ツキジ

◆忍殺TRPG◆ 【コールド・スケイル・エンター・ザ・ダンジョン】 ◆ソロアドベンチャー・リプレイ◆

◆毒々◆この記事は先日ニンジャスレイヤー公式アカウントで開催された『ニンジャスレイヤーTRPG入門用ソロアドベンチャー:第2シーズン2回目:ツキジ・ダンジョン深部へ潜れ』のリプレイ小説です◆羊毛◆

◆スケイルシューター (種別:ニンジャ)        PL:どくどくウール
カラテ           6    体力        6
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      5    脚力        3
ジツ        3      万札        0

◇装備や特記事項
◆ジツ:カナシバリ・ジツ
◆チャカ・ガン:遠隔武器、拳銃、ダメージ1、
◆テッコ:【カラテ】判定時にダイス+1、回避ダイス+1
◆トリガーハッピー:攻撃フェイズ開始時に、このスキルの使用を宣言する。
               使用した場合、そのターンの終わりまで『拳銃』サイズおよび『小銃』サイズ
              (『小銃』サイズの場合は『連射2』以上を持つものに限る)の銃器にのみ有効な
               『連射+2』を得るが、射撃難易度が+1されてしまう。
               またこれを使用した射撃時は『マルチターゲット』と『時間差』を使用できない。

極めて珍しいエジプト出身の女ソウカイニンジャ。コブラ・ニンジャクランのグレーターソウルを宿す。
普段は沈着冷静だがトリガーハッピーの気があり、銃を握ると人格が変わる危険人物。
誤射により失った右手はテッコに換装されている。褐色の肌に黒髪、金色の瞳を持つ。

今回のソロアドベンチャーに挑むのは上記のスケイルシューター=サンです。ダイスを振って無から生成され、砂漠とかの緑化に貢献しました。

彼女は生い立ちスキルで『○ガンマニア』を獲得していますので、『◉トリガーハッピー』のスキルと「チャカ・ガン1挺」を初期装備しています。

(上のイメージアイコン画像はPicrewのボブの子メーカーで作りました)
ニンジャネームはジツがカナシバリだったのでコブラからの連想でウロコ
そしてトリガーハッピーなので射撃手。合わせてスケイルシューターです。

それでは早速プレイしていきましょう!

◆◆◆◆◆◆

『ドーモ、モーターロクメンタイです』「…ドーモ、スケイルシューターです」薄暗いツキジ地下。発光しながら浮遊する赤色六面体型AIドローンにアイサツをするニンジャがひとり。その頭部のほとんどはターバンめいた頭巾に覆い隠され、金色に妖しく輝くヘビのような両目だけが覗く。身に纏った装束もネオサイタマには似つかわしくなく、まるで砂漠に暮らす民族のようである。

「ここが噂に聞くツキジ・ダンジョンか」スケイルシューターは複雑に入り組んだ周囲を見渡し、呟いた。既にひんやりとした空気が漂ってくるが、彼女の砂漠民族風ニンジャ装束は防寒性能にも優れている。『ツキジ・ダンジョンと言われて驚きましたか?寒くて、恐ろしい場所ですからね。でも大丈夫、私がそばでナビしますよ』「心配するな。砂漠の夜に比べれば大したものではない…目的地までの道案内を頼む」『ハイヨロコンデー』

◆◆◆

数時間後。スケイルシューターはモーターロクメンタイが放つLED光とナビゲーションを頼りに最深部まで辿り着いていた。ここまでの厳しい道程にあっても、彼女の強靭な脚力と体力はすこぶる健在である。砂漠で生まれ育ったスケイルシューターはこういった過酷な環境への適応力が高いのだ。

『寒いですか?』ロクメンタイが気遣わしげな電子音声を発する。高性能だ。「問題ない。それよりも…」視線の先にはドスダガーを装備して巡回するクローンヤクザ。ダークスーツやサイバーサングラスの所々は霜で白く染まっているが、意に介さず警備を続けている。「あれを排除する」

『スリケンを…』「いや…スリケンは、いらない…!」ここまで冷徹さを保っていたスケイルシューターの眼が喜悦に歪む、彼女は左手で懐から素早く銃を抜き、高らかに哄笑しながら発砲し、発砲し、発砲した。「アハッ!アハハハッ!死ねーーッ!」BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!

本来ここは【ワザマエ】判定でスリケンを投擲する場面ですが、せっかく生い立ちルールを設定したので、今回のソロアドベンチャーで射撃の判定を行う場合は『トリガーハッピー』のスキルを使用することにしました。
「連射2」になるのでダイスを3個と2個に分割して振ります。結果…

「アバッ!?アバッ!アババーッ!」ナムアミダブツ!銃弾の雨を浴びたクローンヤクザは瞬く間に蜂の巣となって即死!だが銃撃は止まない!スケイルシューターはネギトロと化したクローンヤクザになおも執拗に弾丸を撃ち込んでいく!「アハッ!アハッ!アハハーッ!」BLAMBLAMBLAMBLAM!

