだけのこと。