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株初心者向け株式投資手法まとめ②バリューファクター

◆はじめに◆

これまで数多くのエビデンスに基づく株式投資についてのnote記事を書いてきて、ご好評いただいております。

過去の記事を読み返してみると、ある程度株式投資の経験がある方ならなんとか理解できる内容だったかと思いますが、初心者には少しとっつきにくい内容になっていることに気づいたので、初心者向けに過去の内容をシンプルにまとめ直してみました。今回はシリーズ第2弾です。

下記のnoteの続編になります。


今回は割安株投資(バリュー投資、割安株効果、バリューファクター)などについてまとめてみようと思います。

これまで、割安株に絞ってまとめたことはないので、初心者以外の人にとっても有益な内容になるのではないかと思います。

前回の記事では、根拠には触れませんでしたが、今回は理解しやすいように、割安株投資が有効なのかどうか、今後も有効であり続けるのかの根拠も示そうと思います。

シリーズ化を予定していますので、一記事一記事は短く、読みやすい内容にするようにします。たまに無料記事も織り交ぜようと思ってますので、ぜひ読んでみてください。


※有料noteになります。投資は不確定要素が多いため,私のnoteを購入しても必ず儲かるわけではなく,損する場合もあるということを理解した上でご購入ください。また、投資助言業にあたる可能性があるため個別銘柄の推奨や投資判断については書いていません。ダイレクトメッセージでの質問も全てには答えられないのでご了承ください。私のnoteで損した場合も、私は一切の責任を負いませんのでご了承ください。


◆割安株投資の基本◆

割安株投資の基本から話したいと思います。

◇バリュー株投資の歴史◇

最初にアンティ・イルマネンの書籍「期待リターン」を参考に、軽くバリュー株投資の歴史について触れておきます。

バリュー投資には長い歴史があり、学術的な関心がもたれるようになるよりも前にベンジャミン・グレアムやウォーレン・バフェット、ジョン・テンプルトンといった有名な投資家の成功の歴史がありました。

そして、この伝統はゲイリー・ブリンソンやセス・クラーマンら後進に引き継がれています。

バリュー投資が学界の関心を本当に引いたのは1990年代前半に発表されたFama-French(1992)と、Lakonishok-Shleifer-Vishny(1994)の2つの代表的な論文によります。

その後の研究で、バリュー戦略が他の国や資産クラスでも有効であることが示されました。株式のバリュー戦略はITバブル期に損失を出しましたが、2000年代前半には黄金時代が訪れます。投資家の関心が高まり、強いバリューバイアスをもつ株式のクオンツ運用者は大きな資金流入に恵まれ、バリュー投資に関する書籍はベストセラー並に売れることとなりました。

しかし、2007年に集中した資金が一斉に引き揚げられ、「クオンツ・メルトダウン」を引き起こしました。2008年も引き続きバリュー株がアンダーパフォームし、業種中立バリュー戦略でさえも損失を出しました。

しかし、このような損失を出したのは、バリュースタイルそのものが割高になっていて、2008年以降は逆に割安になったという考え方もあります。

したがって、今後は利益を出せる可能性は多いにあると思います。

では、実際に、バリュー投資の定義や用語からみていき、その理論や、今後も持続するのかどうかについてみていきたいと思います。


◇バリュー投資の定義、基本用語◇

まず、定義から説明しますが、割安な銘柄を購入(L:ロング)し、割高な銘柄を売却(S:ショート)すると、利益が得られるという戦略が割安株投資(バリュー投資)です。

まず、一番重要な指標はPBRです。
これは、多くの研究でその有効性が確かめられており、最も伝統的な割安株の指標になります。PBRが低ければ低いほど割安ということになります。

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