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犬の生態あれこれ

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犬と人の幸せにつながる、犬の生態に沿った暮らしを。その一助となればうれしいです。 こちらのラインアップでは、1000〜2000字程度の短めの記事をご用意しています。 コンテンツは…
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#犬の生態

noteに『犬の生態』を書く目的

19年間、犬について学んでいます。 ほとんど独学です。 犬から教わってきました。 なぜnoteに『犬の生態あれこれ』を書くのか、リストにして手短にお話しします。 1️⃣犬の感覚世界に興味が尽きない 2️⃣自分自身の知識を整理する 3️⃣この機会を利用して科学の新たな進展をインプットする 以上を前提として、1つのテーマごとにコラムを書き綴り、 その集合体としてnoteマガジンを作成する。 これが、動機です。 折れない7本の柱 執筆にあたり柱を立てます。 この『

「服従」を犬の心で考える

イヌが相手の前で仰向けになってお腹を見せるのは、「あなたに服従しているんです」というサインである――。イヌの飼い方のマニュアル本には、例外なくこんなふうに説明されています。 お腹という攻撃されるといちばん弱いところをわざわざさらすのだから、服従の意思表示をしているというわけです。 なるほど、人間の目から見れば、相手のご機嫌を伺うようなこのポーズは媚びた卑屈なしぐさに映るかもしれません。 ここで私たちは自問する必要があります。「服従」(あるいは「支配」)という便利なラベル

神はなぜ、濡れた鼻を犬に与えたのか

皆さんもご存知のように、イヌの鼻は濡れています。濡れているのには、もちろんわけがあります。 そのわけは、鼻を使って世界についての情報を集めるというイヌの生態と大きくかかわっています。 イヌの鼻が乾いても大丈夫か? 鼻が濡れている理由の前に、 大事なことをひとつ確認しておきますね。 イヌの鼻が乾いていると病気になると信じている人が多いかもしれませんが、 AKC(アメリカンケンネルクラブ) によると、 ということです。 イヌの鼻は、 通常は冷たく湿っています。しかし

イヌが草を食べるのは、 クライマーが山に登るのと同じ理由?

散歩中に道ばたに生えている草をムシャムシャ……。 少し移動してまたムシャムシャ……。 Twitter上から食べっぷりのいい姿を拾うのは、 たやすいです。 「Dog Eat Grass」で 検索すれば 、牛馬に引けを取らない“草はみ犬“が続々と出現します。 一方こちらは、牛馬とともに草をはむ(?) 数多のイヌが草を食べています。 犬種の特性などについての調査・分析で実績のあるベンジャミン・ハートらがインターネットを使って植物を食べるイヌの飼い主を対象に調査したところ

あなたはイヌが額から汗を流している姿を見たことがありますか?

もしも、タイトルで示した、 「あなたはイヌが額から汗を流している姿を見たことがありますか?」 という質問を100人にしたら、100人とも「いいえ」 と答えるはずです。 イヌが額に汗をかくことはあり得ません。 人間は暑さを感じると、全身に汗をかくことで体温を下げています。 一方、イヌは汗腺が足の肉球の周辺くらいにしかなく、汗をかけるのは足の裏くらいのものです。足の裏だけ汗をかいても体温は下がりません。 そこでイヌはどうするか? 舌を出してハアハアあえぐのです。 パ