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地味深い味わい

その季節・その季節で「また来年」と、お別れをする食材達がある。天然物や路地物で育った葉物・根菜類・天然茸達だ。

その中でも、溢れ種から育ったアブラナや自生している蓬・ノビル・井戸草・ミントと言った普段脇役や、見向きもされなかったりそんな食材達を好んで調理する。

何故好きなのか?それは、地味深いからだ。

恵まれた環境とは決して言えないような場所にも、草達に負けじと成長している様は、なんとも神々しく見えてしまう。

地味深い味とは→地に足のついた味。地に根を張った味。そんな風に僕は考えている。

その地で産まれた食材、食材を育てる者、その食材を扱い料理する者。どれも地に足をつけ根を深くまで張った者達だけが到達出来る味わいだと強く信じている。

今盛りのこのアブラナ。土によって風味から風貌から全く違う、今だけの味わい。

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