見出し画像

球速アップのためのウエイトトレーニングの考え方(瞬発力/最大筋力/筋肥大)

ただ闇雲にトレーニングして球速上がるパターンもありますが、球速が上がれば上がるほど、その様なやり方で球速を上げることは難しくなっていきます。

120キロだった人が、とりあえずがむしゃらにトレーニングしたら130キロになりました、みたいなことは意外とあったりするんですが、140,150クラスになってくるとそれでは通用しないことが多いです。

また、筋トレを全くやってなかった人がやってみたら球速上がったというのも結構ありますが、それなりにトレーニングを積んだ人だと、ただ頑張ったくらいで球速を伸ばすのは難しいです。

筋トレって、単純に重さを追求したり、筋肉大きくしたり、というイメージもありますが、やはり考えて取り組まないとなかなか成果は出ません。

ウエイトトレーニングを球速アップに繋がるためには、まず、ピッチングという動作について考える必要があります。

(今回は筋力発揮に焦点を置いてるので、モビリティ/メカニクスなどは無視します)

ピッチングは一瞬でパワーを発揮するもので、その一瞬のパワーが大きいほど球速は速くなります。ウエイトトレーニングでいえば、瞬発的なトレーニング、スピード系のトレーニングが密接に関わってきます。

なので...

スクワットを200kg挙げました。
デッドリフト250kg挙げました。
ベンチプレスを100kg挙げました。

うん。だから何?ってなります。

それで結局あなた何キロ出るんですか?って話になるわけです。それで140,150出ていれば多少なりとも効果は出てるということになると思いますが、130程度ですってなるとその重量挙げられても意味ないじゃんって感じになります。

ピッチングは一瞬で大きな力を発揮することで速い球を投げられます。高重力のウエイトトレーニングのようなゆっくり力を発揮する動作ではありません。高重量ウエイトは「直接的には」球速にはプラスに働きません。むしろ、そのゆっくりとした動きに身体が慣れてしまうと投球に必要な瞬発力が落ちる可能性があります。

高重量ウエイトは
「直接的には」球速にプラスに影響はしませんが
「間接的には」プラスに影響します
こちらは後ほど説明します。


球速に密接に関係するのは瞬発力です。

代表的なものといったらハイクリーンがあります。ケガのリスクもあるのでキャッチまではしなくても良いと思います。とにかく一瞬で力を出すトレーニングが重要です。
スクワットやデッドリフト、ベンチプレスは、重さを軽く(最大筋力の30%が良いと言われている)してできるだけ速く挙げてください。
こういったトレーニングが球速を上げるためには必要です。


後ほど触れるといった高重量ウエイトについてです。瞬発力が重要ではありますが、高重量ウエイトも重要です。言い方を少し変えて、最大筋力とします。

例えば、とある2人(AさんとBさんとします)がスピードスクワットを50kgで行なうとしましょう。

Aさんはスクワットの1RMが200kg。
Bさんはスクワットの1RMが100kg。

どちらの方が、スピードスクワットをより速く行えるでしょうか?
極端ですが分かると思います。

Aさんの方がより速くバーベルを挙げられます。正確にいうと、より速く挙げられる可能性が非常に高いです。(もしBさんがスピード系が物凄く得意だとBさんの方が速いという可能性もあるので...。ですが、99%、Aさんの方が速いと考えてもらって大丈夫です。)

要するに、最大筋力が高いほど、爆発力も高くなる傾向があるということです。

最大筋力を上げることで、球速のキーとなる爆発力が向上する可能性が高くなります。

そして当然ですが、最大筋力は筋肉量が多いほど高くなる傾向があるので、筋肉を大きくするトレーニング、筋肥大トレーニングによって最大筋力を高めていくことも考える必要があります。

ピッチングは、硬球であれば、約140-148gの軽いボールを投げるわけです。この軽いものに対して一瞬の爆発力でパワーを伝えることが極めて大事なのです。もし、球速(km/h)ではなく、投げられる球の重さ(kg)を競うのであれば、最大筋力トレーニングや筋肥大トレーニングを繰り返していれば良いわけですが、一瞬で大きな力を発揮することが求められるので、ピッチャーのウエイトトレーニングの1つの方向性は、爆発力やスピードを向上させるために行うということになります。

ピッチャーの筋力アップのためのウエイトトレーニングの1つの流れとしてはこうなります。

球速アップ

瞬発力up

最大筋力で爆発力の限界値up

筋肥大で最大筋力の限界値up

これはあくまで基本形です。当然、人によってプログラミングしていく必要があります。

例えば...
最大筋力が非常に高まったのであれば、最大筋力トレーニングは維持程度に抑えて、爆発力トレーニングに特化して行う。
そもそもの筋力がないなら、最大筋力アップをする。
筋肉量が足りてないなら筋肥大を図る。

そこは、人によって変わります。


元から瞬発力に長けてる人であれば、最大筋力上げたら球速上がることもあります。瞬発的発揮が元々得意なので、最大筋力を高めてから、それを瞬発力発揮に転換する手間がいらないからです。

筋肥大についても同じことが言えます。身体は細いけど、瞬発力や最大筋力系が強い人だったら、身体大きくしただけで、球速が伸びる可能性はあります。

本当に人それぞれなので、こうするべきというものは提示出来ないのですが、基本的な考え方は前述した流れで問題ありません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?