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dogoooooに寄せて

全裸で海に浮かんでみたいと思う時がある。体じゅう全ての毛穴で海のしょっぱい水を感じて、肌の白い部分で太陽の光と熱、紫外線を感じてみたい。でも恥ずかしいし、公然猥褻で捕まるからできない。それは両方とも他人の目があるからで、もし無人島でならわたしはそれができると思う。

他人の目。あるいはレッテル。それが無くなった場所。共同体や文化の無い無人島にこそ真実がある気がして、わたしは10代の頃心の中に無人島を作り、そこに行くことを夢想することで表面的な気持ちの向こう側をみようとした。

無人島にただ一つ持っていく物は何?

他愛のないよくある子どもの頃のお喋りのように、何かに迷うとその無人島を想い、恋焦がれ、自分の中の本当の気持ちを何とか掘り起こすことができるのだ。

土偶は日本の縄文時代作られた土人形を意味するが、その役割についてはまだわかっていない。供養、祈り、呪い、玩具。食べ物である植物を模したという話もある。役割はわからないけど、人は人形を作る生き物であるということは言えるかもしれない。そこに暮らしがあれば、何らかの意図から人は多分人形を作る。どんな時代でも泣く赤ちゃんに人形は有効だ。そのために親は死に物狂いで作るだろう。木片や石、土などで。布が余っていれば布で作るだろう。

無人島で暮らしたら多分私は土偶を作ると思う

無人島にたどり着いたことを想像してみよう。全裸で海に浮かんで、都合よく手に入った食べ物を食べ、焚き火の光の下で土をこねよう。そのまま焚き火に放り込んで焼けるかどうかわわからないが、そうやって最高の気分で土偶を作り、そして作った土偶を島のあちこちに埋蔵して暮らす。

NFTは現在まさに開かれた海のようだと思う。そのどこかの片隅に小さな島を持つことができる。わたしのように、多くの人がせっせと土偶を埋蔵している。役割は諸説あり、発掘して大金を手にする人もいるだろう。

もしわたしたちがいなくなった未来に

多くの人がそもそもの理由を忘れた頃に、それらが発掘されたらどうだろうか? 遠い未来で、アイコンという概念がもはや無くなっていたりして、 NFTというデジタルデータに溢れかえる大量のジェネラティブを発見したら?
わたしは土偶に土地の名前を刻んでおこうと思う。わたしの思い出とその場所の名前が残っていたら少しだけ嬉しい気がするので。

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