書評 賢者の贈りもの~gift~
デラは3度も数え直しました。1ドル87セント。明日はいよいよクリスマスなのでした。
この作品はある夫婦の物語です。
この夫婦には貧しいけれど自慢にしている物がありました。
一つめは妻デラの栗色の美しい髪。
二つめは夫ジムの祖父から代々伝わった金時計。
これらの物はどんなお金持ちや権力者の持ち物よりもずっと価値があると二人は思っていました。
だからこそ二人はその価値に似合うものをクリスマスの贈り物にしたいと思っていたのです。
デラは愛するジムに贈り物を買うお金がありません。デラは思い付きます。
自分の髪を売ることを。
同じくジムもデラの欲しがっていた物を買うお金がありません。ジムも思い付きます。
自分の時計を売ることを。
ここまでで、このクリスマスの贈り物がどうなったかは想像に容易いでしょう。しかし、作者はこの結末を言いたかったのではありません。
途中、物語中で作者の問いがあります。
週8ドルと年100万ドルーその違いとはなんぞや、ということです。数学者や才人では正しい解答は望めません。
それに対して最後に作者の考えがあります。
おたがいのために、わが家のなによりの宝を犠牲にしてしまった、愚の骨頂ともいうべき人々です。
なべて贈答のやりとりをする人々のうち、彼らみたいな人々こそが最高です。どこに住んでいようと、かしこさにはかわりありません。彼らこそ賢者なのです。
私はクリスマスの時期にこの物語を思い出します。贈り物というと高価であったり珍しかったり優れた品物を渡すことが最善であると考えてしまいがちです。この物語の原題はThe gift of the magi。giftは神や天から賜るという語源があるそうです。私は無宗教ですが、神や天から賜るものは数字では計れないものだと思っています。この夫婦にとってのクリスマスのgiftは相手を想う気持ちだったのかもしれませんね。
あなたはこの夫婦を愚か者だと思いますか?私はお互いのために大切な物を失っていても、とても温かい気持ちになりました。
by Asami
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