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地味子が大学デビューというより大学入ってからデビュー

さて、なんとかこぎつけた大学生活です。

入学式は慣れないお化粧をして、母のスーツを借りて参列しました。全くひどいものでした。大惨事でした。

浪人時代まで私服を買う習慣がなかったので、基本的にネルシャツ、ジーパン、スニーカーで生きていました。ニットとスカートを入れて三パターンくらいで着回していた気がします。

大学に通う為に服を買わねばならない!安いお洋服の店を探して、トップスは1,000円まで、ボトムスは2,000円までの予算で数着購入しました。いまはGUなど安価で可愛い服が選び放題でありがたいですね。

ゼミで可愛らしい子がオリーブ・デ・オリーブ系統の服を着こなしていて、憧れていました。

入学当初は各サークルが勧誘に走ります。並ぶテーブルの間を声をかけられることなく通りすぎることに成功しました。

話を聞いた先輩の中では「君みたいに地味なこもいるから(大丈夫)…」と面と向かって言われる程には地味でした。その日わたしはセシールで買った黒のパーカーを着ていました。

こらあかん。入学して2ヶ月ほどでようやくコンタクトデビューをしました。眼鏡地味女子からの脱却です。

どうやら基本的にみんなお化粧をしているようなので見よう見まねでお化粧も始めました。素人がいきなり口紅に手を出すのは危険だというのが入学式で身に染みていたので、おそらくそんなに冒険はせずに徐々に取り入れていけたのだと思います。

同じ頃に新たなアルバイトも始めます。接客業です。後によく喋る仲となったおばちゃんは「入ってきたときはこんなに地味な子が来てどうしようかと思った」と語りました。

大学に入るまで、オタク一辺倒で過ごしてきた私は、本当に見た目に無頓着でした。友人と出かけて友人が服屋に入るのに、「あ、じゃあここで待ってるね」と店の外で佇んでいたりしました。付き合いが悪い。

ようやく眼鏡を外し、化粧をし、洋服を選び始めた私に、母はいい顔はしませんでした。

「そんな格好してどこに行くっていうの」

「前髪を上げるのは美人じゃないと似合わない」

努力を馬鹿にされ傷つくこともありました。

公平に見て、私はおそらく『普通』レベルの顔面偏差値です。合コンで一目惚れされることはまずなくて、道をよく聞かれ、目立たないけどコミュニティ内で打ち解けて話せば、愛嬌を持ってよく笑っていれば、10人中1人くらいは「いいかも」と思ってくれる。

自分を卑下しすぎる必要はなかったのに、母の評価は厳しすぎて、自分のことをブスだと思いこんでいました。

入学当時を知る女友達は、四年生になった頃しみじみと「佳菜子はほんとに可愛くなったよね…」と呟いていました。ちなみに彼女は知り合った頃からずっと最強に美人でした。

アルバイト元の派遣会社の方は「本当に変わりましたよね!蛹が蝶になったよう!」と感嘆の声を上げてくれました。褒め言葉のようですが、この発言を本人に言えるということはやはり…お察しです。

そこはかとなく馬鹿にされながらも、現実に周囲の反応が全く変わったので、努力が実になっていくのは嬉しいことでした。

このままいくと私、彼氏が出来てしまうかもしれない!期待を胸に学校へ通いますが、安心してください、大学四年間で私に彼氏が出来ることはありません。


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