なんでも言語化 逆転合格に向けて毎日のやるべきことを見つけるための手順
言語化することで志望校合格に大きく近づく
「志望校に合格するためにはどうやって勉強すればいいのだろう」
「良い大学に行きたいけど、いつ何をやればいいのかいまいち分からない」
こんな悩みや課題はありませんか?私は10年以上受験生や保護者の方の相談に乗ってきて、ほとんどの受験生や保護者の方が同じ悩みを持っています。
なぜこのような悩みや課題を持つのかというと、大学受験がそもそも複雑なものであるのと、もう一つ、今の自分はどういう状態なのか、志望校合格までにどのような段階を踏んでいけばいいのかがうまく整理できていないからです。
この整理さえできれば、不安の元がわかり、自分がやるべきことをはっきりと認識でき、自分で納得して気持ちよく努力することができます。
こうした実感を持っているからこそ、今回は「言語化」というテーマで大学受験生や保護者の方にノウハウをお伝えできればと思います。
大学受験では頭の良い人が合格するのではありません。あらゆることを言語化して課題を解決できた人が合格するのです。
大学受験で合格までに必要なあらゆることを言語化することで、今の自分よりももっとスピードアップして成績を上げ続けることができます。
大学受験の合格までのプロセスはほぼ全て言語化できる
10年以上大学受験に関わって、数百人の受験生の全ての科目の勉強内容と成績の上がり下がりを見ていると、私にとって予想外のことはほとんど起こらなくなってきます。
その受験生の過去2ヶ月の勉強時間と教材の理解度を聞けば、それぞれの科目がどのようなレベルで、次の課題はどのようなもので、あとどれくらい頑張ればどの大学に合格できそうなレベルかも高確率で判断できるようになってきます。
それくらい、大学受験は言語化できる分野なのです。
私自身、受験生時代は、国語の偏差値は75、早稲田模試でも国語は上位10%程度には入っていたのでこうした言語化は得意分野なのかもしれません。
イクスタ代表/土井万智(どいまさと)
「言語化」されないと、何が起こる?
今の状況や目標を言語化していないから"とにかく勉強"しようとしてとにかく焦り続けることになる
早い人だと高1から、遅くとも高3の春から本格的に大学受験の準備を始めます。いきなり志望校が決まっている場合も、志望校は決まっておらずともひとまず勉強を進める人もいるかもしれません。
受験を始めたらまずは大学受験なんだからといって家の近くの大学受験予備校に入ったり、Youtubeでおすすめされている参考書を集めたり、学校で配られた教材を進めようとしていることだろうと思います。
でもいざ、始めると「これってどこに向かっているんだっけ?」「本当にこれで合っているの?」と感じることがありませんか?
「よく分からないけど、これでいいのなあ」をほっとかない
大学受験では、あなたがやるべき最優先のことは明確に決めることができます。ですがその決め方を知らなかったり明確にアドバイスしてくれる人がいないと「これがよさそうだけど、よく本当のところはよく分からないなあ」という状態のまま勉強を続けることになってしまいます。
これってとっても危険です。
勉強していること自体は無駄ではありませんが、遠回りをしている状態のまま時間が過ぎてしまっています。その結果、本格的に受験勉強を始めて2ヶ月経っても伸びが実感できなかったり模試の成績も伸びなかったり。
例えば英語の長文や青チャートをすぐに始めていませんか?これらの教材は受験勉強を本格的にスタートして早くても3-4ヶ月後ほど経ってから始めるべき教材です。
成績が悪いの自分のせいではない
それって自分のせいではないんです。自分の頭が悪いからではない。
今の自分の課題に合った解決策=勉強内容を絞れていないだけなんです。
大学受験=とにかく勉強、というイメージがありますが、「とにかく勉強」はごまかしの言葉。今の自分の課題に合った勉強を絞って集中的にこなすことこそが重要です。
"今の自分の課題に合った勉強を絞って集中的にこなす"ために、大学受験に関するあらゆることを「言語化」することで、自分の今の最優先事項を絞ることができ、それは勉強の効率化に繋がります。
自分の状況だけではなく志望校に合格するために必要なことも言語化することで、志望校の合格率を確実に高めることができます。
そもそも言語化とは何か
試験には言葉で答える
当然ですが、大学受験ではいかに第一志望に合格できるか、もしくは進学したい最低ラインに合格できるかを求めて勉強しますよね。
