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彌野泰弘氏著『UAVあなたが知らないあなたの会社だけの強み』読書エッセンス

買わない理由をつぶすのではなく、既存顧客が自社ブランドをなぜ買ってくれているのかを特定する。買う理由を明確化する。

「競合との差」ではなく、「自社の強み」「顧客インサイト」に着目する。
顧客視点で「価値になる強み」をあぶり出すことが顧客に選ばれ続ける理由になる。

認知には「無効認知」と「有効認知」がある。
知っているから買うのではなく、
知っている商品の中から「自分にとって最良の選択肢で、かつその代金を払ってでも買うべきと感じたもの」を選んで買っている。

認知神話の実態は無効認知。顧客にどんな価値を訴求すべきか理解しなければ有効認知にはならない。

ブランディング

顧客は誰か
顧客のインサイトは何か
顧客に選ばれ続けるために必要な要件は何か

買いたくなる理由を顧客に認識してもらい、その認識を継続的に強化すること

SKⅡ事例
顧客インサイト×強み
「年齢を重ねても透明感のある美しい肌を維持したい」×ピテラという独自成分
=UVA
唯一無二の成分ピテラでいつまでも透明感のあるクリアな素肌へ

①戦略策定(自社の強み×顧客インサイト)
②UAV
③戦略実行フェーズ 4A
Attractive(顧客視点で競合商品よりも魅力のある商品・サービスか)にとって魅力的な価値か)
Available(顧客が入手しやすい販路が十分にあるか)にとって買いやすい販路か)
Affordable(顧客視点で価値が価格を上回っているか)にとって買いやすい価格か)
Aware(顧客がその商品サービスの価値を十分に理解・認識できる広告宣伝か)

顧客ROI(価値÷価格)で価格の評価・分析
①価値と価格が拮抗しているため、購入を悩む
②こちに対して価格が高い(見合わない)ので買わない
ROI=1
③価値の方が価格よりも高い(お値打ち)と認識して買う
④競合商品と比較して、顧客ROIが高いと認識した商品・サービスを選ぶ

従来のマーケティングファネル AIDMA
Attention注目
Interest関心
Desire欲求
Memory記憶
Action行動

「購入意向の喚起」買いたくなる理由を訴求することで、ターゲット顧客の購入意向を高める
「ブランド名称認知」買いたいと思っているので記憶する
「検索検討」買いたいのでネット検索で詳しく調べて比較する
「購入」

広告の役割:「需要の喚起」「需要がある顧客の獲得」

マクロWHO/WHAT:マスマーケティング
↓マクロの顧客層を土台として細分化して設計(個別最適化)
マイクロWHO/WHAT:デジタルマーケティング

「わかる」から「できる」への4ステップ

・マーケティングコーチがリードするプロジェクトについていく。担当者は実践を通じて、UAVマーケティングのフレームワークと実行の手段を理解する
・UAVマーケティングの理解はあるが、単独でUAVマーケティングの開発と施策化を行うことは難しい。マーケティングコーチが伴走し、適宜、助言や指導を受けながら、担当者主導でフレームワークを実践する
・UAV開発から施策化までの手順や実行方法はわかるが、大きな成果を出せるまで成熟しているとは言えない。中身の制度に対して、コーチからフィードバックやインプットを受けることで成功の角度や度合いを高めていく
・UAV開発から施策化まで、フレームワークに沿ったプロセスだけではなく、中身にどの程度厚みを持たせなければいけないのか、自分だけで判断できるようになる。マーケティングコーチからのアドバイスや助言がなくても大きな成果が出せるようになる

戦略策定能力
・戦略的思考力:目的から逆算思考で戦略要件を導き出せるか
・データ、インサイト分析力:課題に直結す流データを見抜き、正しく理解し、戦略策定に繋げられるか(複数のデータを見て必要な要素をつなげ、顧客インサイトの理解に基づいたストーリーがつくれるか)

戦略実行能力
・リーダーシップ:目的に向けて、様々な障壁を乗り越え必要な変化を起こせるか
・コラボレーション:メンバーの強みを引き出し、チームも能力を最大化できるか

マーケティング業務領域:プロジェクトマネジメント、顧客調査データ分析、クリエイティブ開発判断

マーケティング担当者に求められるスキル一覧

AI時代のビジネスの4つのレイヤー

世界の平均値を究極に極めたプレイヤー
上のレイヤーの類似品を少しずらしたり、価格を安くしたプレイヤー
トレンドやヒット商品の模倣品を作っては、次々に商材を増やしていくプレイヤー
産業の規模やアクセス経路が特殊で、大手が参入しにくく模倣されにくいプレイヤー

