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小学3年生の頃に
親の転勤というやむを得ない都合により
僕の住まいは東京から沖縄へと急にスライドした
当時は海を渡るイコール海外などと言う
浅はかな考えだったので転校が決まってからは英語を勉強していなかった事について
酷く悔やんだものだ
温室育ちのインドアボーイを囲む
真っ黒に肌を焦がせた少年少女が
もたらすカルチャーショックは
一種の「人生やり直し」に近かった
当たり前のように
会話に使用していた言葉が
此処では異質だと 石を投げられ
遊び方も コミュニケーションも
再構築させられた。
そして自分の住んでいた
愛しい故郷「東京」は
ここでは忌むべき環境であり
差別の対象である事も
結論から言うと
小学3年生から中学3年生まで
滞り無くバラエティに富んだ
イジメを受けていた
車道に背中を押されるような
死を察知するモノもあれば
体育の授業で
ボールがまわってこなかったり、
音楽の授業に使うノートが破られたり
など子供らしい手のかからぬモノもあった
今思うに
単純に集団内では目立つ程
に不出来であったと自覚している
眼つきが悪く ツラは良くない
その上前髪も後ろ髪も長いので
干渉される側は鬱陶しかろう
そんなビジュアル以外にも
綺麗に線引きが引けず
靴紐は何度教われど結べない
簡単な計算も暗算できなくて
人と話す際に澱みがち etc.
人間が語れる分だけの
ネガティブスコアを背負い込んでいた
あまりにも都合よく見下せる
哀れな生物だったであろうに
大学生の頃
とあるコメディな理由で
家が無くなった事があった。
その際に途方に暮れた
愚かな僕を一年間
居候させてくれた慈愛に満ちた先輩がいた
今生は足を向けて眠る事は不可能だ
こう見えて恩義を頂いたら
墓にまで持っていくタイプだ。
荼毘に伏されても灰にはしない、
死を遂げた後も虚ろな守護霊として
優しくしてくれた方々を満遍なく見守る
そのくらいの覚悟を持って優しさは受け取る
その先輩とは大学入学期間当初から
気が合い現代(これを書いているイマ)まで
切っても切れない腐れ縁として
繋がっている
先輩も学生時代に酷い扱いを受けていた
と話を回顧してくれた事があった。
しかしその昔話は悲劇と呼ぶには
些か失礼な程に先輩のエンターテイメント性が輝いていて人間としてのクオリティは
同じ分類とは呼べない程に高度であった
先輩は漂うオーラは陰気であるが
顔のパーツは整っている、
何より身長が高く、一反木綿のように
スルリとしたスレンダーなスタイルが特徴的だ。
頭の回転は速く、絵も歌も上手かった
そんなアビリティが学生時代から
備わっていたらしい
そんなハイスペックさんが
酷い仕打ちを受ける理由が
わからず、僕は「いじめ」とは
同じ空気の元に集うわけではないのだなぁ
と考えを改めた
そんな先輩の話を聞いた後日
しばらく考えに耽って
ある見解が頭に浮かんだ
無人島に10人の人間が
流れ着いたとして
僕の学生時代の苦行は
僕以外の9人がピストルを持っている
と言う状況だったのだ
力を持つ9人の彼らからすると
非力な僕は 無様で格下であったであろう。
運動が得意 勉強が得意
顔が整っている 発言力がある
様々なアビリティが
彼らの手元にピストルとして
具現化を生む
そのピストルは
「君は生きていていいんだよ」と
優しく彼らの耳元で囁く。
誰であっても間違いは不安だし
存在意義を追求してしまう、
十代はとくにその思想が悪化する
闇の時期だ
全員が全員ピストルを持っている為に
横並びの人間すら射殺の対象、、、
そんな雰囲気は言うまでもないが
あくまでも力を持つ集団、
良い感じの踏み台を捕まえて
「存在意義」を感じたいのであろう
そんな自己満足に巻き込まれていたのだ。
廊下で歩いているだけで
ちょっかいを出される
そんな干渉が僕にはとてつもなく
腹立たしいものであった。
一丁前に抗議をしてしまう性格は
彼らからしたら尚更厄介だったのであろう
議論をする暇もなくボディランゲージ
なんとまぁ 愉快で痛快な箱庭だ
学校というものは
補足だが
僕は世にも珍しい
無茶苦茶虐められていたクセに
恋人はいるタイプであった。
中学生時代など
当時は恋人がいる方が珍しい
それも追加効果で彼らの逆鱗に触れたの
だろう。
もしもこれが
10人の中で銃を持つ人間が
一人だけであった場合
どのような結果をもたらしたであろう?
これが先輩が受けていた
イジメの理由なのでは?と僕は考える。
明らかな異質力も対象にはなるのだ。
銃を持たない9人が力を合わせて
先輩に権力が渡らないように
四苦八苦した結果が「いじめ」であったのだろう。
10〜20代は溺れているに等しいと思う
中には人とは違う時間の使用法で
この無茶な荒波を人魚のように
乗りこなす天才や秀才もいるが、
だいたいが指定された曜日に
指定された時間の業務を行う為
パラメーターは落ち着いている筈、
何か特別な一つが毛利蘭の髪のように
尖る事もない
そんな10代が浸かる
「自己肯定の海」でどのように
息をし続けるのが正しいのか?
考えた結果彼らは
己よりも冴えない能力値の
人間を浮島にして登るという
考えに至ってしまうのだ
たとえ浮島にされた人々が
息継ぎを出来なかろうが
関係はない
暗い話になってしまった、、、
明るい話をして終わるとしましょうか
無人島に一つ持って行けるなら
何を持っていく?
THEポピュラーな
場繋ぎの質問で申し訳がない
狩りの道具? なけなしの食料や水?
スマホなどと言う輩もいる
文明に慣れるのは恐ろしいね
スティーブ・ジョブズも
人類の滅亡を早める為に
iPhoneを創り上げたわけではあるまい
アコースティックギター?
そんな洒落た答えは微塵も浮かばない。
弦が錆びれたギターを使って
砂浜にSOSを描く姿が目に浮かぶ
じゃあ何を持っていくのか
僕ならば一発の弾が入った銃を持っていく
孤独というものはあまりにも怖すぎるからね
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