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犬と夜を駆ける

最近ではニュースステーションを見終わるくらいか途中で、散歩に出ることが多い。
陽が落ちてカラスが鳴いて薄暮の頃に次いでの2回目。
圧倒的な陽射しでアスファルトが鉄板のようなので昼間は怖くて出られない。
まだ、このサイクルに慣れていないというか諦めきれていないジャックは昼間は不満そうだ。

夕方、まず弾丸のように走る。だいたい休憩はさんで2.5キロくらい。
そして、夜はたいていサッカーをすこしする。

こんな場所なので人もいないし、しばし暴れさせてもらう。
昨夜も行った。
ベンチにひとり人が座っていた。その人は誰かと話しているようであったが、それが独り言であることにすぐに気づいた。
ずっと大きな声で悪態をついている。誰かの罵詈雑言を聞かされるのは嫌なものだし、だいたいマイナスの気を発しているので気をつけないとジャックが唸り声をあげそうだし、そもそも、あちらが絡んでくる可能性だってある。
とはいえ、始めたばかりのサッカーを今やめたらそれはそれで角が立つかな、ジャックは諦めないだろうなと、心の中で思いつつボールを蹴っては持ってこいを繰り返す。
なにをそんなに怒っているのか、僕にはわからない。ただ酔っているだけなのかもしれない。
ひとは表で見せる顔は演じている顔なのだから、素顔をどこにも持って帰れず、公園とも呼べない広場のベンチに吐き捨てているのかも知れない。

こんな蒸し暑い夜には、それはそれで仕方ないのかもしれないなぁと思いながら、いつもより早めに切り上げて、その分周囲を余計に走った。

#犬の散歩
#夏の散歩
#犬と暮らす

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