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「ふたりは」中島みゆき

呉智英「バカにつける薬」の「中島みゆきは中山みきである」という項を読んでふと聴きたくなったのは中島みゆき「ふたりは」(アルバム「夜を往け」より)である。(残念ながら、youtubeではcoverしかなののだけど、歌詞がテロップされているし、歌も聴きやすいので採用、写真のイメージはちょっと違うのだけど、、、笑)

この歌をききながら人はどこに感情移入するのだろう?
主人公は「【健全】な市民社会」から弾き飛ばされた女と男である。
曲のききての多くは「【健全】な市民社会」の住民だろう。
♪まじめに働く者のためにある社会♪の一員と胸を張っている。
一旗揚げようとする者を妬み、失敗すればこれみよがしに口撃する。
「お決まり」から外れるものを除外する。
だって真面目に働く者たちの「普通」の町だから・・・
「【健全】な市民社会」から掃除される女と男は、たとえばキャバ嬢でありホームレスであり生保受給者であり在日外国人であるのだろうか、、、
言葉の意味もわからず「バイタ」と罵る子ども。世代を越える呪いの連鎖。
みずから縛られにいく「【健全】な市民社会」から実は呪われている自覚もなく、
♪近寄るんじゃないよ、病気かもしれない、耳を貸すんじゃ無いよ「呪いをかけられる」♪
と、呪われた自我を守るため標的をみつけては呪いをかける。

それでも、、、

♪緑為す春の夜に
ふたりは凍えきってめぐり会った
与え合うものは何も残ってないけれど
もう二度と傷つかないで♪

不条理からの解呪、、、中島みゆきの愛はここにある・・・

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