思い出すことなど(90)
翻訳に関する思い出を「思い出すことなど」と題して、色々と書いていきます。今はだいたい1997年頃の話です...
確定申告、ようやくすべての記入が終わった。書類が整ったのだ。ばんざーい。だが、それで喜んでいてはいけない。提出に行かなければ。提出しなければ、誰もこの用紙を見ることはないのだ(当たり前)。ああ、めんどくさいなあ。こんなに大変な思いをしたのに。まだすることあるの。もうこれでいいじゃん。なんでわざわざ足運んで提出しなきゃいけないの。取りに来いよなあ(高飛車)。
考えてみれば、今はe-Taxとかいって、持っていかなくても申告できるようになったんだよね。何年越しかで、願いがかなったのかもしれない。でも、まだそれはずっと先の話。1997年の時点ではそんなのは夢物語でしかない。
税務署はうちからそう遠くはない。歩いて行こう。普通の人は歩くような距離じゃないけど。当時のうちからは歩いて40分くらいかかったと思う。でも、40分くらいなら、当たり前のように歩く。それは今でも。楽勝。
てくてくてくてく。歩いて税務署に到着。さすがに期日が近いから長蛇の列だ。仕方ない並ぶか。待って待って、ようやく自分の番が来た。
「あ、すみません。こことここに印鑑が押してないですねえ」
「え!」
「印鑑、押してもらえますか」
「今、持っていないです」
「では仕方ないですね。もう一度、お越しいただけますか」
なんと...はんこ一つでまた往復80分も歩くのだ...全身の力が抜けた...
律儀に歩いて帰ってはんこ押して、また戻って、やっと提出しましたよ。ええ。あああああああああ疲れた。もう二度とこんなことしたくない...
しかし、その後も20回以上、これが繰り返されることになったのだ。
―つづく―
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