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メタファ

橙から赤、紅へのグラデーションに光が透けて過ぎるモミジをみている。
ただ光と物語を感じとればいい。
なのに、感じを表したく言葉を思い浮かべてしまう性。
どの言葉にしよう?
キレイ、可憐、淡い、
言葉にしよう、、、このときすでに、
感じそのものの8割が理性のかなたに行ってしまった。
言葉は理性?
言葉のそのさきは理路整然。それとも妄想?
仕方ないな、こんな感じなのだから・・・

それにしても、あの可憐なグラデーションをまとった一本の木はなんだ?
それは、人?・・・とすると、一枚一枚の葉は?
生きるための働きを終え落ちていく細胞のひとつひとつ?
光合成のはてに最後に彩を主張した細胞片?
愛でて見送られる小さな欠片のあつまり?
幹や枝の身体を生かすためだけの落ちゆく。
役割をおえた一片、ただの細胞?

それとも情報?
一枚一葉の情報?
こまかな情報が枝に吸い取られて幹に送れられ、
色が変わり、やがて落て朽ちる情報?
それが幹や枝を育てたの?

ちがう、あの一枚一枚が人そのもの、一人、一葉?
生まれ、働き、色を変え、落ちていく一人のいのち?
赤く落ちるは人生をまっとう?
緑で落ちるより幸せ?
どっちにしろ、ちっぽけで軽い一片?
とすると枝は? 幹は? 根は?
それが社会? それともお国?
一葉一葉がなければなりたたない幻想のそれ?
繋がってないと生きられない共同幻想?
落てさらに養分となる人葉?
永く続く社会のために短く生きるただの葉っぱ。
一人の葉っぱ。
それでも、、、
長く生きているような、あの幹もまた
やがて朽ちて倒れる。
それほど遠くない未来。

それでもやはり一葉一葉の醸し出す色、美しさにひかれている。


言葉を探すとろくなことがない。
出会った時の素の最初の、、キレイ、カレン、アワイ、、よりまえ
言葉になる以前の感動が、素の、そのままの、感覚、
そんな感性が消えていく、、、あとかたもなく
ほんとに言葉ってやつは・・・


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