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世界さんの憂鬱

ゆうです。
最近、世界の普通からさんの note 記事がヘンだなって感じてました。
批判精神みたいなのはわかるんだけど、どこか遠回しで、本当に言いたいことを我慢しているような。
 
そこで、世界の普通からさんとオンラインで対談したんですよ。
世界さんの了承を得たので、その一部を公開したいと思います。
 
ゆう「お久しぶりです、世界さん。スイスはいかがですか?」
世界「平和ですね。ゆうさんは? 東京の大学で学びなおしてるとか」
ゆう「はい。人文系・社会科学系の講義を中心に受講しています」
世界「ゆうさんの note を読みました。いい先生方がいるようですね」
ゆう「ええ。大学というところは、まだ捨てたもんじゃないですよ」
世界「そうですか・・・そうでしょうね」
 
ゆう「世界さん。最近何かありました?」
世界「ああ、ゆうさんにはバレてしまうか」
ゆう「あたしは言いたいことをストレートに言う。世界さんは抑えてるけど、はっきり言わない部分にコワいものを感じます」
 
世界「最近、二人の日本人と話す機会があってね」
ゆう「ジュネーブで?」
世界「一人目はオンラインで。彼は東京勤務時代の元同僚で、11年ぶりに再会した」
ゆう「へえ。いいですねーそういうの」
世界「まあね。25年来の同志で、今でもそう思ってる奴なんやけど」
ゆう「何かが違った・・・?」
世界「うーむ・・・。お互いの近況を報せながら、彼は日本全体が経済的に貧しくなったことをやたら強調すんのね」
 
ゆう「それって、日本に住んでる彼の実感なのでは?」
世界「さあどうかな。奴は今や一部上場企業の部長や。日本人の賃金が低いとか、非正規の社員が食っていけへんとか、何を根拠に言うてんのか」
ゆう「彼はじゅうぶんもらってるだろってこと?」
世界「いやそれより、奴の論調が日本のメディアの “流行り” そのままであることにゾッとした」
 
世界「こいつ、こんなにアホやったっけ?と思った」
ゆう「メディアの論調に染まってるってことね?」
世界「うん。この男は、私のなかで最も思慮深い奴やった。そんな御仁が、テレビや YouTube ばかり観てると、こうも空っぽになってしまうんか」
ゆう「辛辣だなー^^」
 
世界「そんなオンライン飲み会の数日後、小寺さんと飲みに行ってさ」
ゆう「小寺さんってのは?」
世界「私が香港に移住する前からジュネーブに住んでる人で、当時から私のアニキ的な存在やね」
ゆう「へえ。そんな人いたんだ・・・意外だな」
世界「小寺さんは私のモヤモヤを見透かしてた」
ゆう「どんなふうに?」
世界「日本がいよいよおかしくなってきたよな、って彼は言うんよ」
ゆう「ははは。なんかわかる気がする」
世界「小寺さん曰く:『俺たちが海外にいるうちに、日本に住んでる日本人が徐々におかしくなっていってる。日本にいると気づかないんだよ。変化が漸進的だし、日本という同質性の社会で生きてるからね。でも、日本から距離を置いてる俺たちにはよーく見えるんだよな』って」
 
ゆう「具体的にどういう現象のことを言ってるのかな」
世界「例えば、マスク問題な。日本はとうとう世界最後のマスク国になってしまった」
ゆう「あれは、大多数の国民が『おかしい』って思ってるよ」
世界「思ってるだけやん。わかってても行動に移せへんのはなんでか」
ゆう「それはあたしにもよくわからないなー」
 
世界「あと、メディアがくだらないニュースばかり流してる、ってさ」
ゆう「あはは!それはまったく同感だわ」
世界「あれってマスコミの人間が悪いんかなぁ」
ゆう「いいや、読むほうが悪いんだと思うよ」
世界「やっぱりそう思う? てことは、国民の大半が頭悪いってことやんな」
ゆう「そうなるわね。だからテックに頼ろうとするんじゃない?」
世界「で、テックに頼るからますます頭が悪くなる?」
ゆう「なるほど~。これって発散過程なんだね」
 
世界「それからユーチューバーの話になった」
ゆう「なんか悪い予感しかしないわー」
世界「ユーチューバーもピンキリやから、十把一絡に語ったらあかんけど、こんな酷い目に遭いました、みなさんどう思います?的なのあるやん」
ゆう「あるある(笑)」
世界「ああいうのにまともに反応して怒る人たちおるやん」
ゆう「作り話を真に受けてどーするって思うね」
世界「ああいう人たちの心理ってなんなんやろ」
ゆう「自分は正しい人間だってことが言いたいだけなんじゃない?」
世界「なんでそんなことをわざわざ言いたくなるんやろ」
ゆう「うーん・・・世の中バカばっかだと思ってるからかなー」
世界「自分は違うぞって言いたいんか」
ゆう「たぶん、自分以外の人間をバカ呼ばわりしたい人たちなのよ」
世界「そういう人間のことを ”バカ” って呼ぶんやけどね」
 
ゆう「あ。さっきのマスク問題の答えがわかったわ。周りの人間はバカばかりだから、マスクを外したら袋叩きにされると思ってるのよ」
世界「他人を信じられへんわけか。ヤバいね」
ゆう「バカだよね、みんな」
世界「ちょっと待て。それ言うたら、私もゆうさんも、そのバカの一人ってことになるやんか」
 
世界さんってさ、そういうとこマジメで、自分を相対化する視点を忘れないんだよね。
自分以外、みんなバカだ、でいいのに。
世界さん。あなたが一番バカですよー。