デスノート遠征記(2023 Asia Legacy Championship)

1.概要

 2023年11月25日に開催された「2023 Asia Legacy Championship」に、デスノートを持ち込んで参加した。
 最終成績は4勝2敗ドロップ。本記事では、この大会の振り返りを行う。

2.メタゲーム想定

 メタゲームは以下のような予想をしていた。

  • フェアデッキ7割、アンフェアデッキ3割

  • フェアデッキのうち、デルバー系3割、豆の木コン3割、WRイニシアチブ2割、UBスキャム1割、その他1割

  • アンフェアデッキのうち、スニークショー3割、ストーム系2割、赤単プリズン1割、その他4割

3.デッキリスト

 上記メタゲーム想定の上で、下記のデッキリストを使用した。

デスノート | デス&タックス | レガシー | デッキ構築機能 (hareruyamtg.com)

 以前のリストからの変更点は、下記の通りだ。

1.《トカートリの儀仗兵》の完全解雇と《厳しい試験官》の採用

 以前は2枚採用していた《トカートリの儀仗兵》は解雇し、《厳しい試験官》を1枚採用した。これによりCIP封じのカードは6枚に減少したが、これが《ドレッドノート》を安定して着地させられる最低枚数だと感じている。《厳しい試験官》の採用理由は豆の木コン対策で、《豆の木を登れ》《力線の束縛》への耐性を上げる意図がある。ただし、ピッチエレメンタルサイクルや《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などへの耐性が下がり、《精霊界との接触》《忘却の輪》が使いづらくなる懸念から、採用は1枚に抑えた。

2.土地比率の変更

 《不毛の大地》《リシャーダの港》《マイコシンスの庭》の採用枚数を3-3-3から4-1-4とした。これは以下の理由による。
 ・《不毛の大地》が強く、《リシャーダの港》が弱い環境になった
 ・多色カードの採用を決めた
豆の木コントロールの弱点である「序盤の不安定性」を突くため、《不毛の大地》を4枚に戻した。一方、《リシャーダの港》は《ロリアンの発見》を相手に促してしまうため弱体化している。1枚残しにしたのは、マナ拘束のための土地を《不毛の大地》4枚のみとすることに抵抗があったためである。
 《マイコシンスの庭》を4枚に増やしたのは、サイドボードに《ガドック・ティーグ》を採用したためである。このキスキンは豆の木コントロールのキラーカードで、《豆の木を登れ》をほぼ無効化するだけでなく、《虹色の終焉》《力線の束縛》への耐性があり、さらに強烈なフィニッシャー《進め!エオルの家の子よ!》も止めてくれる。他にも様々なデッキへの対策となるが、唯一の問題は多色であることだ。しかしこのデッキは安定して《霊気の薬瓶》を出せるし、《マイコシンスの庭》があれば3ターン目にキャストすることも可能だ。そのため、《マイコシンスの庭》は4枚とした。

4.ゲーム内容

R1 5C豆の木コントロール ×○○

G1 引きが芳しくなく事故ったデスタクムーブしかできず負け。しかし、《ドレッドノート》の気配は完全に隠蔽することに成功。
G2 1T《物語》2T《墳墓》の動きで《薬瓶》を設置しつつ相手に《終末》を切らせることに成功。《母》2体が《ドレッドノート》を守って勝ち。
G3 1T《墳墓》→《薬瓶》×2、2T《宝珠》、さらに《ドラゴン》サイクリングで《平地》を確保。《サリア》に除去を切らせて《ドレッドノート》を残せて勝ち。
 なお、相手は《剣鋤》《終焉》をそれぞれ持っていたものの、こちらの《庭》構えを見落とし、《サリア》《ドレッドノート》にそれぞれ撃ってしまったために《庭》(ドレノ)が残ってしまった。相手のミスに助けられた形となった。

R2 UBスキャム ○○

G1 《悲嘆》《カザド=ドゥームのトロール》を釣られて攻め立てられるも、《物語》がトークン2体と《ドレッドノート》を供給し、《母》も着地して守りに成功。《再活性》を2枚撃って減ったライフを《ドレッドノート》が吹き飛ばして勝ち。
G2 《不毛》*2《薬瓶》の初手だが、ハンデス連打される相手なのでキープ。案の定ハンデスされるも《外科的》が残って相手のリアニプランを潰す。《宝珠》《母》が駆けつけて《ドレッドノート》も着地。相手は仕方なく《偉大なる統一者、アトラクサ》《トロール》を釣るが、こちらは手札に《剣鋤》*2+《ドレノ》があり、裏目しても立て直せるため《母》が《ドレッドノート》にプロ黒つけて勝ち。

R3 黒単ストーム ×○×

ま た お 前 か (日本選手権夏でもR3で黒単ストームに当たって負け)