大学受験(ここでは一般受験とします)は、紙の試験の点数で合否が決まります。紙の上に言葉で表された出題に対して知識や仕組みを理解しているのかを言葉で答え、点数がつき、合否が決まります。
つまり、いかに言葉を知っているか、言葉で理解し、言葉で答えることができるかが問われているわけです。
このように、それぞれの科目においても、言葉が中心にあります。
その大学に合格する="科目の合計で合格最低点を取る"ために必要なことも全て言葉で整理・把握することができ、また、同時に今の自分の状況も言葉にすることできるということでもあります。
例えば英語であれば、求められる語彙のレベル、文法の理解の程度、長文の長さ、英作文の構成など、数学であれば、公式などの知識はもちろんのこと、積分の典型的な問題に対してどういった操作が求められるのか、それぞれの分野で苦手な解法はどのようなものなのか、などが挙げられます。
まとめると、科目ごとにどのような知識があれば合格できるのか、どのような理解があれば合格できるのか、そしてそれらを達成するためには今の自分に欠けているものは何なのか、などを言葉にできるということです。
大学受験の中心には言葉とデータがあります。
言語化の目的は「見えるようになること」
大学受験ではあらゆることを言語化します。言語化することで整理することができ、比べることができ、決めることができます。
大学受験に関するほぼあらゆることは言語化できますし、言語化すべきです。一部、各科目を暗記する際に漠然としたイメージを使ったり、数学で図形を回転させる場合など局所的に言葉を使わないことがありますが、それでもそれを包括する概念を言葉にまとめることができます。
大学受験の目的は出来るだけ多くの志望校に合格することです。この目的を達成するために、
自分の状況や課題を整理する
重要なことを判断する
やるべきことを決める
こうしたプロセスの全てを"言葉"を中心に進めていきます。
言葉にできないことは曖昧なものです。大学受験においてはできるかぎり言語化し、言語化できていないものは言語化できるようにまとめ直す必要があります。
本記事での冒頭のセリフ、
「志望校に合格するためにはどうやって勉強すればいいのだろう」
「良い大学に行きたいけど、いつ何をやればいいのかいまいち分からない」
これらの悩みも徹底的に言葉にします。少し手間がかかり複雑ですが、絶対に無駄にはなりません。むしろ言葉にせずに感覚で進めることのもったいなさを考えるとぜひ言語化すべきです。
「志望校に合格するためにはどうやって勉強すればいいのだろう」
この悩みを言語化すると以下のようになります。
「A大学R学部の個別試験で出題される英語と数学と化学の試験で、合格最低点である約65%を得点して合格するためには、あと12ヶ月でそれぞれの科目でどのようなレベルの問題を解けるようになればいいのだろう。12ヶ月でそのレベルに到達するためには、どの教材をどの順番で、どれくらいのスピードで完成させればいいのだろう」
となります。
一見長々してやっかいに思えるかもしれませんが、難関大学に合格するために求められる論理力や言葉の扱い方に比べればそれほど難しいものではありませんし、これからご紹介する言語化の方法で自身の大学受験を言語化していくとすぐに慣れることでしょう。
言語化するための準備に必要な5つの道具
自分にとって最優先でやるべきものや量、バランスは必ず一人一人違うものです。予備校や学校で言われているからといって鵜呑みにするのは危険です。
正直なところ予備校などの個別指導は半分マニュアルを当てはめているだけで、本当のあなたの状況を把握してくれる訳ではありません。そもそもの予備校のビジネスモデルとして、1対1の相談に全て乗ることを想定していません。
こう発言するのはリスクがありますが、ちょうど昨日の面談で、イクスタ受講生の予備校の友人が予備校で出願校の相談をしたところ、共テ模試の成績のみを参考にした指導がなされ非常に的外れだったということです。
こうした現状に個人的にとても失望しています。
必要な5つの道具
予備校や学校をあてにせず個人で言語化するために必要な道具をご紹介します。
自分の今の成績
志望校合格に必要な成績
入試本番までの残り時間と成績推移
教材のレベル
入試で問われる力(応用編)
知識
説明
計算
読解
表現
自分の今の成績
それぞれの自分の今の成績を言葉とデータで整理します。最も良い方法は旧センター試験の過去問を解き、大問ごとの点数を出した上で、80%を取るために足りていない知識、理解を言葉で整理することです。
英語であれば、80%を取るために足りていないのは単語なのか熟語なのか、文法なのか、あるいは慣れなのか、自分で言語化してまとめます。
