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終着駅の車窓からーAC版ボーダーブレイクサービス終了に寄せて

 9月9日、26時。アーケードで10年間の長きにわたり、戦場を提供してきたアーケード版ボーダーブレイクが、その歴史に遂に幕を降ろした。

https://note.mu/dobostorta/n/n1874d1763d90

 語るべきことはこちらで大体語り尽くしてしまった。俺が述べるべきはただ感謝のみである。このゲームをデザインし、試行錯誤し、運営してくれた人々。俺と出会って、仲良くしてくれたり、あるいは反目しあってくれた人々。10年という歴史を共有してくれてありがとう。しっかりと知り合った人達も、すれ違った程度だった人達も。“ボーダーブレイク”という列車を構成してくれた大事な人々だ。


 ここ最近は、仕事終わりに3試合だけやるのが限界だった。毎日、惜しむように筐体の前に立った。8日は荒天によりゲームセンターは8時閉店で、おれはその不満を9日にぶつけた。9時間以上ぶっ続けでボダをやったのは久々だったかもしれない。


全国対戦で沢山の“久しぶり”と出会い


久々の対抗戦、ガッツリと4タテを決められ悔しがり


クラングループを利用したオープンクラン戦でびっくりするくらい熱くなった。何?どの試合も負けてる?うるせぇ、俺は弱いんだ。


 そう。認めてしまうけど俺は弱い。俺はこのゲームで誰よりも強くなれなかったし、誰より熱くもなれなかった。ただ、10年という短くない時間、間違いなく続けていた。そしてこの世界に支えられていたという事実、これだけは揺るぎない。


 池袋ギーゴを後にして、俺は帰宅中にTwitterを眺めた。沢山の人がこのゲームと別れを惜しんでいるのを見て、少しだけホッとした。俺だけではないのだ。僕らは終点に辿り着き、10年間という距離を運んでくれた列車と別れなくてはならない。車窓から見える景色がひどく不安で、俺は俺がボーダーブレイクに預けていた体重を、今更理解する。立ち上がり、列車を降りる。

駅員に切符を渡す。俺が「ありがとう」と言うと、彼は少し笑ってくれた。俺は笑えているだろうか。それとも、今の胸の内を隠しきれないでいるだろうか。


“旅が終わる。だけど日々は終わらない”

 漫画 トライガンマキシマムのこんな台詞が頭から離れない。俺の愛した日々がタフなものであったとは思わない。だけど、少なくとも優しく愛しい日々だったことは確かだと、俺は胸を張って言う。ボーダーブレイク、生まれてきてくれてありがとう。



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