G1 《ドレッドノート》着地するも《冥府の教示者》トップされて負け。
G2 1T《虚空の杯》X=0、2T《サリア》で相手が投了。
G3 初手《石のような静寂》《ガドック》でキープするも《思考囲い》で《石静寂》を落とされ、3T《巣穴》でトークン12体出されて負け。
 ハンデスがなければ2T《石静寂》で勝てるし、3T《ガドック》でも良いと踏んでキープしたが、《杯》+対策札2枚でマリガンしなければならないのだろうか?流石に要求値が高すぎる気がする。

R4 RUG続唱 ×○○ 

G1 先攻1T続唱される。お願い《ドレッドノート》も《意志の力》で消されて負け。
G2 1T《杯》X=0+《耳静寂》で相手が投了。
G3 先攻2T続唱されるも《剣鋤》3枚で対処(1枚は消された)。こちらも《母》《サリア》《静寂をもたらすもの》《ドレッドノート》を投入。相手はさらに2枚目の続唱+《活性の力》で《ドレッドノート》を対処されるが、負けじと《セラの模範》で蘇生。《ミンスク》にライフを詰められ後手気味になるものの、《模範》が墓地の《不毛》を2点ゲインに変えてくれて勝ち。
 しかし、《剣鋤》が通るかわからない状態(このターンに追加の《剣鋤》を撃ちたい可能性がある状態)で、不要な《目くらまし》警戒で《庭》ではなく《物語》をプレイしてしまうなど、プレミの危険性が見え始める。

R5 8Cast(豆+グラインドストーン採用型) ×○○

G1 《ドレッドノート》を消されて相手の《物語》トークンが止まらず負け。しかし相手が見せた《絵描きの召使い》によりペインターグラインドストーン採用であることが分かる。
G2 《石静寂》《サリア》で相手が投了。
G3 1マリガンして1T《物語》《薬瓶》2T《墳墓》の動き。攻め手は十分なので《物語》で《針》をサーチして《丸砥石》指定。手札から《サリア》《模範》が畳みかけて勝ち。
 しかしここでも、マリガン時に《静寂をもたらすもの》ではなく《試験官》を戻してしまうプレミ。《静寂をもたらすもの》は確実に《湖に潜む者、エムリー》《思考の監視者》を止められるが、《物語》《墳墓》でゲームをする場合、より怖いのはアンブロ付与される《河童の砲手》である。非クリーチャーのアーティファクト着地による《砲手》の誘発は《静寂をもたらすもの》では止まらないため、《物語》《墳墓》でライフを削っていた場合に負け筋となる。一方、《試験官》は《砲手》誘発をかなり遅延させることができる。結果的にミスにはならなかったが、負け筋をケアするのであれば《静寂》戻しの《試験官》キープが正解だった。

R6 RBペインター ○××

G1 《静寂をもたらすもの》が《ゴブリンの技師》のサーチを妨害して相手のプランを狂わせる。《丸砥石》を警戒しながら進めたため、ややロングゲームになったものの《ドレッドノート》が着地して勝ち。
G2 初見のカード《ケイオス・ディファイラー》に大暴れされる。《静寂をもたらすもの》で無効化できるのだがこれを引けず、《剣鋤》で対処したころには盤面が崩壊しており、《鏡割りの寓話》で押し込まれて負け。
G3 《静寂をもたらすもの》がいるにもかかわらず《ゴブリンの技師》に《精霊界との接触》を撃ってしまうプレミ。この時手札に《孤独》があったため、《静寂をもたらすもの》で遅延しつつ除去されたら《孤独》ブリンクで巻き返すプランが正解だったが、「《静寂》がいる以上《孤独》ブリンクプランは取れない」と判断して除去として使ってしまった。結局、《静寂》は残り続けたが《寓話》2枚に大量のトークンを作られ負け。途中の攻防で《静寂》をチャンプブロックで処理して《孤独》ブリンクで《寓話》(《キキジキの鏡像》)を対処する手もあったため、判断ミスが招いた敗北と言える。

5.反省

5-1.プレイング

 今回はプレイミスにより敗退となった。体調は悪くなかったものの、R4あたりからミスが目立ち始め、R5終了時には手が震えるなど、しっかり管理できていなかったと思われる。また、RBペインター戦は経験値が少なく、サイドチェンジにかなり苦心した。より多くの経験を積む必要があると感じる。

5-2.メタゲーム読み

 前回の反省を生かし「デルバーや豆の木コントロールは最大勢力だろうが、多種多様なデッキと当たる前提で行こう」と考えており、また正解だったと言える。

5-3.デッキ選択

 前回同様「デスノートを世に知らしめる」目的で参加していたため、デスノートを使うことは前提だった。リストはかなり洗練されたと自負しており、構築については一片の悔いもない。

6.終わりに

 デッキの完成度には満足しているだけに、自分のプレイミスで4-2ドロップとなってしまい、悔しさが残る結果となった。また、様々なデッキとの対戦経験の乏しさが出たと思っている。これを克服するもっともよい方法はMOだろうか。このデッキをもっと発展させていくために、私に足りないものを突き付けられた大会となった。

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