それぞれの科目をまだ全く勉強していない場合には、全く点数は取れないはずなので、必ずしも旧センター試験を受験する必要はありません。2ヶ月ほど勉強してからチャレンジしましょう。
志望校合格に必要な成績
次に、自分の志望校に合格するために必要な試験の種類と点数を客観的なデータで把握します。
国公立であれば合格者の共通テストの平均得点率、共通テストと二次試験の合格最低点を、大学の公式ホームページから入手します。
私立大学であれば、大学の公式ホームページから合格最低点に関するデータを入手します。
入試本番までの残り時間と成績推移
大学受験は常に残り時間を意識する必要があります。入試本番まで何ヶ月残っているのか、残り時間でいかに合格最低点を超えるかを把握する必要があります。
また、大学の難易度によって、時期ごとの合格者の成績をデータで把握することで、自分が過去の合格者に対してどの程度の差があるのかを把握することができます。
実はこのデータを入手するのは意外と難しいのですが、東進ブックスが出版している大学受験案内をもとにイクスタで作成したデータがあるのでこちらをご利用ください。
教材のレベル
学校の教科書や市販の参考書、予備校の教材で勉強していくことになります。それぞれの教材のレベルを把握する必要があります。
その教材は入試レベルの問題を解けるようになるのか、基礎から学ぶものなのか、今の自分の成績に合っている教材なのか、これから入試までどのような教材のステップを踏んでいけばいいのかを明確にします。
英語であれば文法にも3段階のレベルがありますし、数学でも3段階のレベルがあります。
入試問題で問われる力(応用編)
ここからは少し応用編です。入試問題で問われる力も言葉で定義することができます。入試問題の100点の中で、小問によって問われている力が異なります。自分の志望校の入試問題ではどのような力が問われているのかを把握することで、より正確に合格最低点に近づくことができます。
一つずつ見ていくと細かすぎるので、旧センター試験で80%以上得点できるようになったあとに考慮し始めれば良いでしょう。
知識量
純粋な知識の有無を問うている問題。英単語や化学式、日本史の用語など。
説明
ある事象に対しての内容や仕組みを問う問題。化学平衡における反応の結果や、世界史の第二次十字軍による影響などを理解しているか文章で問うもの。選択肢の正誤問題として出題されることが多い。
計算
ベクトルの長さや物質量などを計算で求める問題。
読解
一定程度の文章を読んで傍線部の主張を正しく読み取り答える問題。
表現
あるテーマに対して、日本語や英語で自分の考えを表現する記述式の問題。
自分の志望校では上記がどのような配点で出題されているのかを分析することで、より効率的な勉強の優先順位を決めることができます。
大学受験の言語化をマスターするための5つのステップ
上記でご説明してきた武器を揃えたら、実際に自分の大学受験のプロセスを言語化します。最初は複雑かもしれませんが、慣れてくれば自分の状況が把握できて、不安がなくなっていきます。
また、何に集中すればいいのかを明確にできるので納得して努力し続けることができます。
今の問題を言語化する
志望校の合格最低点を取るために足らないこと、時期
やるべきこと(教材とペース、完成度)を言語化する
1週間でやるべきことを言語化する
今日やるべきことを言語化する
振り返りを言語化してフィードバックすることで今後に生かす
順番にご説明していきますね。
1. 今の問題を言語化する
今の自分の状況、志望校の合格最低点を取るために足りていないことを言葉で整理します。上記の武器でご説明した、旧センター試験の自分の点数、志望校合格レベルの点数、残り時間を使って今の問題を言語化します。
例えば英語で言語化してみます。
「自分の今の英語の旧センター試験レベルは40%程度の得点。自分の志望校に合格するには85%程度取る必要があるから、あと45%伸ばす必要がある。85%の得点を取るためには、単語力が足りないし、熟語力も足りないし、文法力も足りないし、文章に読み慣れる必要もありそう。これらの力をあと10ヶ月でマスターする必要がある」
「二次試験の英語では65%程度の得点が求められる。旧センター試験と同じく単語や熟語、文法が求められるが、長文の長さは旧センターほどではない。その代わりに日本語を英語に訳す和文英訳が2題、あるテーマに沿って自分の考えを80 wordで表現する自由英作文が出題される」
このように言語化すれば、今の問題点を言葉で整理することができました。
