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なぜ世界はインフレしつづけるのか?

世界の物価はどんどん上がっていて日本は物価が上がっていないと聞きます。日本で500円のラーメンが海外では1000円だとかです。日本の未来を考える上でもインフレをどう捉えるかは大切だと思い調べました。

先日の記事でも世界のマネーサプライは直線的というより、二字曲線(年々前年の3%とかで増加する)を描いていました。株は上がり続ける、経済は成長し続ける、物価は上がり続ける、なんで?と思いました。

通貨供給量がふえている

リンゴが1個100円のところ、円を刷って増やしていけば、150円、200円とリンゴの値段は上がっていきます。通貨が増えればモノの値段は上がります。現在は金本位制ではなく、お金は何かのものの価値に固定されるものではないので、通貨が増え続けるという世界では、「物価が上がり続ける」は直観には反していましたが、論理的に納得できると感じます。

(上記リンクで気になる国のリンク先に行き、25Y(25年間)やMAXでグラフを確認できます。)

物の値段が上がり続けるなら、会社の値段など、株価も上がり続けるのは理にかなっているので、日本で流行っている「経済成長し続けるなんておかしい、いまのままでサスティナブルに生活するんだ」という論は、通貨を誤解しているか、ポジショントークなのかなと感じます。

貨幣制度が変化したタイミング

昔は金本位制だったというのは知っていますが、貨幣制度がどのような経緯で現在につながっているのか分からなかったので調べました。無限に物の価値が上がる世界って少し不自然なので、いつからなんだろうという疑問です。

1914~1918年に第一次世界大戦がありました。戦後も復興などの需要で好況が続いたものの、アメリカの株式投資ブームで生産過剰になり、反動で1929年に株価暴落がおきます(世界恐慌)。不況になると民間でお金が回らず政府が公共事業で雇用を生み出すこととなりました。結果お金を刷りすぎて、アメリカは1933年に金本位制を停止します。
一方イギリスは1914年に第一次世界大戦のため武器輸入が必要で国外に金が流出し、これを止めるため金本位制を停止します。1925年に金本位制に復帰するもアメリカとの貿易収支は赤字で1931年に金本位制を廃止し、自国優先(自国と植民地のあいだでエネルギーなど賄えるため)ブロック経済に入ります。ドイツやフランス、アメリカ等も同様に経済圏を作っていきます。

経済圏外からのものには関税をかけるので、他の経済圏で通貨が安くても自国のものが買われるので、金の流出は防ぐことができるということのようです。90年前なので、祖父母の生きた世代では金本位であったということですね。

ブレトン・ウッズ体制

金本位制を廃止して、その後どのように、お金を刷りまくる世界になったのでしょう。調べると、第二次世界大戦を経て、一時的に固定相場に傾いたものの、経済を回すために実体は刷っていく方向に力がかかっていたようです。

第二次世界大戦の後、1944年に為替相場安定のためにとられたドルだけが金との固定相場とした体制をブレトンウッズ体制といいます。どこの国も勝手に札を増やすことはできない体制をとりました。各国間の決済は金ではなくドルで行い、金との交換はドルだけとしています。
通貨発行量を拡大しやすいドルに基軸を置き換えています。ドルとの交換を固定相場とすれば他国の通貨発行を国際的にコントロールできます。通貨を安定させて世界貿易の拡大と経済成長を目的とした組織のIMFを創立もこのときに決定されています。

その後、ドルの発行量が増えるに従い、金との交換が不可能になり1971年にドルと金の交換を停止しています。さらに2年後の1973年には、ドルの通貨発行量が増えすぎて、固定相場のドル円360円も約束できなくなり変動相場制に変えると宣言しました(ニクソン・ショック)。
これが円高ドル安を引き起こします。通貨安定のため、日本が為替介入するも、アメリカは対日本の赤字を嫌い円高ドル安にするために1985年プラザ合意で為替介入禁止とします。アメリカは自国優位なドル安にもっていきます。プラザ合意前1ドル240円だったところ1ドル120円まで円高です。ここで日本は公共投資の拡大と金融緩和の政策をとりました。ドルの海外資産を割安に買えるということで、三菱地所がロックフェラーセンタービルを買うなど「米国の魂を買った」ようなことが起きています。その後、バブル崩壊します。

バブル崩壊

金融を引き締めすぎたと言われていますが、実際に上記のマネー供給をみると1989年公定歩合委の引き上げ、1990年に不動産融資の総量に規制をかけた頃にM2のグラフに異変があります。1990年までグラフが二字曲線だったところ、ガクっと折れているのが見て取れます。

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紙幣を金と変えられるという体制は1930年代までで、その後30年かけて緩やかにお金を刷ってインフレを誘導する方向に世界の潮流が変化したということなのかな、とG20のM2のデータを見て感じています。世界の国々のとる緩やかなインフレの政策をとらず、国がお金刷ることを抑制しつづけたのは、問題だったのではと考えることは必要かもしれません。

Wikipediaには「90年代初頭のバブル崩壊以降に「国債発行=国の借金であり国民の税負担により返済しなければならないという誤解」のためにデフレが深刻化したという批判」との記述があります。

ネットで調べて分かる範囲の情報で考えているので、色々考慮不足もあるかもしれません。やはり、もうすこし多角的な情報が欲しいところですね。信頼度として60点くらいで頭に入れて置こうと思います。

皆様はどうでしょうか?

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