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『画中人』のメタネタの擦り方が気持ちよかったなってメモ

 タイトルのまんま。アークナイツイベント『画中人』のメタネタの擦り方が凄く良かったので省エネ感想書く。


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 ある種の「我々は所詮絵巻物の存在に過ぎない」という気付き、ないし諧謔や皮肉といった趣で語られるシーの言葉だが、その実、後半で語られるニェンの言葉から「ニェンやシーといった兄弟姉妹はかつて炎国に存在した神が己を分割した化身である」「彼女達の自我は本体たる神の分割、眠りによって担保されている」「吹けば飛ぶような仮初の自我を持つ彼女達こそ“画中人”そのものである」といった事情が明かされる。

 この「第四の壁系のネタを擦ってたと思ったら差し迫った実存の問題だった」というシームレスな意味の変容がめちゃくちゃ気持ちよく決まってて、短いながらも印象深いストーリーに仕上がっててめっちゃ感心した。

 レイは「どうしてシーは意地悪ばかりをするのか」という疑問を呈するが、あれはある種のラフメイカー構文というか、湖面の月をも救おうとする者が再び現れることを諦めきれなかったのだと思う。本人は決して認めないし、無意識ですらあると思うが、かつて会った僧の中に見た祈りにもう一度救われたかった。その願いは僧の意思を継ぐ者と、お節介で騒々しい姉の乱入で遂げられる事と相成った。


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 サガの圧倒的な悟性、半ば永遠を生きるかのようにすら思えるかの一族に対してすら全く物怖じしない心の有り様は作中の今まで全ての人物と比べてすら特異極まりない物だと思える。多分コシチェイ伯爵とかは、サガのこと一番苦手というか嫌いそうだなって思う。その一方で

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 今回一番の英雄の相というか、ロドスの持っている荒唐無稽な思想をシーの元に届けられたのは実はクルースなんじゃないかってちょっとだけ思う。彼らは大地の理不尽に不退転を以って挑むドンキホーテの群れであって、そこにある種の効率性や理性の入り込む余地は、実はかなり少ない。馬鹿馬鹿しい理想主義を忘れないように自己を律していた彼女は、サガほどでは無いにせよかなりスゴい娘なんじゃないか?って評価を改めた。あと太ももが眩しい……


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まあ一番は勿論推しなのですが。今回も無職のくせにカッコ良かったよ……!!

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