2. やるべきこと(教材とペース、完成度)を言語化する
上のステップで言語化した問題を、どうやって入試本番までに解決していくのか。解決するために使う教材やペースを言語化して整理します。
「旧センター試験で85%程度の得点をするためには標準〜難関レベルの教材を使う必要がある。そのためには英単語はターゲット1900を使いたい。今はターゲット1900の単語でさえ難しいと感じることもあるから、まずはターゲット1400から始める。2ヶ月でターゲット1400をマスターして、その後6ヶ月でターゲット1900をマスターすることを目標にする」
「英熟語も高いレベルが求められるから1冊を完成させたい。速読英熟語を、ターゲット1400を完成させた後に始めて、6ヶ月で完成させたい。英文法も今使っている簡単なレベルの教材を終わらせてから、Vintageをあと6ヶ月で完成させる。」
「英語長文は6ヶ月後に単語や熟語、文法が固まってから始めたい。志望校では700word程度の問題が出題されるので、旺文社のRulesシリーズを2冊、3ヶ月かけて対策する」
「自由英作文は配点が少ないので、長文の教材が終わってから2ヶ月かけて対策する。」
ある程度省略しましたが、イメージとしてはこのようなレベルで言語化してまとめることで、今後の行動計画をすることができます。
重要なのは、完成させるべき時期を明確にすることです。もしペースが分からなければ後で修正すればいいので、今は自分なりに予想して完成させるべき時期を定めましょう。
また教材は"完成"させることが重要です。よほど難易度が高い教材でない限り、その教材の抜け漏れは結局のところいつかは埋め合わせなければならないので、1つの教材に対して自信を持って完成したと言えるところまでこだわってください。
3. 1週間のやるべきことを言語化する
上記のステップで、教材ごとに完成させる時期を決めました。これらを達成するためにはこれから1週間でどこまで進める必要があるのかを言語化して整理します。
今週1週間で何種類の教材を勉強する必要があるのか、それぞれの教材を1週間で何ページ進める必要があるのか、定着させるためにはどれくらい復習する必要があるのか、などをリストアップしてまとめます。
今週に確保できる勉強時間に対して、現実的な量なのかも見比べる必要がありますね。もし現実的でなければ、長期計画か、1週間の勉強時間のどちらかを変更する必要があるかもしれません。
4. 今日やるべきことを言語化する
ここまでのステップで1週間にやるべきことを言語化してまとめました。この計画をもとに、毎日の勉強すべき内容=タスクを言語化します。
毎日勉強時間として確保できる時間は異なるため、その日ごとにやるべきことを言語化します。
前日に、1週間の計画と明日の予定をざっとイメージして、進めるべき勉強内容を予想します。そして、その日勉強できる時間になったらその日の終わりまでの自分なりの時間割を作成します。
日記をつけるとベストです。スタディプラスなどスマホを使ってもいいですね。
5. 振り返りを言語化してフィードバックすることで今後に生かす
最後のステップです。
中長期の計画を立てたり毎日勉強していると、予想外なことが必ず起きます。
思ったよりも単語の定着するスピードが遅かったり、学校で習っていてあまり勉強する必要がない分野を新しく見つけることがあります。
また、その教材を完成させるには音読した方が早いなどの新しい発見もあるはずです。
こうした事前には予想できなかった変更点が必ず出てくるので、こうしたポイントを改めてまとめて、次の日からの勉強に活かします。
ここまで、大学受験のプロセスを徹底的に言語化するステップを具体的な方法をお伝えしていきました。
言語化することで、今の不安の元はなんなのか、不安を解決するためにはどのような手順を踏めばいいのかを自分で整理することができます。
自分で整理することで納得して勉強を進めることができますし、数ヶ月先にどのような状態になっているのかも予想して勉強を進めることができます。
普段イクスタコーチでのプログラム内容について、言語化というテーマを抜き出してご紹介しました。
入試日まで受験生の全てをサポートする密着型受験生トレーニングプログラム、イクスタコーチについてご関心があればぜひ以下のページからご覧ください!
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イクスタ代表/土井万智(どいまさと)
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