現代文のまなびかた(第1講)

現代文の一歩はコトバの学習から

 わけあってnoteのアカウントをもってからようやく初めての更新となります。新型コロナウイルスの影響により、受験生は本来ならばこの時期に与えられるはずの科目ごとの学習の指針が得られずに困っていることと思います。予備校で現代文を指導して11年、授業だけでなく模擬試験や問題集・参考書の執筆などの経験を活かし、受験生の皆さんに有益な情報を発信していこうと思います。

 さて、この時期の現代文学習は、「読み方」「解き方」よりも「コトバ」「漢字」などの〈語彙周り〉をメインの軸にしていくべきです。現代日本語の語彙力が貧弱なままだと、古文や漢文の学習、英語の長文や英作文の学習の足かせにもなりますので、しっかりとやっていきましょう。

 現代文(評論)には、みなさんにはなじみの薄いコトバがわんさかと出てきます。たとえば、

実存 エスニシティ オリエンタリズム 表象 世俗化 国民国家 人間疎外 内面化 アウラ フェティシズム……

 これらの言葉は現代文の文章中には「普通の言葉」として出てくるのです。ちなみに、いまあげた10個の言葉のうち、一つでも「きちんと説明できる」ものがあったらこの時期の受験生としてはとっても優秀です。夏までには、評論文によく出てくる言葉と顔なじみになってくれれば、読むことも楽しくなってくると思いますのでしっかり頑張りましょう。

まずはこの言葉から覚えよう

 まずは今後みなさんが読んでいく現代文(評論文)に頻繁に登場するであろう概念語から習得していきましょう。対義語でまとめられるものを整理しておいたので、プリントアウトして気合いを入れて一日で覚えてしまってください。

言葉調べの記録をつけよう

 私は受講生たちに言葉調べの記録をつけることを推奨しています。自分の知らない言葉に出会ったらかたっぱしからノートにメモしていくのです。大学ノートを三分割し、

左列 ことば
中列 意味
右列 例文

を書き込んでいきましょう。紙辞書でも電子辞書でもかまいませんが、それぞれ以下のような違いがあります(メリット面の相違だけ記しておきます)。

紙辞書 調べた語句の前後左右の項目にも目が行き、言葉との意外な出会いが生まれる

電子辞書 調べた言葉の履歴が残るので、週末に履歴をたどって一気に記録をつけることができる・ジャンプ機能を活用して「言葉サーフィン」を楽しめる

 以前教えていたある受験生は、電子辞書のジャンプ機能で和英辞典に飛んで、調べた言葉の意味に相当する英語や例文もあわせて記入していました。非常に有益な学習の仕方だと思わずうなりました。みなさんも余裕があればぜひ取り入れてみてください。

 さて、今回の記事はこれでおしまいです。まずは、〈言葉周り〉の学習を主軸にして、現代文の勉強をスタートさせていってくださいね。

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