見出し画像

空と雲

小さな黒い雲が空を横切っている。
ああ、私はあの雲のようだ。
矮小で、汚らしい。
やがてあの雲は消える。
私もやがて死ぬ。
しかし、この空があるかぎり、雲は生まれ続ける。
そのように、私は生まれ変わるのではないか。
それは、私にとってとても恐ろしい。
空を破壊しなければならない。
だが、雲にはそれができない。
雲は空になれるだろうか。
なれたとして、空は雲にならないだろうか。
私は無になれるだろうか。
なれたとして、無は私にならないだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?