ベートーヴェン通りの死んだ鳩
サミュエル・フラーの最高傑作であるところのディレクターズ・カット版『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』（127分版）の字幕を去年あたり翻訳しており、noteにファイルをアップロードできるようになっているのを知ったのでアップしておこうと思う。
自分の環境ではシークしたりすると字幕の表示が変になったりして厳密には調整できてないけど、タイミング自体は大体合っていると思う。
北米版のDVDはNTSC/リージョン1なので、PC等リージョン1も再生できるソフトを使うなりして.srtファイルを導入すれば、日本語字幕で鑑賞できるのではないかと思います。
北米版のDVDだと英語の部分しか文字起こしとして字幕化されておらず、ドイツ語やフランス語などのセリフの意味が分からなくなっているので評価が低くなっているのではと思う。この字幕は英語以外の部分も訳してあるので、どういう会話をしているのかが分かるようになっています。
『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』でいちばんカッコいいのは「殺人者の名は？」との問いに「ニーチェ」と答えるドイツの税関のところ
— 名無し/J.Doe (@Doe774) July 7, 2022
全体的なバランスのよさというか平仄の合い方などを考えると、フラー監督映画でオススメなのはやはり『拾った女』『赤い矢』『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』『最前線物語』という感じだと思うな pic.twitter.com/wck2Zqdf2D
— 名無し/J.Doe (@Doe774) February 14, 2022
『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』のベースには明らかに『四十挺の拳銃』があって、女牧場主ジェシカ・ドラモンドや『裸のキッス』の元娼婦ケリーの雰囲気を思わせるクリスタが、グリフ・ボネルの「歩き」を再演しており、『竹の家』が日本を描いたのに対して『死んだ鳩』はドイツで対比になっている
— 名無し/J.Doe (@Doe774) March 8, 2022
フラーは『東京暗黒街・竹の家』や『地獄と高潮』と言った日本を舞台にした作品も撮っているし、『鬼軍曹ザック』や『クリムゾン・キモノ』では日系人のキャラが出てくる。（『陽動作戦』での日本兵は特に掘り下げられないけど） 『死んだ鳩』のCANのダモ鈴木のヴォーカルがそれに結実している…
— 名無し/J.Doe (@Doe774) March 24, 2022
『四十挺の拳銃』の「歩き」と目線のカットバック、女主人ドラモントと『裸のキッス』のケリーのような女傑をクリスタ・ラングが演じ、『竹の家』のような豊かなハレのロケーション…日本に対してのドイツ、そして『ショック集団』の狂気とヌーヴェルヴァーグとが『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』だ
— 名無し/J.Doe (@Doe774) May 28, 2022
また『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』は『四十挺の拳銃』の「目線」と「歩き」のリフレインでもある… フラー監督の西部劇はノワール映画の変奏のように感じられる pic.twitter.com/Ke3j9YQmyE
— 名無し/J.Doe (@Doe774) May 30, 2022
サミュエル・フラー監督の最高傑作であるところの『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』に登場する銃のスクショなど
— 名無し/J.Doe (@Doe774) February 5, 2022
・警官の持つM1910？（照準はM1910/22っぽくもある）
・警官に扮するチャーリー・ウムラウトのワルサーPPK
・アメリカ人探偵サンディのトカジプト（たぶん）
・組織の女クリスタのM1910？ pic.twitter.com/WiHvfkRxcR
クリスタの持つ銃は冒頭の警官の銃と同じ？ ブローニングM1910系だと思うけどアイアンサイトはM1910/22っぽくて、トリガーガードの前が平らかも。あとチャーリー・ウムラウトの持っていた謎リボルバーも（Röhm社のRG-14といったサタデーナイトスペシャルに似てるけど、リングハンマー プロップかも） pic.twitter.com/w8fNxuVXp6
— 名無し/J.Doe (@Doe774) February 5, 2022
『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』の冒頭でチャーリー・ウムラウトが持っていたリボルバーはNHM Model 9という空包専用のブランクガンらしかったhttps://t.co/7pm12aY3yShttps://t.co/rxGVMobh2C
— 名無し/J.Doe (@Doe774) February 8, 2022
どうでもいいけど、『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』のチャーリー・ウムラウトって完全に文字通りの『気狂いピエロ』っていうか、ティム・バートン『バットマン』のジョーカーに酷似したモチーフがあると思うんだけど pic.twitter.com/p1QlOjEJ5f
— Doe774 (@Doe774) June 23, 2023
確かに『最前線物語』（特にリコンストラクション版）はサム・フラーの中核に据えられた物語だが、フラーの真骨頂は『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』にあると思う
— 名無し/J.Doe (@Doe774) March 24, 2022
2022年はサミュエル・フラー生誕110周年かつ没後25周年の年、しかも『ベートーヴェン通りの死んだ鳩』50周年の年でもあるので、皆さんもどんどんフラー映画を見ていきましょう。（私は、全部見ました）
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