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温泉行ってきた

まだまだコロナで気をつけなければいけない事ばかりなんですが、年明けに予約していた洞爺湖の温泉に一泊してきました。

6月初めにホテルの方から電話があり、「ロングラン花火大会が6月も中止になってしまったのですが、ご宿泊はどうなさいますか?」とのこと。

うーん私は別に、花火大会目当てで行くわけではないんだけど、温泉浸かりながら見る花火はなかなかいいものなので、ちょいと残念だなぁとは思った。

実はこのホテルも5月いっぱい休業になっていたのは知っていた。私も黙っていたわけではなく、予約したホテルはどうなっていくのか気になって、時々ホームページを覗いていたのだ。

このところ普段は朝から一日中会社で働き(製造業なので仕事中はマスク手袋は当たり前)、出かけると言ったら近所のスーパーかコンビニに買い物に行く程度、で過ごしていた。

もちろんホテルの方でできれば利用は控えてほしい、というのであれば仕方がない。私は石狩地域の住人で、しかも札幌在住だ。感染者も多い地域に住んでいる。そこで「私は札幌住まいなのですが、そちらに伺ってもよろしいのでしょうか?ご迷惑おかけする事になったりしませんか?」ときいてみた。

「迷惑なんてそんなことないです。ただこの時世ですので、キャンセルなさる方もいるかと…」との返事。であれば!是非利用させてください!とお答えして、その日を迎えた。

ちょうど同居するうちの母は入院中で、留守宅は末の息子に任せて一泊旅。日曜からの宿泊なので混むかなぁ、と予測していた。

実はこのホテルは2年前にも利用していて、プラン自体も同じ。景観が良くないので安い、というプラン。そのため大浴場は洗い場も一つ一つ仕切りがついている。髪を乾かすところも仕切りがある、というのは知っていた。気になるのは食事時。部屋食ではなく、バイキング形式なのだ。どう対策しているのかなあ、と興味もあった。

チェックインは通常通りの時間になった。本当は少し早めにしようと思っていたけど、到着がそうなってしまったのだ。どうしてもチェックインは混雑しそうだと思っていたので、それを避けようと思っていたのだ。でも実際行ってみるとそれ程でもなかった。たぶん他の人たちもそう考えていたのだと思う。

入り口にサーモカメラが設置されていて、ホテルの人が待機していた。発熱の可能性があれば呼び止めて検温するらしい。そのチェックのために入り口と出口が分けられていた。フロントカウンターも、間合いをとって並ぶよう指示があった。団体の利用者は代表が1人並ぶ、との事。だからホテルのロビーならではのごちゃごちゃした感じがない。受け付けで名前や住所を記入するペンも、目の前で除菌スプレーで拭いてくれた。

館内ではマスクを必ず使用すること、マスクを忘れた場合は言っていただければ用意しております。大浴場も脱衣所ではマスクを使用していただきます。お食事も夕食は時間指定になっておりますが、この時間でよろしいですか?などなど、感染予防に関する説明がいくつかあった。もちろん私だって感染させたくないし、感染したくないので、それに従う。

手指消毒液はあちこちにあって、エレベーターの前には必ず置いてあった。そして温泉につきものの、日帰り入浴は入場は16時までで、利用は17時までになっていた。よしそれなら、と17時まで部屋のTVで野球中継を観て、それから大浴場へ!

お風呂の入り口にモニターがあり、中が少し混雑している事を知らせていた。少しってどのくらいだろう。なんだかどきどきする。

入ってみると、脱衣所の籠も等間隔で置かれていて、それでも空いているところがあった。少し混雑がこれであれば、混雑していると表示されたらどのくらいなのだろう。うっかりマスクしたままで浴場に入りそうになったが、ほっとする湿度とざばざばとお湯の流れる音の中へ。

洗い場もぽつぽつと空きがあり、お湯に浸かってる人もそれほど多くない。ここは露天と内湯、寝湯、座湯、サウナがあるが、洗い場にいる人を含めてだいたい20人もいるかなという程度。意識しなくてもソーシャルディスタンスだ。この時間は8階の展望風呂が女湯になっているので、お湯に浸かりながら湖をゆっくり眺められる。

そしてここで気付いたのだが、前回来た時、湖の観光遊覧船からこの風呂丸見えなのでは?と思っていた。その遊覧船がないのだ。もしや休業?と思ってあとで検索してみたら再開の目処は立っていないとのこと。うーむ、今回は小学校の修学旅行以来だが乗ってみたいと思ってたんだけどな…花火も中止で遊覧船もない、となれば観光で来る人も当然少ないはず。

