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竜の神

先日、有給をとって見にいったのは「カムイサウルス・ジャポニクス」の骨化石の実物の展示。感染症対策として、完全予約制での展示です。

が、しかし。当日朝、さあ行くぞーとクルマに乗って、念のために予約を確認している時にとんでもないことに気づいたのです。

わし、場所勘違いしてる…!

今回の会場、北海道博物館。これ、何故か私は北海道総合博物館と勘違いしていたのです。

この二つ、場所が全然違うところにあるんですよ。

この日、北海道は強風が吹いていて、赤信号で停車すると車が揺れちゃうレベル。

高速道路を使えば余裕で間に合うけど、この風じゃ危ないなぁと判断、しかし天気は悪いけど前日までの高い気温のせいでクルマがめちゃくちゃ多い!時間は丁度ラッシュアワー。

雪国北海道でも、冬場はクルマ運転しないという人も結構いるんですよ。札幌の中心部であれば、地下鉄の方が時間正確でいい、という人も多い。でも気温が高くなってきて、雪が溶けて路面が出てくると通勤にクルマを使う人が増えてくるんです。まして、密を避けなければならない昨今です。自家用車で通勤する人は多いはず。

どうあがいても間に合わない可能性が出てきたので、一旦クルマを止めて博物館に電話したところ、お昼頃であればキャンセルが出そうなので時間変更しますか?というお返事。ありがたくお願いして博物館のある野幌を目指しました。

さてカムイザウルス、ハドロサウルスという草食獣の化石です。2003年に地元の愛好家によって一部が発見され、その後体全体の約80%の骨化石群であり、しかも親属新種であるとわかりました。

北海道のむかわ町穂別の山の中に、眠っていたカムイサウルス・ジャポニクス、その意味は「日本の竜の神」。約7200万年前の恐竜です。

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ちなみにトップにある画像はレプリカなんだけど、それと比べて見てもほぼ全体の骨格が発掘されたのがわかると思います。

もう何度も何度も、まわりをぐるぐる回っていろんな角度から見ちゃいましたよ。

科学電話相談でおなじみ、小林先生によると「前足?は小さめなのでもしかすると足というより手の可能性もある」とのこと。そういえばうちの娘が「キリンの前足は膝関節じゃなくて肘関節になってる」と、キリンの全身骨格標本を見て言ってたので、ふーむそうかーと。

他にもサハリンで(1934年だそうなので、当時はまだ日本領)で発掘された、日本で初めて研究された「ニッポノサウルス・サハリネンシス(こちらはなんと60%!)」も興味深かった。これは最近、子供の化石というのがわかったそうです。

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時間の経過とともに、新しくわかる事も新しい研究技術も増えていくので、これからも楽しみですね。

そしてこの日の私はさらに!札幌より北上して、三笠市というところの三笠市博物館も見に行くことにしました。

三笠市とその手前の岩見沢市、北海道でも豪雪地域として知られていて、今年もMAX時の積雪量は2メートルを越えてました。そして三笠市博物館、少し山の方に入ったところにあり(実は子供が小さな頃、見にいったことがある)、雪解けが進まなければ行くのは無理かなぁと思っていたのです。

前日まで気温の高い日が続いたので、すっかり路面は出ていました。が、しかし路肩に積もった雪の多い事!目印になる建物さえよく見えないという。実際、三笠市博物館もその看板は上の一部がやっとこ見えている状態でした。あやうく通り過ぎそうになったよ…

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えーと今回この博物館に来た理由は「エゾセラス・エレガンス」という新種の異常巻きアンモナイトが展示されていたから!

異常巻きアンモナイト、ご存知ですか?

一般にアンモナイトときいて連想するのは、カタツムリのような渦巻き型のものだと思うのですが、それとは違う巻き方のものがあるのです。

特に北海道、アンモナイトがあちこちで見つかるのですが、異常巻きも様々なかたちのものが発見されています。

異常、というと何処かおかしいのかなと思われてしまいそうですが、実際にはそういう「種類」のものである、とのこと。別に病気だとかそういうものではないようです。これも近年の研究からわかったそうです。

で、エゾセラス・エレガンス。

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私写した画像があまりきれいではないので、ここはリンクを貼らせてもらいますが、とてもおしゃれ!人間のいる時代に彼らが生きていたなら、絶対宝飾品になってたはず!どんな色だったんでしょう。どんな風に泳いでいたんでしょう。素敵な名前になったのもわかる。

ちなみにこの三笠市博物館、入場券の半券で、近くの道の駅にある「太古の湯」という温泉が150円引きで利用できるそうです。残念ながら今回は利用できなかったのですが、そのうちリベンジしたいところ!

そうですよ、温泉だって化石とおなじ層から出てきたりするんだもん。

子供の時、ずっとずっと大昔は人間がいなくて、今の世界とは違った生き物たちがたくさん生きていた、というのを知った時、そんなお話の世界のような時代が本当にあったの?!と随分驚いたものです。父の買ってくれた動物図鑑の後ろの方に、従兄弟たちが夢中になっていた特撮ものに出てくる怪獣に似た恐竜たちが描かれていて、何度も何度もそのページを見ていたものです。

北海道はかつて海だったところから、恐竜や海竜、アンモナイトなどの化石がたくさん見つかっていて、しかも世界的にも珍しいものも発見されています。縄文文化も、本州が弥生文化になってからも更に続き、ほかの民族との交流などで新しい文化へ変化していきました。先住民族の文化もあって、それらを教えてくれる素敵な博物館もたくさんあるんです。

元気なうちに、少しでも沢山の博物館を見て行きたいなと思ってるのですが、どうですかねぇ。温泉めぐりのついでに行きたいと思ってます。



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