ダイス出目は[1,5,4]と[1,5] どちらも成功!

KILL IN!KILL IN!「アハッ…ハァーッ……」ようやく満足したのだろうか。半冷凍ネギトロヤクザを作り終えたスケイルシューターはチャカ・ガンを懐に仕舞いこみ、先ほどまでの冷静さを取り戻した。「…どこのクローンヤクザだ?どうでもいいが」『きっと、どこかの暗黒メガコーポが送り出したマグロ探索ヤクザでしょう。ライバルに先を越される前に急ぎましょう!』

『ツキジには旧世紀UNIXが存在するはずです。探してハッキングすれば、周辺の情報を得られますよ』「ハッキング…?」スケイルシューターは眉を顰めた。彼女はカラテもワザマエも優れているがテックには疎く、ハッキングは大の苦手であり、そしてあまり深く物事を考える性質でもなかった。

選択肢2

「ハッキングはよくわからない…ツキジ深部には原住民めいたモータルがいると聞く。適当にそいつらを締め上げて吐かせよう」『わかりました』スケイルシューターは人の気配を探して歩き始めた。ロクメンタイもLED光の軌跡を残しながらその後を追う。

「アイエエエエエ!?やめてください、何も知りません!」「黙れ。イヤーッ!」「グワーッ!」スケイルシューターは首尾良く徘徊ハッカーを見つけ出し、殴りつけてマウントポジションを取った。ヘビめいた瞳と銃口が哀れなハッカーに突きつけられる。「お前の口がマグロの場所を吐くのが先か、この銃口が弾丸を吐くのが先かだ。いいな?」「アイエエエ!」無慈悲!

「さて…ヒュージシュリケン=サンにあやかって指折り拷問といくか」「アイエエエ!!」指折り。ハッカーにとってタイピングを行う指は命同然であり、それを折られるというのは死ぬに等しい。ハッカーはツキジの凍てついた床よりもなお冷たい、背筋が凍りつくような恐怖を味わっていた。

「お前はハッカーだな?じゃあ2本だけ残しておいてやる。一本指でもタイピングはできるだろう。私もそうしてる」「アイエ」BBBBBBBBLAM!!ハッカーが恐怖の絶叫を上げるよりも速く、スケイルシューターの弾丸は彼の指8本を惨たらしく吹き飛ばしていた。「アバババババババーーッ!!」「止血は要らんだろう、すぐに凍りつく。さっさとマグロの場所を吐け」「アバッ…アバッ…!アイエエエ…マ…マグロは……この先の…倉庫に…」

折った(吹き飛ばした)指は8本。なので振るダイスも8個になります。
出目は[6,4,2,5,3,6,3,1] 成功! 情報とDKK:8をゲットし先に進みます。

哀れなケジメハッカーから聞き出した情報を元に、旧世紀冷凍オーガニックマグロの眠る倉庫に辿り着いたスケイルシューターとモーターロクメンタイ。しかし、宝の山めいた大量の冷凍マグロを前にして、彼女のニンジャ第六感は異様な気配を感じ取った!「この音は…!」「シューーーーーッ!」

ALAS!巨大バイオズワイガニがハサミを振り上げ、襲い掛かってきたではないか!「ハハッ!カニとは!」スケイルシューターは目を爛々と輝かせながら装束を翻し、銃を構える!「さっきのクローンヤクザなんぞより、よっぽど撃ち殺し甲斐がありそうだッ!」BLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!

「トリガーハッピー」で射撃判定。出目は[2,2,4][3,1] 失敗…

「シューーッ!」だがしかし!巨大カニの強靭な甲殻は弾丸を全て弾いてしまう!「チッ…!」スケイルシューターは舌打ちしながら恐るべきハサミ攻撃に対処すべく、銃を懐に仕舞って右腕でカラテを構える!「イヤーッ!」

回避判定。カラテ6&「テッコ」で回避ダイスは7つ。
出目は[6,3,5,3,4,5,6] 成功!
カラテ判定。カラテ6&「テッコ」でカラテダイスは7つ。
出目は[6,2,4,1,5,1,2] 成功!

ガシュン!スケイルシューターの右腕が…戦闘用義手「テッコ」が蒸気を噴き出す!「キサマなんぞなぁーッ!毒針が付いてない分、サソリよりも大したことないんだよーッ!イヤーッ!」「グワーッ!」文字通りの鉄拳が巨大カニのハサミ攻撃を弾き逸らし、そのままの勢いで堅牢な甲羅を貫いた!

