お別れ会

同棲の終わりの節目として、ちょっと高めのご飯を食べた。

一緒に携帯の写真を見返して、いろんな思い出を振り返った。同棲開始前に部屋を探すとき、内見で撮影した部屋の候補たち。親へ同棲の挨拶したときの、いつになくピシッとした服装をしたふたり。引越し後、周辺の飲食店を開拓してはご飯の写真を撮影していたり。

生活に慣れてきたあたりから、パジャマで変顔をした写真がどんどん増えた。部屋でリラックスして、お互いの素の状態でいられる時間が増えたんだなぁという感じがした。歌のハモリやら、コントをしたいのか本気なのか分からない奇声をあげて遊んでいる動画もあった。同棲解消の話し合いで、泣きすぎて顔がまっかになった状態を面白がり、彼がけたけたしながら撮影した号泣顔写真もあった。

外へお出かけしたときにふたりで撮った写真もあった。たくさん出掛けて、その度にたくさん撮影していた。もともと写真を撮る習慣がなく「出掛けているのに写真ばかり撮ったら、目の前のことが楽しめないんじゃない?」と思っていた。でも、彼との外出ではたくさん、それはたくさん、写真を撮っていた。びっくりするくらいリラックスして、ふたりでニコニコしている写真がたくさんあった。

すべて懐かしく、ふたりで過ごしてきた思い出がたくさんあることを感じた。別れを決めたから後ろを振り返らずに進んだほうが良い、と頭では分かっている。それでも、思い出が美化されているのだろうけど、とても楽しかったし大好きだった。

彼と一緒にいると、心の奥底の深い部分の渇きのようなものが、満たされるような気持ちだった。写真越しに見える過去の自分の表情の柔和さが、それを物語っていた。

同棲、楽しかったなぁ。ご飯も美味しかった。

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