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小豆島八十八ヶ所 遍路道を歩いた記録 第1回:碁石山→観音寺

歩いた日:2023年5月下旬

いよいよ小豆島八十八ヶ所訪問記のスタートです。なお、徒歩遍路を始めた動機が動機なので、霊場そのものは簡単な紹介に留めておきます。その理由として、純粋なお遍路については既にネット上に様々な方が記録を上げていますが、本シリーズの特徴として、これまであまり取り上げられることのなかった「遍路道」に焦点を当てていきたいと考えているためです。


第二番 碁石山(ごいしざん)

古い醤油蔵が並ぶ小豆島町苗羽(のうま)地区。この街から東へ1時間弱ほど山を登った先に、今回の徒歩遍路のスタート地点「碁石山」があります。

①碁石山までの間にも、舗装路をショートカットするように遍路道があります

洞窟の中にある本堂はまさに山岳霊場の様相で、小豆島を代表する霊場のひとつです。自動車で行くこともできるので、お遍路でなくとも小豆島を旅行する際はぜひ訪れてほしい場所です。

②崖の上に立つ浪切不動明王
旧・内海(うちのみ)町を一望できます
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③開門は8-16時の間なので訪問時間に注意

ここで皆さん「最初なのに第二番?」と疑問に感じたかと思います。理由は簡単で、二番→一番と進めば三番以降の札所をすんなりと回ることができるからです。今後も経路の関係上、逆順に札所を巡ったり、いきなり番号が飛んだりすることが幾度もありますが、混乱せずついてきてください(と言いつつ当の本人も訳が分からなくなりますが)。

ここから次の「洞雲山」まではお地蔵様が並ぶ山道を少し下り、分かれ道を曲がるとすぐたどり着けます。

④この看板が目印です

第一番 洞雲山 (どううんざん)

こちらも碁石山と同じく洞窟の中に本堂がある山岳霊場で、ここを語る上で欠かせないのが「夏至観音」です。その名の通り、夏至前後の6月上旬から7月下旬の間の晴れた日に限り、午後3時ごろ岩壁に現れる観音様です。残念ながら時期ではないためお目にかかることは叶いませんでしたが、気になる方はネットで調べてみてください。

⑤この写真の左奥辺りに現れるそうです

洞雲山→隼山

観光客の多くは洞雲山で引き返しますが、今回はそのまま道を進んでいきます。少し歩くと開けたところに「洞雲山展望台」が見えてきます。やや心もとない古びたコンクリートの展望台を上がると、讃岐十景(ってなんだ?)にも選ばれた瀬戸内海のパノラマが広がります。

※讃岐十景とは、四国新聞社の前身・香川新報社が1927年に選定した香川県内の10の観光地のことだそうです。

⑥タイミングが合えば坂手港を発着するフェリーが見られるかも
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ここから先は下り坂です。「『ウバメガシの森』試験林」と書かれた看板を通り過ぎると間もなく「隼山」に到着です。

⑦平成4年設置の看板
今でも試験は続いているのでしょうか?

第三番奥の院 隼山(はやぶささん)

崖下に立つ大きな建物。かつては団体のお遍路さんたちが宿泊で利用していたのでしょうか。奥の院ということもあり集落からも遠く、静寂な雰囲気が漂います。

⑧本堂は手前の建物の先にあります

本堂から少し離れたところに、小豆島八十八ヶ所としては珍しく大師堂があります(島内の札所の多くは本堂に弘法大師をお祀りしているそうです)。海側には石仏がズラリ。

⑨石仏は全国の方々から寄進されたもののようです

お参りを済ませ、次の「観音寺」へ向かいます。

隼山→観音寺

道を下りていくと、「へんろ道→」の看板がある丁字路に出ます。その看板の後ろの開けた草原と建物は、かつて小豆島に存在した牛乳メーカー「肥田乳業」の牧場跡だと聞いたことがあります。飲んでみたかった…

⑩今でも古い民家の玄関には「肥田牛乳」と書かれた黄色い牛乳箱が残っていることも
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牧場跡(たぶん)を横目に歩いていくと、道端に真っ二つに折れた道標が。そこまで古そうな道標には見えませんが、何があったのでしょうか?

⑪車でガツンとぶつけてしまったかのよう

再びジグザグと山を下っていきます。それにしても、碁石山を出発して以降まったく人と会わない…

⑫西日に照らされて良い雰囲気

やがて林を抜け、坂手地区に入ります。集落の中心部へ続く道を進むと、右手に変わった建物が。ここはビートたけしとヤノベケンジの共同制作による「美井戸神社」で、井戸から顔を出す化け物は「アンガー・フロム・ザ・ボトム」という瀬戸内国際芸術祭の作品でした。ここを過ぎると観音寺はもうすぐです。

⑬夜中に出会いたくはない

第三番 観音寺(かんのんじ)

坂手の街中にあるお寺で、先ほどの隼山と洞雲山の本坊です。なお、小豆島八十八ヶ所にはもう一つ「観音寺」と名の付くお寺があります。そちらにはある変わった風習があるのですが、それはまた後々お話します。

⑭ちなみに香川県西部に位置する観音寺市の読みは「かんおんじ」です

遍路道はお寺のすぐ下を通った後、港方面に曲がります。路地を抜け広い道に出たところで右へ…という流れですが今回はここまで。

⑮カーブミラーの下にご注目
⑯かろうじて残る札を目印に曲がります
奥に見えるのが坂手港フェリーターミナルです

次回はこの続きからですが、その前に一点謝らなければならないことがあります。というのも、当初は徒歩遍路の記録をネットに上げることは想定しておらず、日も暮れてきたことも相まって観音寺から次の札所「古江庵」までの道のりを写真で記録していないからです。そのため次回はいきなり古江庵からのスタートとなってしまいますが、ご了承ください。

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。


今回の地図

Googleマップ・小豆島遍路地図を加工
分かりづらくてすみません…

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