回避判定&カラテ判定。カラテ6&「テッコ」でダイスは7つ。
回避の出目は[2,2,1,1,1,2,4] 成功!
カラテの出目は[6,6,3,1,1,5,2] サツバツ! カニ撃破!

「シューッ!」「イヤーッ!」カニは怯みつつも再びハサミ攻撃を繰り出すが、スケイルシューターは素早くブリッジ回避!そして!「イィィヤァーッ!」「アバーッ!?」テッコ右ストレートが先ほどの攻撃で開いた穴を更に深く抉り、甲羅に守られた柔らかな身を激しく引き裂いた!サツバツ!

「シュシューン…」恐るべき巨大バイオズワイガニはすっかり萎縮し、ツキジ・ダンジョンの闇へと退散していった。「…まったく、無駄な時間を食った。ロクメンタイ=サン、マグロを回収して帰還する」『了解しました。急いでトコロザワ・ピラーに帰りましょう!ラオモト=サンがお待ちですよ』

スケイルシューターは手ごろなサイズの冷凍マグロを米俵めいて担ぎ上げ、来た道を戻り始める。これだけの規模のマグロ保管庫を発見したのだ。報告すればソウカイヤ首領ラオモト・カンもご満悦のはずだ。与えられるであろう特別ボーナスに思いを馳せながら、スケイルシューターは帰路に就いた。

◆◆◆

……だが、この邪悪なニンジャの非道極まりない行いにはインガオホーが待つ。ジゴクめいたインガオホーが!

Wasshoi判定 出目は…[1,2]で合計3!
スケイルシューターのDKKは8のため、殺戮者のエントリーだ!!

「Wasshoi!」

CRAAASH!「!?」突如としてスケイルシューターの背後にあった冷蔵庫の扉が吹き飛び、中から弾丸めいて赤黒の影が飛び出した。極寒のツキジ最深部でジゴクめいた陽炎を立ち昇らせながら、死神は決断的にアイサツした。「ドーモ、スケイルシューター=サン。ニンジャスレイヤーです…!」

「ニンジャスレイヤー=サンだと!?バカな…!」スケイルシューターは目を見開き、驚愕と共にオジギした。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。スケイルシューターです。なぜ、キサマがここに…!」「オヌシらソウカイヤの考えることなど私には筒抜けだ。ここで冷凍マグロと共に眠るがいい。ニンジャ殺すべし!」「ほざけーーッ!!」BBBBLAM!

スケイルシューターは銃を抜き、目にも留まらぬ速度で弾丸を連射した。だが!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは目にも留まらぬ速度でその全てを易々と回避し、スケイルシューターの懐へと潜り込んだ。(バカな、ハヤイすぎ…)「イヤーッ!」「グワーッ!?」ゴウランガ!ポン・パンチだ!

ニンジャスレイヤーの痛烈な一撃をまともに食らったスケイルシューターはマグロもろとも壁まで吹き飛び、背中から叩き付けられた。「ゴボーッ!?」衝撃でターバン頭巾が解け落ち、褐色の肌と黒髪が露わになる。

「ゲホッ、ゴボッ…!」苦痛に抗いながらも立ち上がった彼女の前には、既に死神が立っていた。「ハイクを詠むがいい、スケイルシューター=サン」決断的な断頭チョップを構えながら、ニンジャスレイヤーは無慈悲に言い放つ。

「ア…アア……」スケイルシューターは動けなかった。幼い頃に砂漠でガラガラヘビに出くわした時の、何十倍もの恐怖。目の前にいる赤黒のニンジャはまさしく死神と呼ぶに相応しいカラテの怪物であり、狩人であった。

スケイルシューターはがっくりと項垂れながら、絞り出すようにハイクを詠んだ。「…毒蛇に/噛まれて苦しみ」「……」そして、次の瞬間!「インガオホー!カァーッ!!」彼女はせめて一矢報いんと最期の力を振り絞り、瞳を金色に輝かせジツを発動したのだ!恐るべきフドウカナシバリ・ジツを!

(…?)だが、死神が石となる事は無かった。スケイルシューターは己の視界が回転している事に気付いた。己の胴体がゆっくりと倒れこむのを見た。彼女の首は、ジツの眼光がニンジャスレイヤーに届くよりも速く切断されていたのだ。「サヨナラ!」分かたれた首と胴体が、同時に爆発四散した。

「……」ニンジャスレイヤーはザンシンを解き、カナシバリ・ジツの流れ弾を浴びて石となった冷凍マグロを一瞥し、その場を去っていった。ツキジ・ダンジョン最深部の片隅には、焼け焦げたターバンと、一挺の拳銃。そして、もはや何の価値も無いマグロの形をした石の塊だけが遺されていた。

【コールド・スケイル・エンター・ザ・ダンジョン】終わり。

【ウェルカム・トゥ・ヘル・アンド・ステアウェイ・トゥ・ヘブン】に続く。

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