デスノート調整記(2023年2月版)

 本記事は、下記記事の続きです。一度こちらに目を通していただくことをお勧めします。

デスノート調整記(2022年10月版)|彼(鍵)|note

1.リメイクならず、が

 『ファイレクシア:完全なる統一』が発売された。個人的には「ドレッドノートのリメイクないかな」とぼんやり期待していたのだが、いかんせんドレッドノートはデザインとして完成されすぎていたのか、リメイクカードは登場しなかった。
 が、デスノートにとって望外の新戦力が登場した。しかも土地枠で。

 本記事の主役は、プレビュー時から多くの注目を集めていた《マイコシンスの庭》である。これを採用したリストは下記のようになっている。

 ちなみに、《マイコシンスの庭》採用のために抜けた土地は《平地》《不毛の大地》《古の墳墓》各1枚ずつ。

2.《マイコシンスの庭》の働き

 結論から言うと、《マイコシンスの庭》はデスノートのデッキパワーと安定性を大幅に向上させた。デスノートでの《マイコシンスの庭》の利用方法は大まかに3つある。

2-1.《ファイレクシアン・ドレッドノート》のコピーになる

 最もわかりやすく、強力な利用方法。《倦怠の宝珠》系カードがなくても「使い切りの《ファイレクシアン・ドレッドノート》専用《もみ消し》」が土地に用意できたことは非常に大きい。もちろん《倦怠の宝珠》系カードが出ていれば、《ファイレクシアン・ドレッドノート》を複数体作り出したり、《ルーンの母》がいない場合でも除去をケアすることもできる。

2-2.色マナを供給する

 コピー能力にばかり目を奪われがちだが、この土地はマナフィルター能力を持っている。3枚採用を即決できたのはこの能力によるところが大きい。
これまでのデスノートは色マナ供給源が少なく、かなりタイトなマナ戦略を強いられることもままあった。ところが《マイコシンスの庭》のマナフィルター能力により安定して白マナが供給できるようになり、《平地》を1枚減らしたにもかかわらず白マナ供給源が増えたことで、デッキの安定性が向上した。また、このデッキは《古の墳墓》を採用しており、フィルター能力を使ってもテンポ損しにくい点も良相性である。

2-3.ドレッドノート以外のコピーになる

 特に《霊気の薬瓶》のコピーになることが多い。デスノートは《ウルザの物語》や《不毛の大地》を使用する都合で土地が減りやすく、クリーチャーが手札にダブつくこともままある。また、《霊気の薬瓶》に3つ以上カウンターを乗せてしまうと、その薬瓶から出せるクリーチャーは極端に少なくなってしまう。こういった場合に《霊気の薬瓶》のコピーになることで、テンポよくクリーチャーを展開していくことができる。

3.《庭》以外の新規採用カード

 《マイコシンスの庭》以外にも、新規採用されたカードとして《孤独》《虹色の終焉》がある。

英語名を見るたび、ヨスガ〇ソラを思い出す
MH2の13番目の忌み子(弊社調べ)

 《孤独》はデッキコンセプトに反することから検討してもいなかったが、デッキコンセプトに反するどころか「0マナ《剣を鋤に》」と「0/3/2瞬速絆魂」を使い分けられることに気づき、採用したカードである。主にクリーチャー主体の高速コンボデッキ(スニークショーやリアニメイトなど)への除去札だが、それ以外のデッキには状況に合わせてクリーチャーとしても使用する。ゲームプランの組み立てが難しくなるものの、プレイングでカバーできると判断した。
 《虹色の終焉》はURデルバーや《虚空の杯》などの対処を目的としている。「《マイコシンスの庭》あるから収斂2以上で打てるじゃん!」と考えたが、そんな機会はなかった(今のところ)。とはいえ、特にURデルバー相手に追加の1マナ除去があることの意義は大きい。

4.採用されなかったカードたち

 新規採用されるカードもあれば、解雇されるカードもある。

《大変動》
 対低速デッキのサイドボード要員だったが、そもそも低速デッキが環境から駆逐されてしまったため、ついに解雇。いつか帰ってくることもあるかもしれない。

《悟りの教示者》
 もともと「ドレッドノートコンボ」と「ヘリオッドバリスタ」を使い分けるために採用されていたが、ヘリオッドバリスタ自体の解雇と、《ウルザの物語》により安定して《ファイレクシアン・ドレッドノート》をサーチできるようになったことで、単体での弱さが目立つようになったため解雇。

5.マジックの醍醐味

 ONE発売後の1週間で、上記リストにて平日大会4回3-0できたため、上記リストはかなり自信を持っている。残念ながら直近では大きなレガシーの大会はないが、「遠征に持ち込んでもいい」「MOを始めてこのデッキを回してみようか」と思えるほどにはなっている。
 いま私は、マジックの醍醐味を味わっているのだと思う。オリジナルデッキを作り、それで大会を駆け抜ける快感を。この歓びを味わい続けられる限り、私はこのゲームから離れられないのだろう。マジックのメタゲームのすそ野を、わずかでも広げることができれば幸いである。

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