おわりに

この本を手に取り最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
これまで私は約20年にわたり、実務家としてブランドマーケティングに携わってきました。「マーケティングとは何か」。私にとってその答えは「自社の強みを生かし、人々が求めるより良い商品やサービスを作って届けること」に他なりません。
マーケティング担当者の仕事は、顧客に向き合い、顧客が真に求めるものを理解することです。そして、社内の各部門と連携を図りながら、顧客に選ばれ続ける価値を創造し届けることです。そのように企業と顧客をつないで持続的な事業成長に貢献することが、マーケティングの役割だと考えています。
そんな「理想的なマーケティング」ができている状態を、どうすれば実現できるのか。
本書では、自社の強みと顧客インサイトからUAVを開発し、さらにはそのUAVを基に事業活動を行う方法についてお伝えしてきました。
UAVを事業活動に反映できれば、「自分にとってベストなものが手に入った」と顧客に喜んでもらえ、リピート購入されるので、企業は大量の広告宣伝で売り込みをし続けなくても持統的な売り上げ成長が可能になります。これは「強いブランド」が構築された状態と言えます。本質的なマーケティングとは、売り手と買い手をつなぎ、事業を通じて企業と顧客がWiniWinとなる状態をつくることです。その結果として、世の中に存在する様々な課題やペインポイントが、様々な商品やサービスで解決され、社会がより豊かになります。
ところがいまだにマーケティングとは、顧客が求める価値づくりではなく、広告宣伝や販促のことだとする誤解があります。顧客が求める商品やサービスを作り、届けることがマーケティングの本来果たすべき役割のはずですが、企業の意思の一方的な売り込みになってしまうと、顧客が求めるものと企業が提供する商品やサービスに乖離が生まれ、強いブランドを築くことはできません。マーケティングの誤解は、企業にとっても顧客にとっても、理想的ではない結果を生み出します。
日本には、真面目な会社が多くあります。真面目であるがゆえに、弱みを克服したり、足りないものを埋めようとしたりと、一生懸命になります。「自社には強みがない」と嘆く方もよくいます。しかし強みがないなんてことはありません。本書の中で対談したファミリーマートの足立光さんは、「商品やサービスには、必ず何かしらの『価値』が存在しており、その価値があるからこそお客様に選ばれています。どのような事業においても、価値がないのであれば、そもそもその事業は続いていないでしょう」と話しています。事業が続いている限り、その事業や企業には必ず「顧客に選ばれ続ける価値」、つまり「UAV」が存在しているのです。
自社の強みは、自社にとっては当たり前のことすぎて、認識できていなかったり、見逃されてしまったりしがちなものです。本書が、まだ気付いていない自社の強みに気付くきっかけになることを願っています。
2024年4月、BIoom&Co°は創業して10年目に入りました。この間、様々な企業のマーケティングを支援する中で、支援先の強みを知り、顧客のインサイトを捉え、顧客が本当に求めているものを作り、届けることに尽力してきました。この先も、私たちが目指す「より良いものを、より多くの人へ」というパーパスは変わりません。
しかし、今以上に精進して、今よりもはるかに高い確度とより速いスピードで、支援企業を成功へと導けることを目指していきます。
さらに今後、私たちの強みである「マーケティングメデジタルメグローバル」のすべてを強化し、我々のUAVも強化していきます。またUAV開発の精度やスピードを高め、より多くの企業支援に取り組めるよう、AI(人工知能)の活用なども進めていきます。国内外の数多くの企業が、自社の強みと顧客インサイトから見いだされるUAVの開発による本質的なマーケティングを実践し「強いブランド」をつくれるようになるための支援を進化させ続けていきたいと思います。
世界中に本質的なマーケティングが広がっていけば、企業は顧客のインサイトを深く理解し、自社にしか提供できない価値を創造し、自社の商品・サービスの価値を磨き上げることに専念できます。各社が自社の強みを生かした多様な価値を創造できれば、多様なブランドが共生する世界が実現します。
すると「同質化"によって生じる“収益性を損なうような不毛な競争”が減り、「競合と戦うことを主眼にするのではなく、それぞれの強みを生かし、顧客に選ばれ続ける価値を生み出すことに注力する社会」が実現されます。そうなれば、世界はもっと多様な価値を持ったブランドであふれて豊かになることでしょう。
本質的なマーケティングは、顧客が求める価値あるものを生み出す力を持っています。
正しく活用することで、より多様で、彩り豊かな社会を築くことができるはずです。UAVマーケティングの実を通じて、皆さんが自社の強みと顧客インサイトの理解から、自社にしか提供できない価値づくりに集中されることを願っています。
本書の執筆に当たり、協力いただいた皆様に御礼申しあげます。対談の相手を務めて
くださったファミリーマートの足立光さんは、私が尊敬するマーケティングの先輩です。
同じくマーケティングに携わる者として、持続的に成果を出し続けている足立さんのすごさを感じています。noteの深津貴之さんは、常に時代の一歩先を行く技術やテクノロジー、未来に対しての示唆を与えてくれる貴重な存在です。今回の対談でも多くの気付きを与えていただきました。
また本書の執筆にあたり、編集者として最後まで伴走して頂いた日経クロストレンド編集長の勝俣哲生さん、編集部の公文紫都さんにもこの場を借りて御礼を申し上げます。
最後に、会社を立ち上げここまでやって来られたのは、ともに仕事をする個性的で魅力的な仲間のおかげです。本書の執筆に当たっても、頼もしいチームメンバーから貴重な意見やサポートをもらいました。多様な強みを持つ素晴らしいメンバーと、様々なマ
1ケティング課題に真剣に、そして、楽しく取り組めていることは幸せの極みです。
本書が少しでも皆様のお役に立てることを願って。

Bloom&Co. 代表取締役 彌野 泰弘

#UAVあなたが知らないあなたの会社だけの強み
#顧客に選ばれ続ける最強ブランドのつくり方


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