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決めつけについて

わたしが中学生だったころ、お正月が大嫌いでした。なぜなら元旦の朝、ごちそうを前にして、今は亡き父が長々と説教を垂れるからなのです。父はふだんは温和な人でしたが、お正月になると溜めていた思いを、まとめて伝えるのです。

ひどく難しい顔をして、しっかり勉強をしろとか、お母さんの面倒を見ろとか、(そんなことわかっているのに)、わたしはうつむくばかり。いま振り返ると、決めつけられたモノの言い方が嫌だったのだなあ、とわかります。

わたしの長男は飲食店で働いています。ある日、「頭にきた」とわたしにグチをもらしました。接客のことで一方的に叱られた、と言うのです。叱った上司は、お店の古株でボス的存在の人。「なぜ叱られたんだ?」と聞くと、「あんな言い方はお客様に失礼だ!」と決めつけられたという。

長男の言い分では、顧客とあまりにていねいで他人行儀になるよりも、フレンドリーな話し方の方がいいと信じていた、ということだ。たとえば顧客が入店した際に、「いらっしゃいませ」だとていねいではあるけれど、「こんにちは」だとよりフレンドリーで親しみが持てる、というふうに。けれどこれはどちらがいいかは、一概には言えません。お店の方針というのもありますしね。

仕事場とは生身の人間どうしが触れ合う空間のこと。人から決めつけられたり、人を決めつけてしまったりは、かならずと言ってよいほど起こります。だからちょっとした機会を利用して、相手の思いを聞いたり、こちらの思いを伝えたりすることが大事になるのです。わたしはこれを「ちょっとコミュニケーション」と呼んでいます。

そんなわたしが以前、妻や娘たちに「お父さんは、いつも自分が一番正しいと思っている」と責められたことがあります。誰にでもそれなりの言い分があるはず。それを一方的に抑えつけることを決めつけというのですね。ヒトゴトではありません。(汗)


◎英語de元気ing
Smooth words make smooth ways.
ものは言いようだね。

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