Pure Storage 2025年度第2四半期 Earnings Call Transcriptまとめ (2024年8月28日発表)
Pure Storage FY2025 Q2 (2024年8月28日) Earnings Call Transcriptまとめ
Pure Storage, Inc. (NYSE: PSTG)は、オールフラッシュストレージとデータ管理ソリューションを提供する企業です。同社のプラットフォームは、クラウドネイティブアプリケーション、DevOps、AI/MLワークロードなど、現代のデータニーズに対応しています。Pure Storageは、Fortune 500企業の約62%を顧客に持ち、2024年度第2四半期の総収益は7.64億ドルでした。同社は、高性能かつエネルギー効率の高いストレージソリューションのイノベーターとして知られています。
目次:
業績概要と財務ハイライト
製品イノベーションと市場戦略
AIとハイパースケーラー市場への取り組み
Evergreen//Oneサービスの動向
質疑応答
今後の見通しと成長戦略
業績概要と財務ハイライト
Pure Storageは2025年度第2四半期に堅調な業績を達成しました。
◆FY25 Q2決算 (2024年8月28日発表)
売上高: $764M ($646M)【YoY +11%】
サブスクリプションサービスARR: $1.5B超【YoY +24%】
営業利益(非GAAP): $139M
営業利益率(非GAAP): 18%以上
総利益率: 72.8%
製品総利益率: 69.5%
サブスクリプションサービス総利益率: 76.4%
RPO: $2.3B【YoY +24%】
キャッシュフロー: $227M
◆FY25 Q3ガイダンス
売上高: $815M
営業利益(非GAAP): $140M
営業利益率(非GAAP): 17.2%
◆FY25通期ガイダンス (変更なし)
売上高: $31億【YoY +10.5%】
営業利益(非GAAP): $532M
営業利益率(非GAAP): 17%
この業績は、主力製品の強い需要と運営効率の改善によって支えられました。特に、FlashArray//EとFlashblade//Eの販売が好調でした。
製品イノベーションと市場戦略
Fusion: 次世代のストレージクラウドアーキテクチャを発表。既存顧客のストレージシステムをシームレスにアップグレード可能。
AI向けストレージ・アズ・ア・サービス: GPUクラウド向けに業界初のソリューションを提供。
FlashArray//E: エンタープライズのハードディスクシステムをより効率的で高性能なPure技術に置き換えるための製品ライン。
DirectFlash技術: 150テラバイトのDirectFlashモジュールを今年後半に出荷予定。エネルギー効率と密度で業界をリード。
AIとハイパースケーラー市場への取り組み
AI市場機会:
a) 機械学習/トレーニング環境向け高性能ストレージ
b) エンタープライズ推論/RAG環境向けのカスタマイズされたストレージ
c) 既存のデータストレージアーキテクチャのサイロ化解消ハイパースケーラー戦略:
年末までに最初のハイパースケーラーデザインウィンを確保する見込み
ハードディスクに比べて5〜10倍の省スペース、省電力、冷却効率を実現
Evergreen//Oneサービスの動向
Evergreen//Oneの総契約額(TCV)販売は第2四半期に1.01億ドル、上半期で1.57億ドル
2025年度のTCV販売予測を6億ドルから5億ドル(約25%成長)に下方修正
大規模な商談の成約に時間がかかっているが、5百万ドル以下の商談は好調
質疑応答
Q: Evergreen//One TCVターゲットの引き下げが収益ガイダンスに影響しない理由は?
A: 大規模なEvergreen//One案件が延長しているだけで、キャンセルや従来型の購入モデルへの切り替えは起きていない。小規模案件は予想通りに進行中。(Charlie Giancarlo, CEO)
Q: ハイパースケーラー案件成立への最大の障壁は?
A: 大きな障壁はなく、ビジネスモデルの調整や経済性の改善など細かな課題を解決中。技術的なテストは順調に進行。(Charlie Giancarlo, CEO & Rob Lee, CTO)
Q: QLC搭載アレイの競合状況と、NAND価格環境について
A: QLC技術でのリードは変わらず、E-familyの成功がそれを示している。競争は激しいが、Pure StorageはQLC以外の要因で差別化している。NAND価格の変動は、当社のPurityソフトウェアとDirectFlash技術の優位性を際立たせている。(Charlie Giancarlo, CEO & Kevan Krysler, CFO)
Q: AI関連の受注状況と収益貢献について
A: AI向けストレージ市場は現在10億ドル未満だが、Pure Storageはそこでシェアを獲得中。トレーニング環境向けが主な収益源で、エンタープライズ推論やデータサイロ解消向けはこれから。具体的な数字は非公開。(Charlie Giancarlo, CEO)
Q: 製品総利益率の今後の見通しについて
A: 高60%台が目標。E-familyやFlashArray//Cの需要増により、下半期は若干の低下を予想。コスト重視のワークロードへの移行を積極的に推進中。(Kevan Krysler, CFO)
Q: ハイパースケーラー向け製品の用途について
A: 幅広いワークロードを対象としており、高性能から低性能まで様々な用途に対応可能。初期段階ではディスクベース環境の置き換えに注力。(Charlie Giancarlo, CEO & Rob Lee, CTO)
今後の見通しと成長戦略
AIとデータ管理の統合: Fusionプラットフォームを通じて、企業のデータサイロ解消を支援
ハイパースケーラー市場の開拓: 年内の初受注を目指し、長期的に大きな成長機会と位置付け
Evergreen//Oneの拡大: 大規模案件の成約促進と、好調な小規模案件の維持
製品イノベーション: DirectFlash技術のさらなる進化と、エネルギー効率の向上
クラウドストレージコスト削減: Cloud Block Storeなどのソリューションによる差別化
エンタープライズストレージの近代化: FlashArray//E家族によるハードディスク置換の加速
Pure Storageは、AIワークロードの増加とデータセンターの効率化ニーズを背景に、市場シェアの拡大を目指しています。ハイパースケーラー市場への参入と既存製品ラインの強化により、持続的な成長を実現する戦略を展開しています。