NVIDIA Earnings Call Transcriptまとめ

特に言及がない限り、情報ソースはSeeking Alpha、まとめはClaude 3 Opusによります。


NVIDIA 2024年度第1四半期 Earnings Call Transcriptまとめ

会社紹介

NVIDIAは、GPUの発明者として知られ、AIコンピューティング、ゲーミング、ビジュアライゼーションなどの分野をリードしている半導体企業です。同社は、ゲーミング、プロフェッショナルビジュアライゼーション、データセンター、自動車の4つの事業セグメントを通じて事業を展開しています。2023年度の売上高は約267億ドルで、データセンターが主要な収益源となっています。NVIDIAは、AIコンピューティングの分野で圧倒的な競争優位性を持ち、データセンター向けGPUの市場シェアは80%以上に達しています。

コールの目次

  1. 2024年度第1四半期の業績概要

  2. セグメント別の業績

  3. 新製品とイノベーション

  4. 業績予想

  5. 質疑応答

全体のまとめと今後の見通し

NVIDIAは2024年度第1四半期において、総売上高260億ドル(前年同期比262%増)と過去最高の業績を達成しました。特にデータセンター事業が好調で、売上高は前年同期比427%増の226億ドルに達しました。この急成長は、ホッパーGPUコンピューティングプラットフォームに対する強い需要によるものです。

同社は、AIの急速な進歩と普及により、コンピューティングパラダイムが根本から変わろうとしていると見ています。従来の汎用CPUから、GPU主導の accelerated computing へのシフトが加速しています。NVIDIAは、ハードウェアからソフトウェアまでのフルスタックの accelerated computing プラットフォームを提供することで、この大きな変革を牽引しています。

今後の見通しとしては、第2四半期の総売上高を280億ドル(プラスマイナス2%)と予想しています。全てのセグメントで順調な成長を見込んでいます。通期では、売上総利益率は75%台半ば、営業費用は前年比40%程度の増加を予想しています。

NVIDIAは、ブラックウェルアーキテクチャを始めとする革新的な新製品の投入により、今後数年間にわたってAIコンピューティングの需要を牽引していくことが期待されます。同社は、研究開発とエコシステムの強化に積極的に投資することで、AIがもたらす大きな機会を捉えていく方針です。

第1四半期の業績概要

NVIDIAの2024年度第1四半期の業績は極めて好調でした。総売上高は260億ドルと過去最高を更新し、前年同期比で262%の大幅な増収となりました。これは当初のガイダンスである240億ドルを大きく上回る結果です。

急成長を牽引したのはデータセンター事業です。データセンターの売上高は226億ドルに達し、前年同期比で427%もの大幅な伸びを示しました。これはホッパーGPUコンピューティングプラットフォームに対する旺盛な需要によるものです。データセンター向けコンピューティングの売上高は前年比5倍以上、ネットワーキングは3倍以上の伸びを記録しました。

顧客層別に見ると、大手クラウドプロバイダーが引き続き強い成長を牽引しており、データセンター売上高の40%台半ばを占めています。企業や消費者向けインターネット企業からの需要も大幅に拡大しました。地域別では、各国がソブリンAIへの投資を強化する中で、売上高の地域分散が進んでいます。

ゲーミングとAI PC事業の売上高は26.5億ドルで、季節要因により前四半期比8%減となりましたが、前年同期比では18%の増収となりました。プロフェッショナルビジュアライゼーション事業は前四半期比8%減、前年同期比45%増の4.27億ドル、自動車事業は前四半期比17%増、前年同期比11%増の3.29億ドルとなりました。

利益率については、GAAPベースの売上総利益率が前四半期比で改善し78.4%となりました。これは在庫評価損の減少などによるものです。非GAAPベースでは78.9%となりました。

