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お父さんのためのワイドショー講座 - 統一教会をめぐる話題は1992年(年間ベストテン)第1位、総放送時間は75時間5分48秒(TBS・ブロードキャスター)

1989年(平成元年)12月29日の大納会で史上最高(38,915円87銭)の終値をつけた日経平均株価指数が翌年初から下がり始め、2~3年後にはバブル経済の崩壊が本格化し、日本は失われた30年間に突入しますが、2022年7月8日に奈良市内で銃撃事件が発生するまで、旧統一教会に係る様々な問題が失われた30年間に迷い込んでいたことを知る人は殆どいませんでした。

読者や視聴者の興味は移ろいやすく、一時はあれほど報道が過熱した知床遊覧船の海難事故がマスメディアで取り上げられることも少なくなりました。ウクライナにおける戦闘が止まない限り、本年末に2022年を振り返ると、民放テレビ各局のワイドショーが最も放送時間を割いた話題はウクライナとロシアの戦争になりそうですが、旧統一教会に関する話題もベストテン上位に入りそうです。

実際、失われた30年間に迷い込む前の1992年、TBSの報道情報番組「情熱ワイド!ブロードキャスター」(土曜・午後10時~)の名物コーナー「お父さんのためのワイドショー講座」の年間ベストテン第1位は統一教会(世界基督教統一神霊協会)をめぐる話題で、総放送時間は75時間5分48秒でした。

2019年4月27日(土)午後9時から放送された「ニュースキャスター 平成最後の拡大SP! 今夜復活! お父さんの平成ワイドショー講座」の中で復活した「お父さんのためのワイドショー講座」では、ブロードキャスターと情報7DAYS ニュースキャスター、合わせて約30年間の放送に基づいて平成ニュース・ランキングが発表されました。統一教会に関する話題は第8位でした。

YouTube 等に当時のワイドショーの映像は見当たりませんでしたが、統一教会の合同結婚式について報道したNHK ニュース(平成4年 1992年8月25日 午後7時)の映像が保存されていました。初期のオウム真理教(空中浮遊や選挙活動の頃)に関する報道と同様に(驚くほど)のどかな内容です。

明石 勇 アナウンサー

(ついでに、1992年3月14日には(2012年に)既に引退した新幹線300系電車の営業運転が始まり、1992年4月25日には尾崎豊が亡くなりました。尚、池上さんの『週刊こどもニュース』はNHK総合テレビで1994年4月10日に始まったので、30年前も(おそらく、在京キー局やスポンサーの諸事情により)現在も、旧統一教会に関する「詳細な」池上解説が地上波で放送されたことはありません。)

それほど関心を集めたにもかかわらず、その後、武装したオウム真理教が数々の重大事件を引き起こし破局へと向かう中、読者や視聴者の旧統一教会に対する興味は急激に薄れていきました。

失われた30年間に拡大した被害は甚大で、40年も前に下されたシンガポールの英断に倣っても容易に回復することはできないかもしれませんが、自民党も(創価学会に支えられた)公明党も殆どやる気はなさそうなので、例えば、もし台湾海峡で有事が発生すれば、旧統一教会に係る様々な問題は更なる失われた30年間に迷い込むかもしれません。


ワイドショー92年間ベスト10 お茶の間の“顔”は「統一協会」

1992.12.24 産経新聞 東京朝刊 13頁 第3社会

毎週、民放テレビ各局のワイドショーでどの話題がどれだけの時間取り上げられたかをランキングにして放送しているTBS系報道情報番組「情熱ワイド!ブロードキャスター」(土曜後10・00)のコーナー、「お父さんのためのワイドショー講座」。このほど、年間の話題別ベストテンをまとめ、番組中で発表した。それによると、第一位は桜田淳子さん、山崎浩子さんらの参加で注目を集めた合同結婚式など統一教会(世界基督教統一神霊協会)をめぐる話題で、総放送時間は七十五時間五分四十八秒だった。今年は、宗教団体の話題と英国王室や日本の政治家のスキャンダルが茶の間をにぎわした一年。こうしたデータは、テレビメディアに関するさまざまな調査を行っているニホンモニター(東京・芝浦)が提供している。

「お父さんのためのワイドショー講座」が十九日、発表した年間ランキングベストテンは別表の通り。民放各局のワイドショー・スタッフが日々、スクープ合戦にしのぎを削り、毎回の視聴率をもとに、いかに茶の間の主婦の関心を引くかを競っているワイドショー。この順位は一般の人たちが、どの話題で“盛り上がっていたか”を直接示す一つの指標と見ることができる。

第一位の統一教会関連では、春に、新体操の元五輪選手、山崎浩子さんの入信発覚以来、夏の韓国での合同結婚式まで話題続出。その後も、女優・桜田淳子さん夫婦の不仲説、作家でタレントの飯星景子さんの入信、脱会騒動と、年間を通じて話題を提供した。

宗教団体関係では、十位に“フリーセックス礼賛”として話題を呼んだ「愛の家族」も登場。一昨年来のオウム真理教や創価学会など、相変わらず、宗教にまつわる話題が多かったのも今年の特徴だった。

二位の主役は、角界のプリンス貴花田関。二度の優勝に加え、スーパーアイドル、宮沢りえさんとの電撃婚約で、一部の“やっかみ”を含めて明るいニュースを提供した。

そのほか、バルセロナ五輪や、きんさん、ぎんさんなどの明るい話題の半面、英国のダイアナ妃夫妻をめぐる不倫、別居騒ぎ、東京佐川急便事件による政界の乱れなども視聴者の関心や怒りなどを集めた。

こうしたデータの集計方法は、在京民放五局が現在放送中の「モーニングEYE」(TBS)、「おはようナイスデイ」(フジテレビ)、「モーニングショー」(テレビ朝日)など七番組を対象に、毎週月曜から金曜まで、話題別に総放送時間を秒単位で算出。年間ランキングはそのトータルに、さまざまな要素を加味して作られた。

さて、この年間ランキングだけでなく、毎週のデータをはじき出しているのは、ニホンモニターという民間の調査会社だ。

ニホンモニターは、東京オリンピックの昭和三十九年、発足した。当時、テレビにCMを流すスポンサーから、「大金を払ったはいいが、本当に契約分、放送されているのか」といった問い合わせが多かったことに、創業者が着目。テレビメディア専門の調査会社第一号として誕生した。

同社は創業三十周年を間もなく迎える現在、コンピューターシステムの導入で、調査範囲はCMやワイドショー調査のほか、ニュース報道、スポーツ、伝統行事、各種イベント、あるいは、人物別の露出度まで、多岐にわたっている。

膨大にして詳細なデータを時々刻々と蓄積する一方で、必要な情報を瞬時に引き出し、一般企業にとって、情報戦略、企画立案、報告書の作成にと幅広く利用されている、という。



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