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統一教会の建設会社倒産で被害者300人が茫然自失

住宅組合員たち "天苑宮の工事費に流用疑惑"

今年2月、施工能力評価122位(請負順位)の「鮮苑建設(代表キム・ハクソン)」が裁判所に法定管理を申請して、包括的な禁止命令(裁判所の許可なく財産等の処分を行えない)を受けた。

京畿道加平に本社を置く鮮苑建設は、統一教会グループの系列会社で、2000年に設立され、教団発注事業とともに土木、マンション、オフィスビルなどの住宅事業を行ってきた。

加平郡雪岳面地域住宅組合マンション(420戸)、ソウル城北区城北洞の共同住宅(23戸)、ソウル城東区龍踏洞のオフィスビル(196室)、釜山海雲台のオフィスビル(98室)などの工事現場を保有している。

「ディ・エルボン(De ELBON)」ブランドでよく知られる鮮苑建設が法定管理に入ったことで、雪岳面の地域住宅組合員300人余りが被害を訴えている。

何ヶ月も工事が止まったまま 「鮮苑建設」のディ・エルボンマンション工事現場

鮮苑建設は統一教会の発注事業が売上高の半分に達するほど統一グループへの依存度が高い建設会社だ。
2022年末基準での売上高は3,387億ウォン(約388億円)で、社員数は225名である。
同社はすでに昨年からの分譲不振で資金圧迫を受けていたとされる。
5年前、中長期計画目的で民間工事を拡大したが、一部事業の竣工時期が重なり、資金難に陥った。

金融監督院の電子公示システムによると、2022年末基準で工事未収金が724億ウォン(約83億円)に達する。 また、短期貸付金が86億ウォン(約10億円)、その他の未収金32億ウォン(約3.6億円)で、鮮苑建設はこのうち66億ウォン(約7.5億円)ほどを回収不可能な貸倒引当金として処理した。

事態が急迫した鮮苑建設は、統一グループに対して貸付金を要請したが、教団は却下したという。

統一グループ関係者は「鮮苑建設は土木工事とマンション施工を主に行っていたが、高価格で分譲も進まず、困難が大きくなった」とし、「事業範囲があまりに広いため、解決策をまだ見いだせていない」と伝えた。

しかし、雪岳面の地域住宅組合員たちは、自分たちが支払った工事費が「統一グループの建築費に流用された」という強い疑念を抱いている。

総工費500億苑~600億円と言われる統一教会の新宮殿「天苑宮」
ディ・エルボン マンション建設現場は統一教会の聖地清平からほど近い場所にある

組合員たちは、鮮苑建設が施工した雪岳面地域住宅組合ディ・エルボンマンションは、"統一教会の土地に施行した工事"で、"非常に容易い"事業なのに、資金難で法定管理に入ったのは組合員を愚弄する行為だと強く反発している。

また、「統一教会が安倍首相の銃撃事件以降、財政難に陥っていることは周知の事実」であり、それにもかかわらず「天苑宮(天地鮮鶴苑)の工事を無理に進めて、組合員のお金が他に流用されたのでは」と主張している。

それと共に、被害組合員たちは、
🔻組合長と組合幹部の総辞職
🔻緊急対策委員会の編成
🔻専門家を迎え入れて資金執行の監査
🔻組合長と鮮苑建設代表の刑事告発
🔻鮮苑建設の株主企業および統一教会代表者の告発
…などを議論している。

一方で鮮苑建設は、
🔻世界平和統一家庭連合維持財団が約43%
🔻孝情グローバル統一財団が約40%
🔻HJデベロップメントが約9%
の持ち株を保有しているという。
不渡りを出して倒産した鮮苑建設は事実上「空っぽの缶」に等しい。

これに対して、組合員A氏は「当該企業は明らかに統一教会所有の財団と企業であり、これは禁止されている寡占株主を回避するための手段だ」と反発している。
したがって、マイホーム購入を夢見ていた組合員300人余りの被害も大きいことが予想される。

「地域住宅組合マンション」は、一般的な分譲マンションと異なり、組合員を集めて組合を設立、組合員たちがお金を出し合って建設する仕組み。
一般分譲よりも安く買えるメリットがある反面、「建設工事中の頓挫」、「追加工事費用の発生における負担」などのリスクもあり、韓国では"組合マンションは危険"という声も多い。


鮮苑建設「ディ·エルボン」マンション
"住宅都市保証公社の保証対象から除外" 5月21日続報

統一教会グループの系列会社である鮮苑建設(ソンウォン建設)が京畿道加平郡雪岳面に建設中だった地域住宅組合マンション「ディ·エルボン(De ELBON)」
2月に法定管理に入り400人余りの被害者が発生した。特に、被害者の大半が地域住民で、地域経済にも影響を与えており、対策が急務となっている。

🔻組合員 "頭金と中間金融資の元金と利息を返済しなければならない立場"
🔻鮮苑建設 "民事再生手続き申請中に5回目の中間金を受け取り被害拡大"
🔻統一教会グループと建設会社 "中間金を受け取ったのは企業の道徳不感症"
🔻業界専門家 "故意の倒産疑惑、6回目の中間金も既に手続き済の可能性…"

