しょっぱい塩鮭がいいから
子どもの頃から、塩鮭の焼いたものを白飯と食べるのが好きだった。
切り身の塩鮭。
それもしょっぱいほうがいい。
ひとかけら口に入れて、ご飯で追いかける。白飯がすっ飛んでいく。
焼きたてがいいけど、冷めていてもいい。
ひとりで暮らしている頃は、食べる頻度が減って、仕事するようになってからは、仕出しの弁当などで食べることが増えた。
だけど、やはり家で焼きたての、ハラミの部分がじゅくじゅく音を立てているのを食べる方がいい。
高い塩鮭はよくわからないが、昨今スーパーで見かける塩鮭には、必ず甘口と書いてある。
健康志向はよい。しかし、塩鮭はやはりしょっぱいほうがいい。
ぼくは買ってきた塩鮭をペーパーでしっかり拭いてから、粗塩を焼く前にパラパラと振る。
そうすると、安いスーパーの塩鮭もビシッとしまった味になる。
焼き上がりの塩が溶けたかんじの焦げも美しい。
それを白飯と食べる。
秋鮭が出ていたら、やはり同じようにして、少ししっかり目に粗塩を振るとなかなかいい。
数ある魚の中で、焼き魚なら、たぶん塩鮭一択です。
あのほんのりと赤みのある、いわゆるサーモンピンクの塩鮭の身は、とてつもないご馳走。いやご馳走ではないか。
DNAレベルで刷り込まれた味の根幹のような気さえする。
今夜は焼きたてをいきたい。
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