セグメント別の業績

データセンター事業は、第1四半期の大幅な成長を牽引しました。同事業の売上高は226億ドルと過去最高を記録し、前年同期比では427%の大幅な増収となりました。

この急成長は、ホッパーGPUコンピューティングプラットフォームに対する旺盛な需要によるものです。特に、大手クラウドプロバイダーやハイパースケーラーからの需要が引き続き強く、企業や消費者向けインターネット企業からの需要も大きく拡大しました。

地域別では、ソブリンAIへの投資拡大を背景に、売上高の地域分散が進んでいます。中国における新たな輸出規制の影響で同国向けの売上高は大幅に減少しましたが、日本、欧州、東南アジアなどでソブリンAIインフラへの投資が活発化しています。

製品別では、ホッパーGPUアーキテクチャ製品が売上高の大半を占めました。需要は引き続き拡大しており、H100の供給は改善しつつあります。次世代のH200とブラックウェルについては、需要が供給を大幅に上回っており、来年にかけて需給のタイト化が続く見通しです。

ネットワーキング製品については、InfiniBandが前年同期比で大幅な伸びを牽引しました。Spectrum-Xイーサネットソリューションの出荷を開始し、AI対応のイーサネットスイッチ市場という新たな市場の開拓を進めています。

ゲーミングとAI PC事業の売上高は26.5億ドルで、季節要因により前四半期比8%減となりましたが、前年同期比では18%の増収となりました。GeForce RTX Superシリーズの市場での受け止めは好調で、需要とチャネル在庫は全般的に健全なレベルを維持しています。100Mを超える GeForce RTXのインストールベースを活用し、ゲーマーやクリエーター、AIエンスージアストに訴求していく方針です。

プロフェッショナルビジュアライゼーション事業は、前四半期比8%減、前年同期比45%増の4.27億ドルとなりました。ジェネレーティブAIとOmniverse産業デジタル化が同事業の次の成長の波を牽引すると見ています。

自動車事業の売上高は、前四半期比17%増、前年同期比11%増の3.29億ドルとなりました。シャオミ初の電気自動車のローンチを支援したほか、DRIVE Thorで複数の設計受注を獲得するなど、着実に事業を拡大しています。

新製品とイノベーション

NVIDIAは第1四半期も活発な新製品投入とイノベーションを推進しました。AIコンピューティング分野では、次世代AIファクトリープラットフォームであるブラックウェルを発表しました。ブラックウェルGPUアーキテクチャは、H100と比較して最大4倍の学習性能と30倍の推論性能を実現します。

ブラックウェルは、ハイパースケールからエンタープライズまで、学習から推論まで、x86からGrace CPUまで、イーサネットからInfiniBandまで、空冷から液冷まで、あらゆるデータセンター環境に対応した包括的なプラットフォームです。発売時には100を超えるOEM/ODMシステムで利用可能となり、幅広い顧客層に迅速に採用されることが期待されます。

ネットワーキング分野では、AIに最適化された新しいイーサネットソリューション「Spectrum-X」の出荷を開始しました。これにより、従来のイーサネットと比較して最大1.6倍のAI処理性能を実現し、イーサネット専用データセンターにおける大規模AIの導入を可能にします。

ソフトウェア分野では、NVIDIA Inference Microservices(NIM)を発表しました。NIMは、テキスト、音声、画像、ビジョン、ロボティクス、ゲノミクス、デジタルバイオロジーなど、幅広い用途向けにCUDAアクセラレーションとネットワークコンピューティング、推論ソフトウェアを備えたコンテナを提供します。

業績予想

NVIDIAは第2四半期の業績を以下の通り予想しています。

  • 総売上高:280億ドル(プラスマイナス2%)

  • GAAPおよび非GAAP売上総利益率:それぞれ74.8%、75.5%(プラスマイナス50ベーシスポイント)

  • GAAPおよび非GAAP営業費用:それぞれ約40億ドル、28億ドル

  • GAAPおよび非GAAP税率:それぞれ17%(プラスマイナス1%)