駐車場にクルマは沢山停まっていたけど、このホテルにはどのくらいの人が今夜泊まるんだろう。日帰りの人たちのクルマも多いはずだ。景色もお湯も変わらないけど、目に見えないウイルスが色んなことを変えてしまってる。でもお風呂はいい。足を伸ばして浸かれる温泉は本当にいい。ずっと仕事と家にいたから、ものすごい開放感だ。それに人が少ないからこそ、ゆっくりできるというのもある。

以前来た時、化粧水などのアメニティがおそろしく充実していて、化粧水や乳液などが何種類も置いてあったのだけど、今回は一種類のみ。除菌する手間もあるだろうなぁと思う。ヘアブラシも各部屋にあるだけで、浴場にはなかった。

そして夕食。入場も混み具合によって待たされたりするのだが、これはもう仕方ない。空いた席を清掃除菌し、完了したら次の人を案内。もちろん間合いをあけなくてはならないわけで、大変だなぁと。食品を取るときはマスクと使い捨てのビニール手袋を、とのこと。ごはんは相変わらずおいしい!後ろに座っていた人の「まだ食べるんかい?」の視線にも負けず、ひたすら食べる。私1人しか座ってないのにプレートが沢山並ぶ…だって美味しいんだもん。

これはデザートです。参考まで。

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このサイズのプレートで合計3枚、さらにプラスしてお寿司と天ぷら、牛型ロースステーキ、刺身も食べたのでそりゃあ冷たい目線も浴びますがな…元気な胃袋に感謝。私は1人旅でしたが、食事中の会話は控えめに、というお願いもあったことを報告しておく。

このホテルは目の前にコンビニがあり、そこでチューハイとウコンの力を購入。冷蔵庫で冷やしながら、夜22時頃もう一度お風呂へ。入り口のモニターは「空いています」になっていた。入っていたのは私を含めて3人くらい。頭の中をからっぽにして、真っ暗な湖をながめる。私は楽しんでいるし、空いているのは楽だ。でもここで働いてる人はどうなんだ。明らかに仕事は増えているだろうし、一度に受け入れられるお客さんも少ないはずだ。接客業が長かったので、気苦労はわからないでもない。それでも客が減ると言うことは収入に直結していると思う。

参考までに私の泊まった部屋から見える景色。

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温泉街に面している部屋なのでよくわかったのだけど、夜になると人もクルマもほとんど通らず、飲食店の明かりはついていても、夜9時には消えてしまっていた。シャッターが閉じたままのお店もあったし、とても静か。日曜の夜だから?そうなのだろうか。

不要不急の外出は控える、というのは当然と思うけど、それだと収入を絶たれてしまう人は考えていたよりもっと多いのだろう。そしてそれは想像してるより大きな問題じゃないのか。北海道は一次産業と観光で成り立ってるところだし、これからどうなるんだろう。一人旅は色んなことを考える。

チェックアウト時の混雑を避けるため、朝7時から精算できますよとの事だったので、6時にひと風呂(この時間は地下一階の大浴室が女湯)、朝食の前に支払いを済ませた。支払済の証明書を受け取り、チェックアウト時はそれと鍵をフロントの箱に置けばいいそうだ。これは楽だ。そして朝ごはんもがっつり食べる。もちろんデザートも食べる。朝っぱらから紅茶シフォンケーキに生クリームもりもりで食べるしあわせといったらない!

という私はひたすら食べてのんびりした一泊旅行だったけど、ホテルの皆さんは毎日忙しく、神経使う事だと思う。医療関係者はもちろん、緊張を強いられる接客業の人たちも多い事と思う。公共交通機関の人たちもそうだし、私の日々の生活はたくさんの人たちによって支えられている。感謝するのは当然だけど、それだけでは片付かない事はたっぷりとある。やはり国のちゃんとした「現物」での支援は必要だと思う。感謝だけなら私でも出来る。それ以上の本当の「支援」は行政じゃなくては出来ない。私はそんなに稼いでるわけではないから、年に一度の一泊旅行が楽しみだ。その時行ってみたい場所や施設が無くなってしまっていたら、日々のしんどさを乗り越える術を一つ失ってしまう。私はこのホテルをまた利用したいと思っているけど、花火大会などのように、再開できるかどうかわからないものもあるのだ。これからどうなっていくのかは誰にもわからないと思う。

来年は、足湯テラスから花火を見たい。ウイルスとの戦いはまだまだ続くだろうけど、今よりは少しでも安心できる世の中になっていてほしい。遊覧船が湖の中をとんとんとんとん…と音をたてて進んでいくのを見たい。賑やかに色んな国の言葉が飛び交う中、バイキングの行列に並びたい。すべてとはいかなくても、以前に少しでも近い世の中に、来年はなっているといいなと思う。


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