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東北旅 三日目 その6

最初の目的地に着くまで
だいぶだいぶの遠回り。

でも、これが、私だ。

さて、駅からの一本道。

最初の目的だったご縁のある人。

その人がいる場所が、
私の目的地だった。

けれど、訪れただけで、
伏線回収というか
答え合わせが
できていく不思議。

来る前に受け取っていた
ただ、そこに行けばいい。の
意味がだんだんわかっていく。

昨日の夕方訪れた目的地に、
小屋に向かう途中立ち寄る。

誰もいない。

前日の夕方、
駐車場にあった車もなかった。

私は、手土産に持ってきたお菓子に
小さな手紙を入れて置いていく。

手紙は、列車の中で書いた。

最初から、決まっていたんだ。
会えないことは。

ここまできたけど、
覚悟もなかったんだから
仕方ない。

だけど、ここまで来れたってことが
すごいじゃない。

馬鹿みたいだけど。

馬鹿でもいいじゃない。
好きなんだから。

会いたい気持ちに
正直になった自分を
まず、褒めよう。

大船渡に向かう
途中で見た
奇跡の一本松。

それに似たポプラの木。
この木も津波の中、
生き残ったらしい。

後から、岩手出身の
同僚に聞いたのだけど、
奇跡の一本松はレプリカらしい。

だとしたら、
このポプラは
本物だ。

煙の出る小屋は
もうすぐ。

何故だか
わからないけれど、
私は早くその小屋に
行きたかった。



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