通期の見通しとしては、売上総利益率は75%台半ば、営業費用は前年比40%程度の増加を見込んでいます。引き続き旺盛な需要を背景に、全てのセグメントで前四半期比でも成長を予想しています。

供給面では、H100の供給は改善しつつありますが、H200については依然として制約があります。ブラックウェル製品は現在量産中で、第2四半期に出荷を開始し、年内に顧客のデータセンターで稼働開始する見通しです。ただし、H200とブラックウェルの需要は供給を大幅に上回っており、来年にかけて需給のタイト化が続くとみられます。

NVIDIAは、ブラックウェルアーキテクチャを始めとする革新的な新製品の投入により、今後数年間にわたってAIコンピューティングの需要を牽引していくことが期待されます。同社は、研究開発とエコシステムの強化に積極的に投資することで、AIがもたらす大きな機会を捉えていく方針です。

質疑応答

質疑応答では、以下のような点について議論が交わされました。

  • 生成AIの台頭により、インファレンスの重要性が高まっている。NVIDIAのアーキテクチャはインファレンスにも最適化されているのか。

  • ブラックウェル製品の本格出荷開始時期と、既存のホッパー製品からの移行の見通し。

  • 競合他社のカスタムソリューションとの差別化ポイント。

  • 液冷システムの導入によるブラックウェル製品の立ち上げへの影響。

  • AIの活用が広がることによるPC市場の成長機会。

これらの質問に対し、NVIDIAのファウンダー兼CEOのジェンスン・フアン氏は以下のように回答しました。

  • インファレンスの処理はトレーニングとは大きく異なり、高度な並列処理が必要。NVIDIAのGPUアーキテクチャとソフトウェアスタックは、インファレンスに最適化されている。

  • ブラックウェル製品は現在量産中で、第2四半期に出荷を開始し、年内に顧客のデータセンターで稼働開始する見通し。ホッパーからブラックウェルへの移行はスムーズに進むと予想される。

  • NVIDIAのソリューションは、学習から推論まで、あらゆるAIワークロードに対応した包括的なフルスタックである点が差別化ポイント。

  • ブラックウェルは液冷だけでなく、空冷にも対応。パートナー各社と緊密に連携し、液冷化を着実に進めている。

  • Windowsとの協業により、PCにおけるAIの活用が加速。GeForce RTXは、ゲーマーだけでなくAIエンスージアストにとっても魅力的なプラットフォームになる。

また、フアン氏は長期的な展望として、「生成AIの台頭により、コンピューティングのパラダイムが根本から変わろうとしている」と指摘。「NVIDIAは、ハードウェアからソフトウェアまでのフルスタックのアクセラレーテッド・コンピューティング・プラットフォームを提供することで、この変革を牽引していく」と強調しました。

同氏は、「今後も毎年、GPUやCPU、ネットワーク製品など、革新的な新製品を投入し続ける」と宣言。「ソフトウェア資産を活かしつつ、パフォーマンスとコストの両面で圧倒的な優位性を発揮できるソリューションを提供していく。NVIDIAは、ハードウェアからソフトウェア、アプリケーションに至るまで、エンド・ツー・エンドでイノベーションを起こせる数少ない企業だ」と、同社の強みを強調しました。

また、フアン氏は、「我々はこの新しいコンピューティングの時代に、『AI工場』とも言うべき新しいタイプのデータセンターを構築している。そこでは、データが原材料となり、インテリジェンスが製品となる。NVIDIAは、この『インテリジェンス製造業』を支えるための技術とプラットフォームを提供し、お客様やパートナーの皆様と共に新しい産業革命を推進していく」と、同社のビジョンを訴求しました。

フアン氏の発言からは、半導体からソフトウェア、さらにはアプリケーションやソリューションまで、包括的な技術スタックを提供できるNVIDIAの強みと、それを活かしてAIの革新をリードしていくという強い意志が感じられました。同社は、今後もハードウェアとソフトウェアの継続的なイノベーションを軸に、AIコンピューティング市場での圧倒的な地位を確立していくものと見られます。

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