【令和元年度 土壌汚染調査技術管理者試験】解答 調査編(午前)NO.6~10

問題6

 法の土壌汚染のおそれの把握(地歴調査)による試料採取等対象物質の選定に関する次の記述のうち、もっとも適当なものはどれか。

⑴ 過去に操業していた運送業の配送倉庫で、純度99.9 % の鉛チップを密封容器で保管していた場合は、鉛及びその化合物を試料採取等対象物質としなければならない。

⑵ 過去に操業していた工場で、コピー機の感光ドラムを製造していたことから、セレン及びその化合物を試料採取等対象物質とした。

⑶ クロロホルムを使用している工場で、敷地内の井戸においてジクロロメタンの地下水汚染が確認されたときは、クロロホルムとジクロロメタンを試料採取等対象物質としなければならない。

⑷ 平成27 年に法の土壌汚染状況調査でシス‒ 1,2 ‒ジクロロエチレンの基準適合が確認された土地については、新たな契機による地歴調査において新たな汚染のおそれが生じていないことが確認された場合であっても、1,2‒ジクロロエチレンを試料採取等対象物質としなければならない。

⑸ 土壌汚染状況調査の対象地において、平成7 年から平成19 年までガソリンスタンドとして利用されていたことから、ガソリンに含まれることを理由に鉛及びその化合物とベンゼンを試料採取等対象物質とした。

問6-解説

⑴ 誤り。運送業の配送倉庫で密封容器で保管していた場合は、「試料採取等対象物質」に含まない。調査ガイドラインP173参照。
「土壌汚染対策法第3条第1項の土壌汚染状況調査について」(平成15 年5月14 日環水土発第030514001 号)によると以下の行為は、法第3条第1項の「製造、使用又は処理」に該当しないとされており、ここでも同様の考え方をとることができる。
 iv)特定有害物質が密封された製品の取扱い(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律施行令第5条第2号参照)
⑵ 正しい。
⑶ 誤り。クロロホルムは、「試料採取等対象物質」に含まない。
⑷ 誤り。過去の調査で、シス‒ 1,2 ‒ジクロロエチレンの基準適合が確認された土地については、新たな契機による地歴調査において新たな汚染のおそれが生じていないことが確認された場合は、1,2‒ジクロロエチレンを試料採取等対象物質としなくてよい。
⑸ 誤り。平成7 年から平成19 年までガソリンスタンドとして利用されている場合は、ガソリンに鉛が含まれていないためベンゼンのみが試料採取等対象物質である。(レギュラーガソリンへの鉛の添加は1975年に禁止ハイオクガソリンも1986年に無鉛化している。)

問6-正解(2)

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