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語彙のマガジン

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小学校の国語のテストで必ずあった「○○を使って短い文をつくりなさい」という問題が好きでした。それをやります。
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#言葉

「運否天賦」の例文

 あの電車だ。あの電車に乗れれば間に合う。ホームに停車しているその車輌は、しかしフェンス…

あきやま
1年前
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「たつき」の例文

 金魚はうまくやれば儲かるんだ、と聞こえた。昼下がりの駅のホームで、老夫婦と呼んだらぎり…

あきやま
1年前

「度し難い」の例文

 滑り台は難しい。今日もサミネは上手に着地できずに尻もちをつく。伸ばした足をそのまま地面…

あきやま
1年前
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「汗顔の至り」の例文

 雨の道路ですべってころんだ。正確に言うと、雨でぬれた葉っぱを踏んですべってころんだ失敗…

あきやま
1年前
1

「口吻を洩らす」の例文

 口が小さいのでハンバーガーをハンバーガーとして食べられません。まず上のパンを、次にアボ…

あきやま
1年前

「行き掛けの駄賃」の例文

「声の大きさは関係ないんだよ、それは物理次元の尺度だから」  そう言ってシババヤシ モリは…

あきやま
1年前
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「手慰み」の例文

 窓際の席は太陽の動きがよく分かる。さっきまで短かったグラスの影が今はだいぶ伸びている。グラスも水も透明なのにちゃんと影が見えるのはなぜだろう。スマホで調べればすぐに答えは見つかるだろうけど、時間はたっぷりあるので考えてみよう。  たっぷりある?  そう判断した自分のお人好し具合にがっかりしてしまう。待ち合わせの時刻から、もう2時間経過している。グラスと水の影について考察するよりも、あいつへのお仕置きを考案するべきだろう。  そもそも私が電車に乗って赴いているのも変だ。向

「とば口」の例文

「趣味はカメラです」  という人の中には、カメラが趣味なのではなく写真を撮るのが好きなだ…

あきやま
1年前
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「恬として恥じない」の例文

 以下の理由から、マモミはミナハルとのキスを拒んだ。 ・つい10秒前に交際を始めたばかり…

あきやま
1年前

「当意即妙」の例文

 怪物が襲ってくる。  動物園で見るカバくらいの大きさで、YouTubeで見るアフリカのカバくら…

あきやま
1年前
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「伍する」の例文

 戦隊ヒーローのパロディというのは創作に携わる男子はみな通る道なのだな、とタカモは思った…

あきやま
1年前
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「薫陶を受ける」の例文

 そんな字面のウインナーがあったような気がする。漢字二文字の商品名を、スーパーの精肉売り…

あきやま
1年前
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「籠絡」の例文

 足の生えた蛇を見たことがある。私がそう話すと、たいていの人は「それはトカゲじゃないの」…

あきやま
1年前

「烏兎怱怱」の例文

「顔もあらたに七日渡って、うしろ三百五十八」から始まる唄をご存じでしょうか。年が明けて一週間が過ぎると、私は毎年この唄を思い出します。幼い頃に祖母の背中で聴いた子守唄なのですが、知っている人に出会ったことがありません。歌詞はこうです。  顔もあらたに七日渡って うしろ三百五十八  烏に追われて七十五日 兎を追って四十八日  穴掘り九日 水飲み十日 桃踏み百と八十五日  目玉の数は二つと二つ 尻の穴には蓋三つ  かって烏は十四の目玉 かまけて兎は九つ跳ねる  一年をうたった