見出し画像

阪急京都線に急行が復活

2022年12月17日の阪急ダイヤ改正は、「準特急」の誕生や京都本線に「急行」の復活など、ダイヤ形態そのものに大きな変化はなさそうですが、エポックメイキングなものとなりそうです。

急行消滅直前の頃(2007年2月2日 高槻市~水無瀬間)

新設される準特急は快速急行からの名称変更となり、2024年からの特急系統への座席指定サービスを見据えたものとのこと。そして京都本線で15年ぶりに復活する急行は現在の快速からの変更で新たに西京極にも停車。前回の急行とは性格が異なります。

桂で特急と急行の緩急接続(2007年2月2日 桂)
高槻市でも緩急接続する大阪方面(2007年2月2日高槻市)

40代の筆者にとって阪急京都線といえば京阪間ノンストップの6300系特急がフラッグシップとして存在し、沿線の速達種別として急行が設定されていると子供の頃からのインプットがあります。

それが特急の停車駅増加となった2001年改正で、高槻市以東が各駅停車となったのには驚きました。それまでの急行と同じ停車駅の快速急行が新設されますが、そちらは朝夕のみの設定となりました。

地下鉄堺筋線に直通するいわゆる「堺筋急行」も、朝の大阪方面は高槻市まで各停となったわけですが、夕方の京都方面は快速急行となり、それまでの利便性が保たれています。

朝の天下茶屋行き堺筋急行(2006年11月17日上牧)

2007年3月、現在のダイヤのベースとなる改正が行われました。2001年改正で消滅した準急の復活です。この準急は旧来の準急とは大きく異なり、停車駅に上新庄と南方の2駅を加えて急行を変更したものでした。ここで京都本線の急行は消滅します。

以後、16年近く急行不在の状態が続きますが、今回のダイヤ改正で快速の変更という形で急行が復活するわけです。おそらく快速からの変更ということで朝夕中心にはなるのだと思われますが、従来の急行に近い概念で京阪間においての速達種別として復活、感慨深いです。

一方で準特急に変更することで快速急行が消滅します。京都本線に限らず全線において適用されるようですので、阪急から快速急行が消滅することになります。京都本線においての快速急行は先述の通りですが、阪急としては神戸本線で1987年に新設されていますので、それ以来35年間使い続けた種別を失うことになります。

平日朝ラッシュ輸送につく快速急行(2006年11月17日上牧)
夕方の快速急行(2006年11月16日十三)

将来的には「座席指定サービスを行わない急行より速達の種別」として復活する可能性もゼロではないかもしれません。そんな快速急行ですが、2003年から3年間は宝塚本線で日中の主力として運行されていたことも、今となっては懐かしいですね。

快速急行が宝塚線の主力だった3年間(2006年9月9日 十三)

阪急が関西大手私鉄の中で唯一「快速急行のない事業者」となるまで、あと残り僅かです。

2022年11月1日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?