統一教会グループの系列会社である鮮苑建設(ソンウォン建設)が法定管理となり、京畿道加平郡雪岳面の「ディ・エルボン」地域住宅組合員たちの被害額が少なくとも300億ウォン(約34億円)台に達すると予想される。

特に、一般分譲者はHGU(住宅都市保証公社)が支払保証をする一方、組合員は中間金保証対象から除外となることが確認された。
そのため、鮮苑建設の倒産による当該マンション組合員の被害規模は当初の予想より大きいとみられる。

「ディ・エルボン」の組合員と一般分譲者は坪数と階数により、2022年初めから今年2月20日までに頭金20%と中間金で、少なくとも1億5,500万~2億9,400万ウォン(約1,700万円~3,300万円)を支払ったことが確認された。

ここまで被害規模が大きくなったのも、倒産に至った「鮮苑建設の不道徳な」行いに尽きる。

ソウル再生裁判所は2月26日、鮮苑建設が申請した民事再生手続きに対して包括的禁止命令を下した。"包括的禁止命令"は、債務者が再生手続きを申請した場合、債務返済案の決定までの間は競売など財産権の行使の禁止を意味する。
ところが、裁判所の決定(2月26日)をわずか6日後に控えた2月20日、5回目の中間金融資を全北銀行から受けたのだ。

時期的に見ると、鮮苑建設側は分譲者と組合員には法定管理となる申請を隠して5回目の中間金を受け取ったことが疑われる。
業界に詳しい関係者は「鮮苑建設と統一教会グループ内では倒産処理されることを知らない筈がなく、中間金融資を受け取ったことが事実であれば明らかな分譲詐欺に該当する」と指摘した。

その上で、再生手続きが進行中でありながら5回目の中間金を受け取ったことと、「6月20日に予定されている6回目の中間金融資も事前に伝票処理した可能性も否定できない」とし、事実確認すべきだと助言した。

ディ・エルボンの完成予想パース

すでに支払った頭金や中間金を取り戻せない😢

さらに大きな問題は、組合員がこれまでに支払った頭金と中間金を全額取り戻す方法がないことにある。

頭金と中間金で1億6,000万ウォン(約1800万円)余りを支払った組合員A氏は「HGU(住宅都市保証公社)が中間金を保証したので返してもらえる」と安堵した。
しかし、住宅組合の組合員はHGUの保証対象外であることが確認された。

HGUの関係者は21日、本紙記者との電話インタビューで「当該マンションは住宅組合なので、組合員は中間金融資保証の対象とならない」と話した。
ただし、「一般分譲者はHGUで中間金融資を保証する」と確認された。

「今秋頃には入居できる。待ってほしい」との言葉を信じる組合員😢

雪岳面組合マンション「ディ・エルボン」は総数420世帯、このうち300人余りが組合員であるという。組合員300人余りが"崖っぷち"の危機に立たされたのだ。
組合員たちは、鮮苑建設が正常化する前に、中間金融資の元金と利息を全額返済しなければならない状況となった。
このような状況にもかかわらず、被害組合員は「上手くいくだろう」という組合執行部側の言葉だけを信じている。
組合員B氏は「組合側から『すぐに正常な状態に戻るだろうし、今秋頃には入居できるから待ってほしい』と言われて信じている」と話した。

被害組合員たちの主張を確認するため、21日、雪岳面にある組合事務所の関係者ミン○○氏に会って、▶HGU(住宅都市保証公社)で保証可能かどうか、▶被害規模、▶組合員と一般分譲者の実態などを尋ねたが、何の回答も得られなかった。
ミン氏は「組合員には正確な説明を尽くした」とし、「詳しいことを記者に説明する理由がない」と話した。

一方、関連業界のB氏は「経験上、ディ・エルボンマンション工事が元の状態に戻る可能性はない」とし、組合執行部の言葉を信じて待つ話ではないと見解を示した。
それと共に「対策委員会を編成して工事費の内部監査から行い、それから民事再生手続きに入る状況で5回目の中間金融資をなぜ受けたのか確認すること」を助言した。

組合員H氏らは、「ディ・エルボン」マンションの工事費が、最近完成した統一教会の宮殿"天苑宮"建築費に流用されたのではないかと強い疑念を抱いている。
組合員H氏は「300億ウォン(約34億円)以上の資金が統一教会の工事に使われた疑いがあり、正確な資金の流れを把握するため捜査を依頼する予定」と明かした。

2月8日 天苑宮の内観を視察した韓鶴子
天苑宮の豪華な家具・調度品に満足げな韓鶴子
来年2025年5月の入宮式に向けて最終仕上げ中の天苑宮

統一教会グループの系列会社である鮮苑建設は、慶尚南道統営市竹林洞に建設中の複合商業施設「ディ・エルボン」でも一部しか竣工できず被害者が続出した。
また、ソウル城北区城北洞と城東区龍潭洞、プサン海雲台のオフィスビルなども建設中に法定管理に入っている。

NGN News チョン・ヨンス記者


🔽 元記事はこちら(韓国 NGN news)


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