かなしい

同棲をやめるかもしれない。自分が結婚を希望しているけど、彼は結婚を希望していないからだ。

同棲前に「結婚するつもりで一緒に住もうね」という口約束をしていたし、親への挨拶も行ったから、てっきり結婚するものとばかり思っていた。同棲は結婚前の予行演習だな、と思っていた。でも、けっきょく結婚はしないことになった。

結婚しないことが決まった時点で、同棲をストップすればよかった。私がずっと彼のために待つスタンスになってしまうことは、ちりつもでストレスになった。

「彼が好きだから、結婚したくなるまで待つ!」と思っていたけど、そんな綺麗事を貫けるほど、自分は綺麗な人間ではなかった。彼のことが好き、という気持ちばかり注視してしまった。「結婚という形で、一生一緒にいる約束をしてほしい」という自分の気持ちを無視し続けてしまった。

同棲をはじめるにあたって色んな記事をGoogleで調べたときに、「同棲すると結婚が遠のくの? そうなる人がいるだけだろうな」と楽観的に考えていた。結婚の約束を取り付けていたから大丈夫だろう、と漠然と考えていた。

同棲して生活がうまくいくと「現状で満足しているのに、何故満足している状態を壊す必要があるのだろうか」と思ってしまう。この状態を壊して、ひとりぼっちの状態に戻って孤独感に苛まれるくらいならば、いま人といて寂しくなく満たされる生活を維持したい…と思ってしまった。

これが俗に言う「同棲をズルズルしてしまって、結婚のタイミングを逃す」という構図そのままなのだろうなぁと思った。ズルズルしてしまう事で、本当は改善したい現状を直視せず「今が楽しいから大丈夫♪」と、先延ばしにしてしまうことを学習した。違和感を感じたら、その時点で違和感への対処を行わないと、永遠に問題は解決しない。

”結婚前提の同棲”というのは軽い口約束ではなく、双方の親を呼んで「結婚しますのでよろしく」と挨拶して、反故にするとめちゃくちゃ面倒にしておくことなのだなと思った。もし、両家顔合わせなどをしっかり行った上で同棲していれば、よほど強い断り理由がなければ結婚することになる。

結婚前提で同棲する場合、今が快適だから”結婚”となる。その辺が曖昧な状態で同棲する場合、今が快適だから”結婚とかしないで現状維持”となる。もし結婚へこだわりがあるならば、その辺の脇固めをしっかり行っておくほうが良いのだろうなぁと思った。

ただ、今回に関しては、仮に両家顔合わせを行なった上で結婚前提だったとしても「やはり結婚は無しにしてほしい」と彼から申し出ていたと思う。そうなったら婚約破棄になって揉めて、疎遠になって終了していたのかもしれないなと思う。そうなるくらいなら、今みたいに彼との関係が維持されている方が良いなと思ってしまった。

彼と別れたとしても、彼のことは大好きだ。幸せになってほしい。彼の好きなことをたくさん行って、自分の人生を明るく彩ってほしい。そして結婚したくなったタイミングで、目の前に素敵な女性がパッと現れて、その人とスピード婚したとしても仕方ないかなと思った。

本当はそのタイミングで「待ちわびたよ〜!も〜!結婚しようね」と笑顔で言いたかった。しかし、タイミングはそう都合よく訪れないだろうから、これはこれでご縁なのだろうなと思った。勝手にタイミングを合わせようとして「なんで結婚してくれないの!あなたのために待ってるのに!」と悲劇のヒロインぶられても、彼も困ってしまうだろうから。

あなたのために待っている、なんて言いそうになる自分がおかしい。あなたのためではなく自分のためなのにね。彼を使って自己実現しようとする自分の醜さも、一緒に発見してしまった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?