なぜ怒っても問題が改善しないのか?
犬の問題行動をいくら注意しても、怒っても一向に良くならない・・・と悩んでいる飼い主さんは多いと思います。
なぜ怒っても良くならないのだと思いますか?
■犬が分からずやだから?
■犬がバカだから?
■犬が飼い主をバカにしているから?
すべて違います。
うまくいかない理由は事後対応になっているから
今あげた3つは飼い主さんからよく聞く言葉ですが、犬の性格や飼い主さんのリーダーシップに問題がある訳ではありません。
うまくいかないのは、問題が起きてから対処しているからです。
例えば、ダイニングテーブルの脚を犬がガジガジ噛んでいたとします。
そこで「ダメよ!」と言ったら犬はどう理解するでしょう。
すでにテーブルの脚を噛むことができているので、噛み方にダメ出しをされていると受け止めます。
もし何度注意してもかじり続けるとしたら、それは「テーブルの脚を噛んではいけない」と受け止めず、「テーブルの脚をもっと強く噛みなさい!」と怒られていると勘違いしている可能性があります(^^;)
このように、して欲しくない行動をしてしまった後にいくら怒っても、犬が間違った受け止め方をしてしまうので、意味がないのです・・・。
怒るから良くなるわけではない
また多くの飼い主さんは、「問題行動は叱れば(怒れば)良くなる」と無意識的に思っています。
犬がなにか困る行動をしたときに「コラッ!」「いけない!」「ダメ!」と叱っていませんか?
反射的に言っていると思いますが、残念ながら怒れば改善するという訳ではありません。
むしろ強く怒ることで、攻撃性を引き出したり、警戒心を強くしてしまうなど、問題を悪化させてしまう場合もあります。
怒ることで改善するのは、言葉の通じる(=意思の疎通ができる)相手のみです。
つまり人間同士、さらに言えば言葉の通じる者同士です。
日本語の分からない犬に、日本語でいくら怒っても、「飼い主さんが怒っている」ことは理解できても、「なぜ怒られているのか」は理解できません。
ただやみくもに怒っても何の解決にもならないのです。
犬は2歳児のようなもの
例えば、たどたどしく歩く2歳の子どもが公園の水たまりに入って泥んこになってしまったとします。
洋服が汚れて「何やってるの!どろどろになったでしょ!!」と怒っても子どもは、「水たまりに入って洋服を汚したから怒られた」とは理解できません。
また「水たまりに入ったら泥んこになる」という事前の知識もありません。
きっと親に怒鳴られたことで大泣きをするだけで、次の日同じ状況に置かれたとして、水たまりを避けて通ることはないでしょう。
ちなみに実際の子育てであれば、このようなことにはならないはずです。
たいていは、水たまりがあったら子どもが入らないように手をつないでよけさせます。
もし目を離していて水たまりに入ってしまったとしたら、子どもを怒るのではなく目を離してしまったことを後悔、反省するだけだと思います。
犬は人間ではありませんが、言葉も生活の知識もまだ身につけていない2歳児とだと考えると分かりやすいと思います。
言葉の通じない犬にどう教えるか。
水たまりの例にあげたように、自身で予測や危険回避ができない子どもの場合は、親が困った状況・危険な状態にならないように管理します。
犬も同じです。
犬自身では、「トイレはシートの上でする」「人の手や服は噛んではいけない」「吠えると迷惑になる」などの人間社会でのルールやマナーは理解できないのですから、飼い主さんがあらかじめ管理=事前に対処すれば良いのです。
具体的に言うと
トイレを失敗しないように、サークルやケージにトイレを設置して、排泄のタイミングを見計らって入れる
人の手や服を噛まないように、遊ぶときはおもちゃやガムを噛ませるようにする
家族の帰宅で吠えるなら、家族が帰ってくるタイミングにはケージに入れて、おやつの入れたおもちゃで気を逸らしておく
要するに、困る行動が起きないようにあらかじめ対処すればよいのです。
事後ではなく事前に対処すべし!
して欲しくない行動が起こらないように事前に対処しておけば、そもそも怒る必要もありません。
犬の行動は、人間に比べるとシンプルで管理しやすいです。
人間の子どもであれば、成長とともに親が把握できない行動をしますが(^^;)、犬は生涯人間の管理のもと生活していきます。
サークルやクレートを活用したり、おやつやおもちゃを使えば、問題行動を回避することができるのです。
もし怒ってしまうことがあるとしたら、それは犬が悪いのではなく「管理が行き届いていない」ということです。
問題行動を改善させる上でもう一つ大切なこと
「問題行動が起こらないように事前に対処する」
このことを覚えて行動すればほぼ怒ることはありませんし、当然問題行動も発生しません。
その上で、さらに大切なポイントがあります。
それは事前に対処をして、犬が良い行動(望む行動)をしたらしっかり褒めることです。
例えば、家族の帰宅時に吠えないようにガムなどを噛ませて気を逸らして、実際家族が帰ってきたときに吠えなかったら、ちゃんと褒めてあげるということです。
このように良い行動を忘れずに褒めれば、どんどん良い方向に向かっていきます。
どうしても問題行動に意識がフォーカスしてしまいますが、良い行動に目を向けて褒めるようにすれば、しつけで困ることはありません。
問題行動は防ぐ
良い行動をちゃんと褒める
この2点を意識してしつけに取り組めば、怒ることなく驚くほど良いコに育っていきます♪
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