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子どもたちが勉強嫌いになる理由を子どもたちとの関わりから考えてみた話

「なんでこんなに勉強が嫌いな子どもが増えてしまったのか?」

勉強嫌いな子どもたち、勉強できないと思い込んでいる子どもたちと出会うことが多いので、しばしばこの問いを考える。

これから書くのは、私が知りたかったことの答えがバッチリ書かれていた!という本の紹介だが、その前に、まず私がなぜこの問いをするようになったのかについて述べたい。

子どもが勉強を嫌う理由ってなんだと思いますか?


私はフリースクールを運営しているのだけど、今やっている活動内容と、最初に想定していたものがかなり違っている。それは、子どもたちが私が思っている以上に、「勉強が嫌い!」というのを全力で出してくるからだ。

最初のイメージでは、子どもたちが社会でその子らしく生きていくために、「その子のスタイルに合った学び」や「自立に必要な学び」を提供できる場所になると考えていた。

なぜなら、私自身が子育てを通じて、学び方が違う子どもがいることや、学校の勉強を補うためのサポートが必要だと感じていたからだ。適切な補足があれば、学びが楽になるのに、それがなくて困っている子どもや、学習から遠ざかってしまう子が多い。

今やっている活動では、もっともっと、机上での教科学習に難なく取り組めるようにすることを考えていた。

しかし、実際に活動してみると、「学校の勉強はしたくない!」と思っている子どもが非常に多い。

一方で、学校の勉強をさせたいと考える保護者が多いことにも気づかされる。これは私も親としてすごく共感できる点だ。

共感できるのだが、無理に勉強をやらせようとするほど、子どもは勉強を嫌いになる!と今では確信している。

そのため、「無理強いはしないほうがいい」と本気で思っており、学習の前段階の体験のための遊びをメインの活動にしている。
フリースクール「いろいろダネ」に通う保護者たちにもそのように伝えている。私が運営するフリースクール「マナビダネ」の保護者たちにもそのように伝えている。

#勉強が嫌いな子どもがダメなのではない
#子どもの将来を思えばこその親心だしね

とはいえ、学校の授業で学ぶことは、社会に出るために必要なことだと私も当たり前に思っている。

ここでいう「必要」とは、学習指導要領に書かれている内容が重要だという意味ではなく、勉強を通じて身につく力が必要だと考えているからだ。

だから、不登校をしている子どもこそ、この辺りの学びはしてほしいと思うことがいくつかある。将来、その子が何かを成し遂げたいと思ったとき、勉強で得た力が役に立つという信念もある。

なのに、目の前にいる子どもたちは、学びに向かう気力がない。気力がないどころか、全力で拒否する子もいる。

学びと勉強の違いを意識していますか?


さて、ここまでの文章に、「勉強」と「学び」という二つの言葉が混在しているが、この違いを意識して使っているだろうか?

私もなんとなく使い分けしていたけれど、改めて考えると、両者の違いを理解していなかったことに気づいた。これは「『学び』から逃走する子どもたち」という本を読んで感じたことだ。

本の中で、「『学び』からの逃走を克服するためには、『勉強』から『学び』への転換を図る必要がある」と書かれていた。また、「『勉強からの逃走』は正解であり、勉強を拒絶している子どもも、実は学びには飢えている」とも述べられている。

さらに、本書では「勉強」と「学び」の違いについて詳しく解説されている。

私はこの説明の中で、「勉強」という言葉にはもともと「学習」という意味が含まれていなかった、という記述に驚いた。例えば、中国語の「勉強」には、①無理をすること、②無理を強いることの2つの意味しかない。そして、日本でも明治20年代に「学習」という意味で「勉強」が使われるようになるまで、中国語と同様の意味でしか使われていなかったというのだ。

ちなみに、商売で使われる「勉強しときます」という表現は、「これ以上はまけられません」という意味だそうだ。今では「勉強させていただきます」というと「値引きを考慮します」といった意味合いになっているが、これにも驚かされた。

勉強という言葉が選ばれた理由

その理由を、著者は次のように推測している。

「欧米文化に一辺倒だった明治の学校教育や受験のための学習には『無理がある』という意味で『勉強』という言葉が使われたのだろう。その『無理』がいつの間にか当たり前になってしまったのが、『勉強』に象徴される日本の学校文化だと思います。」

さらに本書では、勉強と学びの違いについての考察が続きますが、この本が出版された20年前の段階では、著者の持論はあるものの、定義が明確になっていない部分もあるようだ。

そこから続く課題提起は非常に鋭く、「なるほど!」と思わされる内容ばかりだ。実際にその課題を解決しようとする方向に進んでいる部分もあるが、まだまだ課題は残っている。本書で述べられている「学びから逃走する理由」に対処しない限り、根本的な解決は難しいということも理解できた。

長くなりすぎた&時間切れなので、本書で語られている「学びから逃走する理由」については、また別の機会にご紹介したい。

#本の全体像に触れられず申し訳ありません

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