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3限目:地方の大学生向けの講義(ソフトスキル向上、思考の読書、速読術)

前回の2限目に続きます。桐島です。
デジタル時代に自分の価値を高める「思考の読書」の続きです。
これを実践することで「地方大学出身者を、地方の担い手にする!」というのが目標です。

さて、4年間で400冊の読書の「量」をこなした私ですが、「質」への転換が出来ていなかったことに気付いたのは、国家公務員になってからでした。

まず、入省してから、能力が高くなかったため、1年目は、睡眠時間が6時間を切るほど忙しい日々で、休日も平日に残った仕事をしていました。
そのため、大好きな本を読む時間も無くなり、少しストレスがたまる状態でした。

ずばり、この時の思いを表現するならば、、、

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 その後、別の課に異動になって、しばらくして落ち着いたタイミングで、「速読術」に関心を持つようになりました。

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 色々な本を調べるなかで、以下の本に出逢いました。
「速読術」の古典的な本は「本を読む本 ”How to Read a Book”」で、1940年にアメリカで出版されたものです。これが、日本では、1997年に講談社学術文庫として出版されていました。
この本は、後に詳しく解説しますが、日本の大学生が全員読むべき本といっても過言ではありません。大学の先生は、大学1年生の指定教科書にした方が良いと思います♪

話が脇に反れますが、私がボストンの大学院に2年間いた際に、2年間のカリキュラムの組み方として、4コマ×4半期(1年間に2半期で、2年間で4半期の計算)の16コマのうち、25%にあたる4コマは、ソフトスキルを磨く講義を取れ!と言われていました。例えば、Negotiation(交渉学)、Art of Presentation(プレゼンテーションの技法)などです。

アメリカでは、内容(コンテンツ)を教える講義だけではなく、自分のスキルアップに繋がる講義(上手い、交渉術・プレゼンテーションの仕方)を受講しておかないと、社会に出てから活躍できないという意識があるため、ソフトスキルを鍛えることに熱心な学生が沢山いました。
彼ら・彼女らアメリカ人にしてみれば、このような「本を読む本 ”How to Read a Book”」は、高校生や大学時代に当然ながら読んでいる本でした。

話を元に戻すと、
そして、2000年代に流行したのが、フォトリーディング(Photo Reading)という手法でした。本をめくりながら、写真を撮るような眼の使い方をして、読書をするという技法です。

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「たくさんの本を短時間で読みたい」という欲求があった私は、こんな手法があるのか!?と、強い興味を抱きました。

2013年にちょうど、山口佐貴子さんという方が、「速読勉強法」という本を出版して、フォトリーディング集中講座を開催しているのを知りました。

しかし、この講座は、当時、社会人になって間もない私にとって、驚くほど高額でした( ゚Д゚)

なんと、お値段、10万5000円! 新手のぼったくり商法ではないかと疑っていましたが、「えいや!」、と支払いを済ませました。

講座は、2013年12月28日(土)、29日(日)9時30分~18時30分で、場所は、東京の渋谷駅から歩いて徒歩7分のSIビル貸会議室でした。

事前の持ち物として、
●未読の本3冊(200~300ページ)※フォトリーディング練習用として適しているのは、小説・伝記・図鑑以外
という指定がありました。

この2日間の講座受講後に、何が変わったかのか?

結論から言えば、フォトリーディングというのは、少しばかり眼の使い方を変えるという技術で、それをしたからと言って、読了後に、本の内容が全て頭の中に入っているわけではありません。

しかし、読書に対する意識付けができるようになりました。

つまり、目の前の本から何を得たいのか? という目標設定の習慣づけが出来るようになりました。それにより、「質」の高い読書が出来るようになりました。

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 それでは、具体的な内容の説明になります。10万5000円の講座を受けた後、改めて確信したことがあります。それは、現在、巷に出回っている「速読術」の全ての本の基礎になっているのは、「本を読む本」です。

『全ての速読術本は、「本を読む本」に通ず』と言って間違いありません。

「本を読む本」では、読書には、4つのレベルがあることが紹介されています。小学生の読み方である①「初級読書」、それ以降、②「点検読書」、③「分析読書」、④「シントピカル読書」というものです。

このなかで、フォトリーディングや速読術は②「点検読書」に該当します。

そのため、フォトリーディングや速読術に興味がある方には、この「本を読む本」に、1000円そこらのお金を払って、何度も読んで投資することをお勧めします。10万円以上の講座と比較すると、圧倒的にコスパが良いです。

この本のポイントは、「本には色々な読み方がある」ということを体系だって提示していることです。

皆さま以外にも、他の大学生に対して講義をしていて、
「皆さんのなかに、1ページ目から順番に本を読むタイプの方はどのぐらいいますか?」と聞くと、
ほとんど90%以上の方が、1ページ目から読むと、手を挙げてくれます。

多くの日本の大学生は、「本=1ページ目から順番に読む」という小学生の時に身についた①初級読書の方法しか知らないのが現実です。

これだと、大学で学問を志すのに、小学校の時に搭載したソフトウェアをまだ使い続けていて、アップデートが出来ていない状況ですので、不安になってしまいます(´・ω・)

ブログ用 速読

以下では、①「初級読書」、②「点検読書」、③「分析読書」、④「シントピカル読書」の4つのレベルの紹介文を引用します。

まず、読書には四つのレベルがある。ここで「レベル」という言葉を使うのは、「種類」と区別するためである。一般に、「レベル」は低い方から高い方へと段階的に変化していくものを言うが、「種類」は、互いに異なるものをさす。読書のレベルについても同じことが言える。したがって、ここに述べるのは、一つずつ積み重ねてゆく読書法である。一つのレベルは次のレベルに吸収され累積されていくから、もっとも高度の第四レベルには前の三つのレベルがすべて含まれていることになる。それらを経てはじめて、最後のレベルに到達できるのである(P26、27)

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 最後に、これから「本を読む本」を読もうか、迷い始めた方のために、参考として、一部を引用します。分量が少し多いですが、これにざっと目を通していただくと、一口に読書といっても、様々な読書があることに気付くはずです。ここでは、読書=①情報を得るための読書、②理解を深めるための読書、があると言っています。

①、②はかなり確率で、重なり合いますし、大学時代に私が実践した戦術=まずは「量」をこなす、というやり方でも、最初に入門書を読んで①情報を得て、次に、同じ分野の本を何冊か読むにつれて②理解が深まっていたため、あまり2つを分ける意味は無い気がします。

しかし、一番のポイントは、「本には色々な読み方がある」という事です。

ブログ用 速読

少しばかり、本の読み方、に関心を持っていただいたと思います。そんな方は、是非とも「本を読む本」を手に取ってみて下さい。

次回は、4限目でフォトリーディングの解説をします。

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See you soon.


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